第39話
最近琴美に会えば会うほど心配が増える気
がする。
オレは琴美を好きすぎてどうにかなってし
まったのだろうか…
琴美よ。
誰かにプロポーズされているのか?
でも、オレと一緒に教習所通ってくれるん
だよな⁈
もしも今、琴美にプロポーズの事を聞いて
もどうしようもできない。
相手がすでに社会人ならなおさらだ。
だってオレはあと何年も学生なのだから。
トゥルルル トゥルルル
琴美から電話だ。
まさか別れ話じゃないだろうな…
「もしもし」
「小太郎ー。もう春一番は吹きましたか?」
「は?なんだよ、春一番って。まだ冬だろ」
「あー、まだ冬かよー。通りで寒いと思いま
したよ。では、ごきげんよう。」
「えっ、なんの電話?」
「春一番情報」
「はぁー?暇か⁈」
「はい‼︎暇でした」
そうなのか。
「なー、琴美」
「ん?」
「琴美って結婚願望ある?」
「うーん。いつかは結婚したいけど今はとり
あえず飼育員さんになるのが先かなー。な
んで?」
「んー、ちょっと聞いてみただけ。」
「小太郎‼︎もしかして結婚したいの⁈」
「オレもまだ学生だから結婚は、まだ先かな
ぁ」
「なら、歳上のお姉さんに結婚せまられてる
わけ⁉︎私がいながら歳上のナイスバディの
女性と…小太郎…そんな…」
「ないよ。どうしてそんな発想に、なるんだ
よ。」
「えっ、勘違い⁇」
「そうだよ。」
「あーよかったー。びっくりしすぎて血圧が
富士山くらい上がったよ」
富士山…
「ごめん。言い方が悪かったかな」
「小太郎が富士山に謝る事ないよ」
「富士山じゃなくて琴美に謝ったんだよ。」
「あぁ、それはご丁寧にわざわざ。」
琴美と電話してたら少し安心した。
「琴美と電話してると元気でるなー」
「小太郎元気なかったの?」
「うん、少しね。でも、もう大丈夫。」
「そっか。なら今度た〜くさん充電してあげ
るね♡」
「うん。ありがとう。楽しみにしとく。」
「は〜い。じゃあねー。」
「じゃ。」
う〜ん…
さっきの電話からするとあんまり深く考え
なくても大丈夫なのかな…⁈
そろそろテスト終わるしどっかパーっと琴
美と出かけよっかな。
バイトの日
休憩室に杉本さんがいた。
「小太郎くん‼︎ありがとう‼︎彼女にもよろし
く伝えて。」
キラーン
いきなりびっくりしたけど嬉しそうな杉本
さん。
しかも薬指に指輪⁉︎
「ん⁉︎彼氏と上手くいったんだね。でもなん
で彼女によろしく?」
「なんかサプライズで指輪を渡したかったみ
たいでこっそり小太郎くんの彼女が私の指
をみてサイズ調べてくれてたみたいなの」
あー、だから焼肉食べに行きたいって。
しかも握手して確認してたのかよー。
言ってくれよ。
琴美ー‼︎
でもプロポーズされてたのが琴美じゃなく
てよかったー。
次の休日
琴美がうちにくるなりオレは、ぎゅ〜っと
琴美を抱きしめた。
「どうした?小太郎。ホームシックか⁇」
「琴美不足。ごめん。琴美の事ちょっと疑っ
てた。」
「えっ、何を?」
「坂口さんとの仲」
「あー、サプライズ計画彼女にバレてた⁉︎」
「バレてなかったけどさー。あれじゃあ、ま
だまだ名探偵になれないぞ。」
「は〜い。頑張りまーす。」
「よろしい。それで琴美君?」
「はい、先生‼︎なんでしょう」
「もう一回ぎゅーしていい?」
「先生…いけませんよ。みんながみてます」
「誰もいねーよ」
ぎゅーっ。
ちゅ〜♡
これからは、安心して暮らせる…はずだっ
た。
教習所に二人で通い出した。
でも常に同じ時間に一緒ってわけには、い
かない。
たま〜に一緒になれる時があるんだけど、
なんか毎回琴美に会う時にある男性もいる
気がする。
特に琴美と接触しているわけじゃないんだ
けど、気になる。
休みの日二人で幻想的なイルミネーション
が観れるところに遊びに来た。
とっても綺麗で神秘的だった。
「小太郎〜。夢の世界みたいだね」
「なーっ」
二人でしばらく見入っていた。
帰り道
「琴美さ、教習所順調?」
「うん。小太郎どこまで進んだ?」
「うーん。まだまだやっと坂道ってところか
な」
「早い〜。私まだまだー。」
「ま、焦らなくてもいいんじゃん」
「だね。」
「うん。でさ、なんか誰かにつけられたりと
か、じっと見られてたりしてない?」
「う〜ん。ないと思うよ。」
「そっか。ならよかった。でも、なんか少し
でも、ん?って思ったらすぐ言ってよ。」
「はーい。」
琴美は、鈍感だからなるべく同じ日に行こ
うと思う。
特に夜とか!
でも、琴美は怖がりだし今のところオレの
勘違いかもしれないから黙って陰ながら見
守ることとしよう。
でも、あんなことになるなら確信がなくて
もずっと琴美のそばにいるべきだった。
続く。
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