第8話 かぐや姫、罪を揉み消される/かぐや姫、地球の娯楽を楽しむ①
「ねぇ、何かおかしいと思わない?」
地球人の食事を食べて数日後、書類の山を床に打ち落として、かぐや姫は言った。
「そうですね。さすがにこれはわたしも同じふうに思ってました」
「「なぜわたし達は捕まらない。」」
殺害予告を出してから既に数日たっている。
もはや見つかってない方がおかしいという話だ。
それが意味することは…
「''何者''かに破棄されたわね」
かぐやは爪を噛みながら言った。
「でも、誰がそんな事を…別にわたし達を止める義理もないでしょうし」
玲愛は首を傾げて言う。
「犯人は意外に近くにいるかもね。例えば地球があんまり好きじゃない人とか」
かぐやはにやけながら玲愛を見て言う。
「もしかしてわたしの事疑ってます!?やめてくださいよ犯人は〇スじゃあるまいし」
「今どきそのネタ知ってる人少ないわよ」
「えーっ!」と別のことで驚いている玲愛を半目で見ながらかぐやは言う。
「とりあえず、一旦保留にしときましょ。何かの手違いかもしれないし」
「そうですね。なんならもう一度殺害予告を書けばいいですし」
玲愛も落ち着いてそう答えた。
「じゃあ書き始めるわよ、ヤ〇」
「ヤ〇言うな」
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「呑気な野郎どもだ」
かぐやの職場の屋上で、爪を切りながら、赤き髪の美女は囁く。
「でもいい。どうせあたしの存在は彼女らにそう遠くないうちに知られる」
切った爪を丁寧にティッシュを包んで彼女は笑う。
「その時まで、精々震えているがいいさ。」
「寒くないんですか、朱雀様」
いい感じの展開をコートを持った従者が割り込む。
「…寒い」
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―翌日。
「おっはよーございます〜…何やってるんですか…かぐや様?」
驚くのも無理はない。
何故か職場が1夜にして血が床中にへばりついていたからである。
「…本当に何をしてるんですか?」
玲愛は恐る恐る聞く。
「地球の娯楽らしいわよ」
そういいながら血が塗りたくられた紙を玲愛に突き出す。
「逆さの赤い桃に…9?」
「ハートの9よ」
「へー」と言いながら、周りに散乱している血を見て眉をひそめる。
「トランプっていう遊戯らしいわ」
「…毎回思うんですけど、どうやってそんな情報を仕入れてるんですか?」
玲愛は核心を突くかのような質問をする。
「意外に書類に紛れているのよ」
「書類ってなんなんですか…」
自分が持ってきてる書類に困惑しながら玲愛は返す。
「…でもトランプのゲームは1人ではやれないのばかりで…」
かぐやは寂しそうに、目を潤わせながら玲愛を見て言う。
「分かりましたよ…一緒にやればいいんでしょう?仕事までの30分だけですよ?」
「えー、いいのー?」
かぐや姫はさぞ可愛い顔をして笑う。
((可愛いなーこの子))
そう思いながら、玲愛はかぐやに聞く。
「で、何のゲームをやるんですか?」
「うーん、ポーカーにしようかしら」
第8話に続く…(ポーカーのルール知らない方は調べて下さい…)
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