第26話
文化祭当時
うちのクラスは、パソコンを使ってゲーム
ができたり相性診断や顔の加工をしてプリ
ントアウトできたり、小さいものなら絵に
かいたものが立体になり色を塗る事もでき
る。それをキーホルダーにしてお持ち帰り
していただく。
意外とお客さんが来てくれた。
「小太郎ー‼︎」
琴美がお友達と一緒に遊びに来てくれた。
「おー、この子が琴美ちゃんか〜。かわいい
じゃん」
クラスの友達に琴美をサクッと紹介。
琴美のお友達は、すぐさま男子が群がる。
その隙に、琴美を捕獲して色々案内してま
わった。
ちょうど交代の時間になったから琴美と相
性診断してみた。
相性三十三パーセント…
せめて五十パーセントは欲しかったな…
なのに琴美は、大喜び。
なぜ⁉︎
「なんで琴美喜んでんの?」
「だって私のラッキーナンバー三十三なんだ
ぁ」
「あー、そうなんだ」
ならよかった。
「小太郎く〜ん。幼馴染ちゃんと何パーセン
トだったの〜⁇」
「三十三パーセントだけど」
「ふぅ〜ん。私達七十一パーセントだったん
だよねぇ。」
「うん。でも、琴美!それは、一応試しでや
っただけだからね。試作みたいなさ」
「ふーん。そうなんだ…」
「うん…」
なんで急に水野さん入って来たんだよ…
「じゃあ、お邪魔しました〜。」
ニコニコしながら琴美に手を振る水野さん。
琴美は、お辞儀をしていた。
しかも深々と…
なんでだよ…⁉︎
琴美と来たお友達は、オレのクラスメイト
と意気投合したみたいだ。
こっそりそのクラスメイトたちにお願いし
て二人きりで学園祭を存分に回らせてもら
った。
「琴美、なんか食べたい?」
「うん!焼きそば」
「いいね。たこ焼きもあるかー、どっちも捨
てがたいな」
「なら、半分こしよ?」
「うん…」
「小太郎、そのタピオカ少しちょうだい。私
のもどうぞ」
ちゅるちゅる〜。
琴美‼︎間接キスしてるぞ‼︎
いいのかよ⁉︎
どうしたんだよ…
琴美…
そろそろ琴美のお友達と合流の時間だ。
「小太郎はさ、この高校を毎日うろついてる
んだね」
うろついてるって…
「うん…まあね」
「私もここの高校にすればよかったのかな」
「なんで?ここ男子校かってくらいほとんど
男ばっかりだよ⁈」
「うん…でも、女の子もいるよね?」
「少しだけどね。」
ギュゥ。
琴美が手を繋いできた。
まさかここで目つぶってゲーム始めんのか
よ⁉︎
琴美を見ると目つぶってない…
じゃあ、なんで手繋いで来たんだ⁇
よくわからないまま教室に戻った。
教室に入っても手を繋いだまんま。
オレは、それでもいいけどどうしたんだろ
う?
「琴美ー。お帰りー」
琴美のお友達が琴美を迎え入れる。
「そろそろ帰ろっか」
「うん。じゃあ小太郎またね。明日休みだよ
ね。なら家遊び行くね」
ヒューヒュー。
からかうクラスメイト…
「なーんだ。小太郎君、幼馴染ちゃんとそう
いう関係なんだ。残念〜」
水野さんがため息をついた。
琴美は、もしかして今までわざとみんなの
前でキスあげるとか言って敵を遠ざけてい
たのか?
でも、ただのうぬぼれ⁇
う〜ん…
わからん…
でも、はっきりと琴美に好きって言った事
ないよな⁉︎
ここは、勝負にでてみるか…?
次の日
「小太郎。昨日は、お疲れさん」
「うん。来てくれてありがとうな」
「そりゃいくよ。水野さんいるし」
「え?水野さん⁇」
「相性診断七十一パーセントだし」
琴美を見るとリスが口に、くるみを入れて
いるかのようにほっぺが膨れていた。
指で押すとブーっていいながら空気が出た。
「押すな、小太郎‼︎」
「なんだよ。その膨れっ面?」
「小太郎が悪いんだよ。」
「なんで?」
「だって小太郎は、いっつもさ…いっつも…
いつもいつもいつもいつもいつ…」
チュッ。
「琴美。今まではっきり言ってなかったね。
ごめん。好きだよ」
「うん‼︎琴美も‼︎琴美も小太郎が大好き‼︎」
なーんだ。はじめからそういえばよかった
のか。
琴美には、ストレートが一番なんだな。
えらい遠回りしてしまった。
琴美をギューってハグした。
それに応えるかのように琴美もギュッーっ
てしてくれた。
だから、もう一度キスをした。
「琴美。大好き。」
「うん。私もベロンギもポチも妖怪腕枕も、
みんな大好き」
それは、琴美がつけたオレのあだ名…
普通の名前で呼んでくれよ…
でもいいや。
やっと伝わってよかったー。
続く。
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