第23.8話 社畜とホワイト社員のリアルな1日

「…………。」

ピコピコピコ…

「…………。」

ピコピコピコーン

「……ねぇ。」

テレテレッテテッレー。

「ゲームするなら自分の部屋で良くない?」

現在は正午、かぐやの職場に当然のようにいる朱雀。

仕事してる横でゲームをされるのはやはり腹が立つようだ。

「仕方ないだろ、あまり月の民にあたし達の事知られないためだからよ。」

「ならせめて、わたしが働いている時くらいはやめて欲しいんだけど。」

皆さんは自分が仕事をしてる横で誰かがゲームをしていたらどう思うだろうか。

多分僕はぶん殴ると思う。

「というかあんた仕事は?」

「司令待ち。」

お前の仕事は楽そうだな、と青筋が走らせているかぐや。

「あ、もう昼か。」

「暇ならなんか飯作りなさい。」

食事の需要は地球では「生命維持」であるが、月では「娯楽」として存在している。

「死にはしないんだから仕事に集中しろ、ス〇ブラの対戦が控えてるんだぞ。」

「なんでする事になってんのよ、というかス〇ブラしたいんなら手伝いなさい。」

さらっと鬼畜な事を言う朱雀だが、かぐやはそんな事どうでもいい、と協力を要請する。

「いいのか?多分ミスりまくるぞ?」

「別にいいわよ。どうせ玲愛が修正するし。」

この2人は似てる部分が多いが、大体がロクでもない部分である。

「朱雀様、監視業務の依頼が来ました。」

そうこうしているうちに不知火がやってきた。

「はぁ、了解。」

「ふっ仕事の辛さを味わうがいいわ。」

「はいはい。」

かぐやの煽りを無視して鬱陶しい奴が部屋を去った。

「……カップ麺でも作ろ。」

―月の時計台の屋根。

「はぁ…眠い。」

「VIP帯は行けましたか?」

「いいや、全然。」

不知火と朱雀がほふく状態で話している。

「というか今回あたし要る?透視能力ほぼ使わないじゃん。」

「別に透視能力だけが朱雀様の取り柄じゃないですよ。」

おだてながら、能動的に仕事をさせるという、華麗な技を放つ不知火。

「知らんわそんな事。不知火、30分寝るから。」

「へ?何を言って…」

「30分したらお前が寝ていいから。Zzz…」

不知火の了承を得る前に朱雀は寝てしまった。

「朱雀様、起き―

不知火は朱雀を起こそうとする瞬間に電流が走る。

「…寝顔可愛いな。」

こいつは何を言ってるんだろうか。

「ちょっとぐらい触ってもバチは…」

不知火が何かしようとした時…


<バキィィ!!( ´ཫ` )グハァ!


「Zzz…」

寝息を立てながら朱雀の拳が不知火に突き刺さった。

そして、すぐさま不知火の胸ぐらを掴み、

下B→上ジャンプ→横B→空中下×2→上B。

シ〇ンの即死コンボが不知火に直撃した。

「「「ギャァァァァァァァ!!!」」」

不知火の叫びの直後に地面がえぐれるような音が響いた。

・ 〜10時間後〜

「戻ったぞー、かぐや?」

「………。」

「…寝たか。」

寝てる…というより気を失っている。

世の中平等平等言っているが、''労働''こそ最も気に配るべきだろう。

現に朱雀は寝ててもどうにかなる仕事をしてて、かぐやは長時間に渡り、しなきゃいけない仕事をしている。

これを不平等と呼ばずして何と言うのだろうか。

「あ、朱雀様。来てたんですね。」

書類回収に玲愛がやってきた。

「かぐや様は…まぁいいか。」

もう毎日のように灰になっているので玲愛も慣れているらしい。

「玲愛、シ〇ンの練習したいんだが手伝ってくれるか?」

「わたしカー〇ィしか使えませんがいいですよ。」

こうして、2人の死骸を放置して、2人はス〇ブラを始めた。


23.9話に続く…

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