本編

窮鼠猫を噛む 無噛餅人を殺す

「今日から薬品研究部門で働くことになりました、バザルと言います。よろしくお願いします!」


拝見


前世のお父さんお母さん

僕はもちを喉に詰まらせて亡くなりましたが元気です

そして今世のお父さんお母さん

就職には成功しました


敬具


さて、

僕はバザル

前世では餅を喉に詰まらせるというびっくりな死因で亡くなりこっちの世界に前世の記憶を受け継ぎ、転生した


あれだね、餅で亡くなる人が居るとはよく聞くけど、まさか自分が亡くなるとは思わなかったよ…しかもまだ19だったのに


あっちの父さんも母さんも良い人だったなぁ、それだけに親孝行したかった

その分だけ、こっちの世界では存分に親孝行しようかな


あ、あと皆も餅はよく噛んで食べような!


「ああ、よろしく頼む

では、自己紹介といこうかな、俺はガレイ 薬品研究部門所属、副部長だ。好きなもんは綺麗なもんだ。ここでは医薬品メインで研究している」


「はい、お願いします」

「おう、分からないことがあればなんでも聞いてくれ」


優しそうな人だなぁ…見た目はともかく


そう、見た目はともかく


そりゃあ、リアルにとげ付き肩パッド着いた白衣着た微笑むおっちゃんとか見た目怖すぎるもん


「次はあっしじゃね」


「あっしはナガルじゃ、薬品研究部門でただの研究者やってるのじゃ。。研究テーマは全部じゃ、よろしく頼む」


ナガルさんは…ん?どうなってんだこの見た目

いや、服装自体はちゃんとしてる。しっかり制服と白衣?を着てるけど

なんか白衣のほとんどが緑色になってるし、名前のプレートの下にコロッケの刺繍がされてるし、なんだろう、白くて丸くてクリーム色っぽい髪飾り


「ちなみにこの髪飾りはポテトサラダじゃ」


…定食かよ


「よろしくお願いします、ところで、全部とは?」

「ああ、あっしは正しくは興味が出たことを研究してるのじゃ」

「なるほど」


「…背、ひっくい、そこ、重要」

「なんじゃとぉー!ネルス!お主もひくいじゃろぉ!」

「ナガル程じゃない…フフン」

「ア゙ァァァ!!」


確かにナガルさんは女性ということを加味しても小さい、身長は145cmくらいだろうか


「あっしだって!この前143まで伸びたんじゃぞ!!」


あ、もっとちっさかった


「ん?バザル、今お主、もっとちっさかったとか、思わなかったか?おぉん?」

「いや、思ってないっすね、はい」

「おお、そうか、もし思っていたら飲むと24時間程、体を不快感が駆け巡り続けるだけの体に優しい新薬を飲んでもらうところだったぞ」

「いやー、思うわけないじゃないですか

はは、ははは…」


あぶねー


「そして、私、ネルス、分野は毒、152センチ、ナガルが抜くことは無い、未来永劫。よろしく」


ネルスさんは、全体的に緑チックな見た目をしている

白衣まで緑なんだけど…白衣が白いのって薬品がついてもすぐに分かるようにするためだった気がするけど、いいのかな


「よろしくお願いします。ちなみにその頬のマークはなんですか?」

「いいでしょ」



あ、それだけ?確かにいいけど

「えっええ、いいものですね」


「ねえ、ネルスくん、今なんって言ったのかね?このあっしに教えてくれないかえ?」

「ナガルが身長で抜くことは未来永劫、億に1つもない」

「ほう、余程、死にたいと見える」

「私、魔人、簡単には死なない」


なんか、すっごい火花散らしてる


「まぁ、まてお前ら、いつもなら放っておくが今日はやめろ。ほら、ナガル、俺の3時のおやつ、ミルクキャンディやるから」

「チッ、また今度決着をつけてやるのじゃ」

「こっちこそ」


ガレイさん、いつもは放っておくんですね

そしておやつにミルクキャンディ食べてるんですね


「じゃあ、バサル。部長のところに案内するから着いてきてくれ」

「あ、はい」


ーーーーーーーーーー

「そういえばこの部署は全部で何人になるんですか?」

「ああ、ここはお前を入れて6人だな」

「へー、結構少なめですね」

「うむ、単純に人手が欲しければゴーレムでも作ればいいからのぉ。割と簡単にゴーレムは作れるのじゃ」

「でもゴーレムって色々な制約とか準備が要ると学んだんですが…」

「それは、わたし達が普通とは違う術式を使うから、それが公開されないのは、簡単に作られると、仕事が減ったり、犯罪を犯しやくすなったり、するから」

「だから、6人位でも事足りちまうんだよ。まぁ、新人がなかなか増えないから、少し寂しさはあるがな。この研究所では案外人数的には何処もそんなもんだ」

「なるほど…ちなみにもう1人はどんな人なんですか?」

「あぁー、うん、んー、どんな人、か…」

「えっと、もしかして言いにくいような方なんですか?」

「いや、良い奴なんだが…こう、ちょっとズレてるというか…まぁ、ここで働いてりゃ会えるさ、その時に説明しよう」

「あはは、ありがとうございます」


ーーーーーーーーーー



廊下を進んで行き、ひとつの部屋の前でガレイさんは止まった

そこにはラザニエル=バザーの文字が書かれた看板が下げられている


「部長の命令で2人きりで話したいんだと、俺たちは先に戻っとるぞー」

「頑張るんじゃぞ」

「驚く、きっと」

「はい、ありがとうございました」


3人と別れ、僕は扉を開けて入る


「よく来た!歓迎するよ、バザルくん。僕はラザニエル=バザー、名前の似ているもの同士仲良くしようじゃないか!」


え?


「おやぁ?どうしたんだい、そんな顔をして、ほら!挨拶には握手が付き物だろう?」


……


「ほら!握手をしようよ」


「いえ、あの…」


「うん?まさか、握手をしたことが無いとは言わないだろう」


「…握手をしたことはあるのですが…」



バザーさんは手を出していた


いや、正しくは手じゃない


翼を出していた


そこに居たのは青みがかった水晶を首からネックレスとしてかけた












「獣人の方となら握手をしたことはありますが、さすがに烏の方と握手?握翼?をしたことはなく…」

1匹の赤いからすだった


「うん?あ、まじじゃん。烏のまんまだわ、僕」

「今更ですか!?」

「じゃあ仕方ないね」

「そりゃ、翼を握っちゃまずいですよ」

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