第22話 かぐや姫、数千年の関係に決着をつける④+‪α‬

不正発覚。

このゲームの負け方(勝ち方)のもう1つの方法である。

この勝利方法は今までのポイント全てを覆す事のできる、そう、たとえ1700対8300ポイントの勝負でも…!

朱雀はまさかの敗北に嘆きだす。

「嘘だ…あんな量のカイロ…10分間で用意できるわけがない!」

それをかぐやは軽々と答える。

「そりゃ、玲愛に作らせていたからね。」

「作らせていた…?その10分で作ったんじゃないのか…?」

朱雀の脳内にある人物がよぎる。

「まさか…。」

「初めてでしょ?信じてる奴に裏切られるのは。」

朱雀の疑いは確証へと変わった。

「「不知火(シラヌイ)!!!」」

「申し訳ございません、朱雀様。」

とある宮殿の最上層で朱雀の従者、いや、不知火が囁く。

「それで…さきの話、本当と受け取ってよろしいのだな?」

黒き影は不知火に問いかける。

「はい、かぐや殿ら書類管理委員会が地球北部気象操作委員会の敵対勢力として我々と同盟を結んで下さると彼女の従者から代弁して聞きました。」

不知火は丁寧に返す。

「ふふ…近々戦争が起こる…楽しみだ…!」

黒き影は笑いを飛ばし、奥へと歩み去っていった。

「……ちくしょう…。」

朱雀は嘆く。

「やりましたね!かぐや様!これでわたし達の…」

勝ちと言おうとするが、かぐやの言葉で遮られる。


「いや、まだよ。」


「…なに?」

かぐやの言葉で俯いていた朱雀は顔を上げる。

「かぐや様!何を言ってるんですか!?」

「少し黙りなさい。」

かぐやは真剣な顔つきで返す。

「朱雀はわたし達にチャンスを与えたのよ。」

「チャンス…?」

かぐやの言葉に玲愛は首を傾げる。

「チャンスっていうのは朱雀がわたし達にこの勝負をする機会を与えたことを言っているのよ。」

かぐやの説明を玲愛はまるで理解できない。

「ならなんで朱雀は…」

次のかぐやの言葉で玲愛は全てを理解した。


「勝負をする以前にわたし達の記憶を消さなかったのかしら?」


「…っちバレちまったか。」

朱雀が悪態をつき、かぐやを見る。

「なんでわたし達を勝負に誘い出したかは分からないけど、朱雀はチャンスをくれた、わたしにはこのチャンスで朱雀との関係を晴らす義務がある。」

そしてかぐやは決意したような目で朱雀に言う。

「だからもうラスト1回であんたを満足させてあげるわ!」



「……ふふ…。」

朱雀は笑い出す。

「ははははははははは!!」

朱雀は口を大きくして笑った。

そして、朱雀は何かが吹っ切れた。

「次の試合にポイントは関係ない!単純な勝負にしよう!」

「よく分かってるじゃない、次で本当に終わりにするわよ。」

朱雀の高笑いが、かぐやの知略が次なる戦いを引き起こすこととなった。

2人の戦いが、結ぶこととなった同盟が、

この先の未来に何をもたらすのだろうか。


第23話に続く…(次で本当に終わりです)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る