第3話七人のイケメン

師匠は田島に話した。

「お前のやることは七人のイケメンを見つけることだ。そして仲間にすることだ。悪魔はたばこを好むと言うことは分かったな」

田島は生唾を飲み込んだ。

「俺にできるだろうか?」

田島はまだ見ぬ仲間たちに対して憤りと不安を感じていた。

「なぜ、彼らは名乗ろうとしないのか?きっと何か理由があるはずだ。きっと…」

田島は師匠と別れ彼らを探すことにした。まず向かったのは不良グループの集まるコンビニだった。田島は正直関わりたくないと言うのが本音だ。巻き込まれたくない。

「あ、嫌だな。何で俺なんだよ」

田島はボソボソ不満を言いながらコンビニの方へ向かって行った。その途中、数台のバイクとすれ違った。

「あれかな、顔は殴られたくないな。大丈夫かな…」

田島はボソボソとつい口に出てしまう。田島の悪い癖だ。田島は争い事を好まない。だが、師匠から託され仕方なく悪魔狩りをすることにした。イケメン探しと悪魔狩りをこなしていくのは容易ではない。田島はその両方をしないといけない。

「大丈夫かなぁ?」田島はそう思いながらコンビニにたどり着いた。コンビニの前にはバイクが何台かあった。コンビニを遠くから覗き込むと男達がほとんどだった。田島は男達が外へ出てくるのを待った。男達が出てくると田島は向かって行った。

田島はコンビニにはもう来るなと言った。男達の一人が田島は胸ぐらを掴んだ次の瞬間田島は男の手を掴み投げた。男は田島に投げ飛ばされると背中から地面に落ちた。男達は唖然としていた。男達はそれから何も抵抗しなかった。男達は何も言わなかった。田島の口調は荒くはない。男達は田島に聞いた。

「あんたに惚れた。俺達に手伝わせてくれ」

男達の一人はそう話した。田島は男達の熱意に負けた。男達は五人居た。名前を言わなかった。なぜ、名前を話さないのか気にはなっていた。

「本当に信じていいのだろうか?」

田島の脳裏にふと浮かんだ。田島は若干の疑いを持ち仲間にすることにした。七人のイケメンを探さなければいけない。そして悪魔が取り憑いている人物の特定をしないといけない。仲間を得た田島は不安がっていた。

「果たして見つけることができるのか?」

そんな時だった。猫がこちらに歩いてきた。猫は田島の前で止まると立ったまま、人間の言葉を喋った。猫は田島に聞いた。

「戦う意志は決まったか?」と。

猫はそう話すと田島に向かってきた。田島の実力を試すためだと話した。

「何を躊躇っている。やるかやられるかの二つしかないんだぞ!」

猫はそう話しながら攻撃していた。猫の攻撃を交わしながら田島は猫の顔に蹴りを入れた。猫の攻撃は終わり、猫は近づいてきた。猫は田島に耳を貸せと言うと、田島の両耳にフッと息を吹き掛けた。田島の両耳に悪魔が取り憑いている人物からはカタカタと言う音が聞こえると話した。新たに仲間になった五人の男達からは聞こえてこない。

「気のせいか?だが、信用はしてはいけない」

田島の中の悪魔が囁いた。田島は悪魔に耳を貸した。

「俺の言葉を信じてみないか?」

悪魔は田島に囁いたが田島は無視していた。猫は田島にそう告げるとその場から消えた。田島は猫の姿が突然消えたことに驚いていた。

田島は「俺も魔法が使えたらいいのに!」と心の中で強く念じた。すると、左手からメラメラと炎が出ていた。悪魔は田島に囁いた。

「何も恐れる必要はない」

悪魔はそう言って田島の中に消えていった。

「何じゃこりゃ?」

田島は炎を出したあと鼻血が出ていた。

「きっと敏感なのだ」

田島はそう思うしかなかった。男達を率いて田島はコンビニを後にした。男達は田島のことを兄貴と言い出した。田島は男達と別れ自宅に帰って行った。田島は疲れ果て、自宅のベットに向かって進むとそのまま横になった。田島が起きたのは昼だった。父親と兄の三人暮らしだ。兄の洋平は高校生だ。兄は無関心だった。父親も何も言わない。洋平とはほとんど話さない。お互いに干渉して欲しくないと考えていた。するとカタカタと言う音が聞こえてきた。悪魔の音だ。田島は、急いで向かった。そこには洋平が居た。

「何かようか?にいちゃんに任せて怪我したくないなら帰りな!」

田島は洋平に聞いた。

「もしかして、悪魔狩りしているの?」

洋平は返事をしなかった。田島の目には悪魔が見えた。洋平は七人のイケメンの一人だと感じた。

「俺も悪魔狩りしているんだ!兄ちゃん」

「お前もか?」

その場に居たのは父啓介も居た。

「なんだこれで三人揃ったな」

「田島家は代々悪魔狩りをする家系だ。母さんを殺害した悪魔を探している」

まさか兄と父が悪魔狩りをしているとは思っていなかった。兄と父は木刀を持っていた。「ここは任せろ」

兄と父は田島に話した。二人とも悪魔狩りをしていたとは全然知らなかった。啓介と洋平は七人のイケメンの中の人物だ。田島は二人に任せた。ただ、呆然とそこに居た。悪魔の音が近づいている。地下から聞こえてきた。悪魔の姿が見えた。二人とも木刀に赤い炎が宿っていた。悪魔が攻撃をする前に二人は動いた。悪魔の顔に二人の木刀が当たった。悪魔は二人の攻撃に吹っ飛んだ。悪魔は攻撃を受けて立ち上がることができなくなっていた。主人の元へ帰ろうとしている悪魔は消えて行った。啓介は田島に話した。

「母さんを殺した悪魔は、耳にピアスをしている」

啓介から聞いた田島は憤りを隠せなかった。

「そいつを探すの俺も手伝う」

啓介はその言葉を待っていた。悪魔狩りがどれだけ過酷なことを知っている啓介は田島の考えを受け入れた。

「分かった。学校のことは任せておけ」

啓介は田島の頭を撫でてこう言った。

「随分立派になったな!」

啓介はそう告げると田島は照れ臭そうに笑った。田島は啓介に何も言わなかった。啓介達は自宅へと向かった。自宅に着くと啓介達は力を使ったせいか腹の虫がないていた。啓介達は、出前を頼んだ。お金を手に取って玄関先まではっていった。出前は寿司だった。寿司は啓介達の大好物である。出前は田島家では名物だった。田島達親子は寿司をたいらげるとそのまま眠りについた。玄関先で爆睡していた。田島達親子は起きたのは昼だった。啓介は自営業をしている。洋平は通信制の高校に通っている。修は中学校に通った。中学校では悪魔狩りの話で盛り上がっていた。「修くん。おはよう!こっちを見て」

女子生徒たちがそう言っては群がって来ていた。

女子生徒たちは修と目が合うと、大声をだしていた。

「こっちを見てくれた。嬉しい」

女子生徒たちは声をあげた。修は気にすることなく校舎の中に入っていった。女子生徒たちは修の後を追って校舎の中に入っていった。修はあとを追ってくる女子生徒たちをけむたがっていた。修は男子更衣室に逃げた。すると、カタカタと音がしている。修は悪魔だと身構えた。猫が更衣室に紛れ込んでいた。猫は言葉を話さなかった。修は誰もいないのを見て猫を連れ、学校の外に出てにがした。修は学校に戻らず、自宅へと帰って行った。啓介は帰ってきた修のことを気にしなかった。啓介は修に何も言わなかった。修は自分の部屋に入ってベットに寝転んだ。ゆっくりと目を閉じた。

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