第34話 かぐや姫と朱雀、戦争阻止の計画を立てる②
「奴隷契約…?」
かぐやは聞くとは思ってなかった単語を聞いて困惑する。
「ああそうだ。要は自分が玄武の側近で働く事の代償に、逆らう事が許されないという制約をしたんだ。」
「そんなの…要は辛いんじゃ…。」
要の立場は理解出来たが、同時に前々から薄々思っていた疑問が湧いた。
「朱雀はなんでそこまで知ってるの?」
「…あんまり話したくないがな。」
朱雀は少ししてから自分の過去について話し始めた。
「時間は遡って2000年前、北部と南部が戦争をしていた時だ。あたしは1度、要と話した事があった。」
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―2000年前。
「誰だお前。地籟でも井楼でも無いな。なんでこの場所にいるんだ?」
痩せた大地に固体となった水たちが突き刺さった終わりの世界で朱雀は少女に問う。
「うちは特別じゃないけど、特別扱いされてここにいるのさ。あんた朱雀でしょ?さぞいい人生を送ってきただろうね。」
少女は皮肉を交えて朱雀に答える。
「特別なんてあたしは望んでねぇよ。でも、お前の生き方は悲しそうだな。目が死んでるように見えるぞ?」
そう言いながら朱雀の身体から炎が漏れ出す。
「誰もあんたなんかに言われる筋合いは無いよ、このオス女が。」
少女もそう返し、手の先に固体となった水が集まっていく。
「…じゃあな。」
朱雀は蔑む目で少女に別れを告げた。
「…………。」
「…弱いな。」
朱雀は全身中を火傷を負い気絶している少女に言う。
「こんな奴まで駆り出すなんて、北部はクズしかいないのかよ。」
そう言いながら朱雀は月へと帰って行った。
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―戦後、鳳凰邸。
「なぁ、親父。戦場にいた…誰だっけ。能力無しの奴は何者なんだ?」
朱雀は最上階にて父、鳳凰に問う。
「能力無し…か。もしかして…武藤要か?」
「武藤要…?」
その後も朱雀は鳳凰に色々聞いた。
要が奴隷という立場にあること。
玄武家の風習。
朱雀はそれらを全て理解した上で言った。
「あいつらは好きになれないな。」
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「なるほど、そんな過去があったのね。」
かぐやはこの過去を聞いて朱雀と要の関係と要の立場を理解出来た。
「窮屈な人生、悲しい人生は見てて虫唾が走る。だからあたしだけでも、自由に生きたいんだ。」
かぐやは朱雀が自由気ままに生きてる理由が分かった気がする。
そしてかぐやはあることが思いつき…
ニヤリ…と笑った。
「こうなりゃアイツらにも''自由''を与えてやろうじゃない。明、作戦思いついたから教えてあげる。」
かぐやは余程いい作戦が思いついたのだろうか。
かぐやは悪魔的笑みを浮かべていた。
〜かぐや説明中〜
少しした後、朱雀は顔を抱えて言った。
「めっちゃ嫌なんだが。」
35話に続く…
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