第30話

 オレたちは、順調に交際が進んでいた。

 しかし、三年生ともなるとなかなか二人の

 時間をつくるのが大変だった。

 

 

 あっという間に冬だ。

 

 でも、オレたちはいまだに仲良しだ。

 

 しかし、クラスの女子がとんでもない話を

 しているじゃないか‼︎

 この時期別れるカップルが多いと。

 しかも‼︎

 受験や進路でもめてサヨナラ…とか、距離

 ができてしまい浮気なんかも…なんて話し

 ているじゃないか‼︎

 

 

 大丈夫だよな⁈

 オレと琴美は、大丈夫なんだよな⁈

 

 不安になり夜琴美に連絡を入れてみた。

 ・琴美元気?・

 ・うん。元気過ぎるくらい・

 ・寂しくない?寂しい時は遠慮すんなよ・

 ・全くご安心を。今浮気心でワクワク・

 

 

 なんだって⁉︎浮気心⁇

 どう言う事だよ‼︎

 彼氏にそんな暴露ありかよ⁈

 

 

 琴美に電話して外に出てもらった。

 

「どうした?小太郎ー⁇」

「どうしたじゃないだろ‼︎浮気心ってなんだ

 よ⁉︎」

「浮気心とは、本命がいながらほかにうつつ

 を抜かす事をいいますね。」

「おいおい!そんな話は聞いてない。」

「えっ⁇今聞いてきたよね⁇」

「そうじゃなくて‼︎」

「間違えた?ならきちんと検索し直すか」

「ち!が!う‼︎」

「ん?」

「琴美、誰が好きなんだよ」

「えっ、今更⁈どうした⁇」

「なんでだよ。オレじゃダメかよ⁉︎」

「小太郎なんか変な夢みた?」

「みてねーよ」

「なら、熱?…ないな…」

 

 

 …  …  …

 

 

「さっきの浮気心でワクワクってどういう事

 なわけ⁉︎」

「あー、あれはね。ハシ ビロコウが第一希

 望なんだけど第二希望も考えた方がいいっ

 て言われてナマ ケモノについて勉強して

 たのね。そしたらナマ ケモノも好きにな

 っちゃってさー。」

 

 

 へー…

 

 

 ハシビロコウとナマケモノの話かよ…。

 

 

「琴美はさ、紛らわしいんだよなー」

「え?どう言う事?」

「てっきりオレの他に男ができたかと思った

 だろーが」

「あー、そうなんだ。小太郎は、早とちりだ

 からな。おバカさん♡」

 

 

 なんでそうなるんだよ…

 

 

「琴美。オレから離れんなよ」

「それは、無理。ここにずっといたら凍死す

 る。」

「あー、そーっすねー」

「うそだよ。心は離れないよ。きっと」

「きっととかやめろよ。」

「なら、きちんと繋ぎ止めるんだな」

「なんでそんなに偉そーなんだよ」

「アハハ」

 

 

 でも、勘違いでよかった。

 

 

 

 

「寒いのにわざわざごめんな」

「ううん。勘違いさせてしまった罰だと思っ

 てるから大丈夫」

 

 おぉ、そうなのか…

 罰って…

 

 

「じゃ、おやすみ」

「うん。おやすみ」

 

 

 

 ギュー

 チュッ。

 

 

 勘違いでよかったぜ…

 

 

 そんなこんなでもう試験当日

「小太郎!頑張って」

「おぅ、ありがとな。じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃいー」

 

 

 琴美に送り出してもらい無事試験が終わっ

 た。

 

 

 これで少しゆっくりできるな。

 

 

 早速琴美がやってきた。

「小太郎!久々にゲームやろーよ」

「おお、いいな。やろうやろう」

 

 ひさびさにゆっくり遊んだ。

 

 数日後

 

「明日、結果発表だね。すぐにほくほくして

 ね。」

 

 ほくほく?

 

「何?焼き芋食べんの?」

「は?小太郎大丈夫⁉︎」

「え、だってほくほくって…」

「なんですって⁉︎ほくほくって私今言ってた

 ?」

「うん」

「なら、報告の間違いだよ!そういう時は、

 スルーしてよ〜。」

 

 スルーできるかよ…

 

 

「わかった。ならすぐほくほくするわ」

「も〜、からかわないで!」

 

 

 琴美の言い間違いは、スルーできるもので

 はない…

 一瞬、ん?ってなる。

 

 

 そして発表の日

 琴美にすぐさまほくほく、いや違う。報告

 の電話をした。

 

「琴美!合格したよ」

「えー‼︎おめでとう‼︎なら早速お祝いだ」

 

 

 家に帰るとほんとに早速お祝いの準備をし

 てくれていた。

 早っ。

 

 ご馳走がズラリ。

 琴美、母ちゃんと一緒に作ってくれたんだ

 な。

「ゲストもいらっしゃっているんですよー。

 じゃーん」

 

 猫…

 しかもみんなかわいい被り物していた。

「お祝いモード全開ー」

「あ、ありがとう」

 

 みんながお祝いしてくれてとっても素敵な

 合格祝いだった。

 

 

 

 

「ちょっと琴美送ってくる」

「はいはい。どうぞどうぞ行ってらっしゃい

 なぁ」

 ニタニタする母ちゃん…

 完全にバレまくりだ。

 

 

 

 送ると言ってもすぐお隣さん。

 

 

 

「琴美ー。ありがとうな」

「うん。小太郎〜。これでしばらく安心して

 一緒に過ごせるね♡」

「今まで我慢してくれてありがとな」

「ううん。」

「お礼に今度の休みどっか行こう。どこがい

 い?」

「なら、久しぶりに水族館がいいな」

「うん。なら行こうね。」

「わーい」

 

 

 

 ギュー

 

 チュッ

 

 

 癒しだ。

 幸せー‼︎

 

 ギュー

 

 チュッ

 

 続く。

 

 

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