第23.2話 朱雀明の1日〜業務編〜
ピピピピ、ピピピピ
「…う、うるさ…」
ピピピピピピピピピピピピ
「……。」
「「ガシャーン!」」
「…ち、起きてるっつーの。」
朱雀はイライラしながら身体を起こす。
「かぐやから貰ったもんだけど、まぁいいか、不知火(シラヌイ)に起こしてもらうし。」
朱雀明、地球南部気象操作委員会の会長、鳳凰の娘である。
超がつくほどの裕福な家庭である彼女だが、彼女にも仕事をというのは存在する。
「はぁ…着替えるか。」
先に言っておくが、月の民には空腹というのは存在しない。
玲愛はいつも食事を摂らないが、朱雀はというと…。
「そういえば、かぐやから缶状の飲み物をもらってたな。」
そして、その缶にはこう書かれていた。
STRONG×ZERO…と。
ぐぃっ、ぐぃっ、と一気に飲み干していく。
「…意外に美味いんだな。」
そう言って朱雀は何事も無かったかのように着替えを始める。
「おはようございます、朱雀様。」
「出てけ。」
挨拶に来る不知火を一瞬で追い払う。
裸体を見られるのはかなり気に食わないらしい。
不知火もまさかもう朱雀が起きてるとは思わなかったのだろう。
「(´・ω・`)」
不知火はそんな顔をして部屋を出ていった。
「ちっ、あたしの裸体を見ようなんて3回くらい転生してからにしろ。」
さすがにこれは不知火に同情できる。
そして、難癖をつけながら、朱雀は仕事に行った。
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朱雀の仕事は凄く単純である。
依頼地の監視、及び情報収集である。
難しいように聞こえるが、朱雀には透視能力がある。
音の聞こえる範囲なら監視には最適な人材である。
かぐやから貰った双眼鏡を持ち歩きながら、目的の場所に向かう。
今回は気象管理会議の書類情報を複製するのが目的である。
「はぁ、めんどくさ。」
「でも今回の仕事はとても重要らしいのでこの依頼で今日は上がれるらしいですよ。」
朱雀の愚痴を、不知火はなんとか機嫌を取ろうと努力する。
「それもそうか。さっさと終わらせるぞ。」
そう言って双眼鏡を取り出し、透視能力と遠方観察の2段構えで会議書類のコピーを2人はし始めた。
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・
・
「災害関連のデータばかりだったな。」
「仕方ないですよ、地球人を月に飛来させないためですし。」
「ま、いいや。この書類提出しといて。あたしはかぐやの場所(とこ)に行くから。」
23.3話に続く…(次回、かぐや宅)
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