第23話
夏
今日は、お祭りの日だ。
でも、オレたちはバイト…
「あ〜あ、せっかくのお祭りがバイトなんて
さ〜」
「でもお店暇だし、いいじゃん」
「そうだけど、せっかくかき氷で緑色のベロ
を手に入れられるチャンスだったのに。」
メインは、それかよ…
暇な店内、そこに店長がやってきた。
「二人とも、今日暇だからここの掃除しても
らえる?」
「はーい」
琴美を見るとキョトンとしていた。
「どうした?」
「えっ、店長が変なこと言うから…」
「掃除が変なの?」
「だって暇だからってそんなところ掃除しろ
なんて…どうやってやればいいのさ」
「普通に雑巾で拭いたらいいんじゃん?」
「エ‼︎雑巾で⁉︎」
「うん…ってかさ、どこ掃除するって聞こえ
たよ?」
「こころの掃除。」
なんでだよ…
「こころじゃなくてここの掃除‼︎」
「あ〜なるほど」
すっかり綺麗になった店内。
「二人ともありがとね。綺麗になったよ。今
日暇だから同時に早上がりしてくれていい
よ。まだ花火見れるかもしれないし」
「わーい」
早速オレたちは、お祭りに向かった。
「小太郎!最強のベロが手に入るね」
「うん。よかったな」
そして二人して最強のベロを手に入れる事
ができた。
とある休日
「小太郎ー‼︎」
「どうした?」
「昨日夜さ、蚊のやつにおちょくられて全然
眠れなかったの」
「そうなんだ。大変だったね」
「大変とかじゃないよ‼︎気持ちよく寝てたら
ぷぅ〜んって耳元ではしゃいでるわけよ‼︎
で、部屋の電気つけて探したけどいないわ
け。だから諦めて寝て数分後また奴がさ、
ぷぅ〜んってやるわけ‼︎どう思うよ?」
どう思うって…
「大変過ぎるね…」
「でしょ。で、ここは出るの?出ないの?」
「今んとこ出ないんじゃないかな。」
「そう。なら失礼しますよ」
いそいそとオレの布団に入る琴美。
「おやすみなさい」
「はい。おやすみ」
琴美の恒例の昼寝が始まった。
すると二十分で琴美の携帯のアラームが鳴
った。
「あれ、琴美今日起きるの早いな」
「うん。寝すぎると深い睡眠に入っちゃうん
だって。だからこれくらいがベスト‼︎」
「あー、そうなんだ」
「じゃ、私は失礼しますよ。小太郎は、帰ん
ないの?」
「どこにだよ。ここがうちだわ」
「あ〜なるほどね。だからいつもこちらに」
「そうだよ」
「そうかよ。じゃまた〜」
「またな。」
ってか、何しに来たんだよ…
そんな平凡な毎日を暮らしていたら…
もうすぐ秋。
なんだか今日は、肌寒いな。
ベッドで本を読んでいたらうっかり昼寝し
ていた。
目を覚ますと重い…
足にちーの子供達が乗っているんだ。
ミルクとマシュマロだ。
そして腕に乗っかってるのは、ラテだな。
「ラテー、重いよー。」
ラテの頭をなでなですると…
ん?なんだ⁇
目をあけると‼︎
黒い‼︎
ラテじゃない⁉︎
琴美ー‼︎
なんで⁉︎
なんでオレが琴美に腕枕してるわけ⁉︎
意味がわからなかったのでもう一度寝る事
にした。
でも、ぜんっぜん寝れない…
「あ〜、小太郎おはよ〜」
「おはようって…なんで琴美がここで寝てん
だよ⁈」
「それは、こっちのセリフさ。せっかく仮眠
にきたのに小太郎が寝てるからびっくりし
たよ。でもさ、猫たちが続々と布団に入っ
ていくもんだからつい私も。」
「つい猫につられて入んなよ」
「は〜い。でもあったかいね」
「うん…」
琴美は、一体どういうつもりなんだよ…
「でさ、琴美はいつまでオレに腕枕されてる
つもりよ?」
「う〜ん。いつまででしょう。」
いつまででもいいのか?
いやじゃないって事だよな。
「ねぇ、琴美」
「ん?」
「オレたちこうやってると付き合ってるみた
いじゃない?」
「そうだね〜。腕枕とかね!」
「嫌じゃないの?」
「うん」
「なら、付き合ってるみたいじゃなくて本当
に付き合わない?」
「なんで?」
「なんでって…」
琴美がいきなりガバッと起き上がった。
「小太郎‼︎腕枕がしたい為に付き合うなんて
そんな簡単に言わない方がいいよ!」
いや…腕枕がただしたい訳じゃないよ…
「誰が腕枕したいから付き合うんだよ‼︎」
「じゃあ、なんで急にそんな事」
急じゃないんだよ…
何回かアプローチしたつもりなんだけど。
「あ、わかった!妖怪腕枕に取り憑かれてる
んだね!かわいそうに。じゃ、私はお腹空
いたから帰るよ」
帰んのかよ。
ま、またかって感じだけどさ…
「じゃーな」
「うん。じゃあ、妖怪腕枕!またくるぞ」
誰が妖怪腕枕だよ…
続く。
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