第33話 かぐや姫と朱雀、戦争阻止の計画を立てる①

―鳳凰邸からの帰路。

「あんたがこんな事言うのは珍しいわね。」

「そうか?あたしは超優しいプリチーガールだぞ?」

2人がそんな会話をしている内に玲愛が目を覚ます。

「…ふぇ!?ここ何処ですか!?なんでわたしは朱雀様に背負われてるのですか!?」

「やっと起きたわね…あんたが気絶してる間に色々面倒な事が起こりまくっていたのに…。」

かぐやは気絶していた玲愛に何があったかを説明した。



「なんでそんな面倒くさい事に…。」

玲愛は頭を抱えている。

「わたし達の行き先の地球の危険が危ないから仕方ないわ。」

かぐやの語彙力皆無とかどうでもいい。

こんな面倒な事が寝てる間に巻き込まれるなんて。

「明、具体的な方法とかは明日に聞くわ。今日はもう疲れたわよ…。変な女に絡まれるわ他人の都合に振り回さるわ。」

思い返せば今日1日で滅茶苦茶な事が起こりすぎてる。

これ以上頭を使いたくないしこれ以上動きたくない。

「はぁ…、分かったよ。明日話そう、戦争回避をするための会議を。」

「明日かぐや様は仕事―

「そうね!明日にしましょう!明日しかないわ!」

かぐやは疲れてるはずなのに何故かウッキウキな顔つきで自室に帰って行った。

―月曜日。

「なぁかぐ、なんでそんな不機嫌なんだよ。」

朱雀は''平日''の朝早くから来ている。

仕事をやらずに。

「別に。あんたとわたしの仕事の重要性の違いを知っただけよ。」

かぐやはそう言いながら印鑑を紙に押し付ける。

「まぁいいか。それじゃ会議を始めるぞ。」

そう言って朱雀はあらかじめ作っていたプリントを渡す。



「なるほどね。とりあえず鳳凰家と玄武家の関係を再確認出来たわ。」

かぐやは顎に手を当てて言う。

「それで、今1番聞きたいのは要よ、何があったのよ。」

ずっと思っていた疑問。

朱雀と要の関係。

1番下の階級の彼女が刺客なんて重要な仕事をしていた理由。

「お前の聞きたいことは分かる。だが要の立場から話すぞ。そっちの方が説明がしやすい。」

そう言って朱雀は説明を始める。

「まず、言ってなかったが要は玄武の娘だ。」

「娘!?そんな重要な情報なんで黙っていたのよ!?」

かぐやは驚きを表情に示す。

「言う時間が無くてな。それで、あいつは能力無しのゴミとして処理されるはず…だったんだ。」

朱雀の声色が少し変わる。

「だがあいつの父親は、そんな娘を捨てておけなかったのだろう。そこで奴は…玄武は要とある契約を結んだ。」

「契約?どんな契約よ?」

朱雀は言うのを躊躇ったがかぐやに言った。


「奴隷契約だ。」


34話に続く…

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