第5話 おまけ・その1:航輝くん情報

 ちなみに、私、瑠璃から航輝くんに、いろいろ質問した。失敗したけど。


 その時の様子をどうぞ!


質問:好きな色は?

航輝:体を通すなら、緑かな。青を秘めた新しい緑は、美しい。

瑠璃:黄緑色のことね、自然を表す代表の色だわ。


質問:好きな動物は?

航輝:動物、動物――。今、興味があるのは人間だ。

瑠璃:そりゃぁ、あなたから見れば、人間も動物よね。じゃなくて、私が言っているのは、犬とか猫とか……わかる?

航輝:ああ、なるほど。自分が人間だと思って答えるのだな。うーん、なら、こんな答えはどうだ。動物に限らず、この地球にある、すべての生きとし生けるものが好きだし、尊いと思う。

瑠璃:どっかで聞いたことあるような回答。それに、なんか、高校生っぽくない。でもさ、航輝くんは知らないだろうけど、地球上には、ゴキブリっていうのがいるのよ。3億年以上前から、この地球に存在する害虫よ!!

航輝:ゴキブリ?なぜ、ゴキブリが害虫なんだ。昆虫だぞ!

瑠璃:昆虫――。(絶句)


「これだから学者は、謎よ」と私は心の中で思った。


瑠璃:そうよね、そうよ、昆虫ね。でもね、ゴキちゃんは違うの。人間の天敵よ!

航輝:ゴキちゃん?なんだそれは?とにかくゴキブリは、日本では、かなり嫌われているようが、外国ではそれほどでもない。守り神にしている国もあるし、食べたり、薬にしたりする国もある。

瑠璃:た・べ・る??恐ろしや……

航輝:3億年以上も前から、少しずつ進化しつつ生息しているんだ。もう少し、敬ってもいいのではないか?

瑠璃:だめ、説明されれば、されるほど嫌になる。頭でわかっていても、無理っぽい。これ以上、この会話は続けられない――。


 以上、「航輝くん情報」とまでいかなかったのです。ごめんなさい。


 航輝くんは、外見はかっこいいけど、話す内容は、理屈っぽいし、年寄りじみている。


 別に、存在感を無くさなくても、こんな会話していれば、そのうち、ほとんどの女子から相手されなくなるのではないかと私は思う。

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