第4話 かぐや姫、従者を拉致する
「「「こんな場所出ていってやる!!」」」
かぐや姫の怒号による波動はこの月ではありもしない地震を起こしていた。
当然、近くで話をしていた玲愛も例外ではなく…
「ふぅぅ…あれ?玲愛?」
なんて言ったら良いんだろう。
強いていえば、壁にヤ〇チャがめり込んでいるかのような状態だった。
「まぁいいわ。帰るわよ玲愛」
残りのお見合いなんぞ知らん、そう思いながら、玲愛を引きずり、マイルーム(職場)に戻ったかぐやなのであった。
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「結局何でしたかね(´・ω・`)?あの衝撃波は?」
「私たちが知っても仕方ないですよ。別に興味無いですし。ただお偉いさんにでも見つかったら…」
「犯人の記憶は消されるかもしれませんね」
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―翌日。
今日は休日、1週間に1度、人間の時間に変換すれば、約78日ぶりの休みである。
本来は有意義に過ごすべきだが
この2人、玲愛とかぐやは様子が違った。
「もう分かりました。かぐや様は疲れてるわけでも、知識マウントを取っているわけでもなく本当に記憶が戻ったんですね」
玲愛はだいぶ腹が立っていた。
なぜなら昨日…
「か、かぐや様…治療室に行かせてください…」
「駄目に決まってるじゃない。私の素性がバレたらどうなることやら」
「「そんな…ガクッ」」
かぐや姫は怒りが臨界点を迎え、垢が抜けたというより…鬼畜になっていた。
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「昨日の事は謝ってるじゃない。結局私が看病したし」
かぐやは昨日の見合いの反省書を書きながら答えた。
「それで、かぐや様は一体なにをしたいのですか?」
玲愛は昨晩から気になっていることを聞いた。
「この月から脱出する」
「本当に言ってるんですか?」
「ええ、私働きたくないもの」
「…一応私上官に報告できますよ」
「………」
バゴォォ!!
書類から飛び出て来た拳で玲愛は障子に叩きつけられた。
何が起こったのか分からない間に、
「協力しなさい」
「…ぇ?」
「協力しろと言っているのよ」
かぐや姫さんは「断ろうものなら〇す」
みたいな風貌を浮かべながら言った。
これはもはや、脅迫、恐喝、拉致と同じ類いである。
「い、嫌だって…言ったら?」
玲愛はなるべく限界まで怖がってないふりをするが、
「…この部屋から出れると思わないことね」
恐怖、これは地球人固有の感情らしいが、
月の民も持ち合わせているらしい。
玲愛は汗だらだらだった。
「わ、分かりましたよ…」
「それでいいのよ!」
かぐや姫の表情がスイッチを切り替えるかのように変わるのを見て、
玲愛はゾワッとした。
第5話に続く…
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