第21話
今日は、オレも琴美も朝からバイトだった
から夕方には、帰れた。
「ねー、小太郎。少し公園寄ってかない?」
「いいよ」
夕方の公園は、シンとしていてどこか寂し
げ…じゃない…
琴美は、高校生になってもブランコを全力
でこいでキャーキャはしゃいでいる…
楽しそうだな…
しばらくするとブランコから降りて
「小太郎さん。私を捕まえてごらん」
なんて言ってきた。
そして走り出す琴美。
軽い気持ちで捕まえようとしたけど…
めっちゃ全力で走り出す琴美…
琴美は、負けず嫌いだ。
「琴美ー。早すぎー」
「あはは」
笑いながら琴美がこっちに歩いて来た。
その瞬間、
「つっかまーえた‼︎」
琴美をぎゅーってハグした。
一瞬フリーズを起こす琴美…
でもすぐに我にかえり
「えーっ、ズッルーい‼︎なら小太郎次おにや
って」
と言った。
「うん。いいよ」
手加減して走り出す。
するとまた全力でオレを捕まえにくる琴美。
「ターッチ‼︎」
もうこれは、ガチのおにごっこだ…
バイトして疲れてるはずなのにそのあと、
ガチのおにごっこをするなんて夢にも思わ
なかったわ…
ま、楽しかったしいいか!
「そろそろ帰ろー」
「うん!あ、そうだ。」
「何?」
「今度さ、バイト代入るし動物ランドウホウ
ホの森盛りに久しぶりに行かない?」
「あー、いいねぇ。入場料安いし」
「わーい。なら決まりー‼︎」
そして当日。
ウホウホ森盛りに着いた
「ねぇ、見てよ。あのうさぎ!おやおや。よ
くわざわざ遠くから来たねぇ。みたいな顔
してるー。」
「あっ、本当だ。目細めてそんな感じの顔し
てんなー」
「こっちのアルパカは、おや、来たんですか
?みたいな顔ー」
「ハハハ。動物って面白いな」
「うん!本当面白いね」
たくさん動物をみたり餌やりなんかもした。
そしてメインの動物‼︎
琴美の大好きなハシビロコウ。
「ねぇ、ハシビロコウってさテスト中教室を
歩く先生みたいじゃない?」
「アハハ!言われてみれば‼︎」
「しかも、じろ〜ってみてくるところとかも
なんか先生っぽい」
「たしかに!」
ハシビロコウショーもやっていてとっても
楽しかった。
ハシビログッズもたくさん買った。
おっきいハシビロコウのぬいぐるみがあっ
たけど、おっき過ぎて持ち帰るのが大変だ
からと、琴美は断念していた。
だから、誕生日プレゼントにお取り寄せし
てプレゼントしてあげた。
そのぬいぐるみをたまにうちに持ち込んで
遊んでいる。
とある休日
「お客様、何匹でご来店ですかー⁇お客様ー
⁇」
琴美は、ぬいぐるみを店員に見立ててちー
と、その子どもたちとおままごとみたいな
ことをよくやっている。
初めてハシビロコウぬいぐるみを見た猫た
ちは、それはそれはびっくりしていた。
でも、今はだいぶ慣れたみたいだ。
でも猫たちは、おままごとは好きじゃない
みたいだ。
「ちょっと‼︎お客様。寝る体制に入っている
じゃないですか‼︎お客様〜‼︎」
完全に寝たふりされている…
猫に相手にされないとオレに話しかけてく
る。
「オイ、小太郎。くちばしを撫でなさい」
仕方なく付き合っている…
なでなで。
「オイ、小太郎。足のマッサージをしなさい
な」
ぬいぐるみにマッサージって…
「オレたち暇人すぎんだろ」
「いいじゃん。暇が一番」
「うーん。ま、そうか」
バイトが休みの休日は、相変わらずこんな
日々だ。
すっかり携帯を使いこなすようになった琴
美。
携帯で何かを検索している。
何検索してるのかとおもいきや…
筋肉は視力を笑うなんて意味のわからない
検索をしていた…
ちょっとコンビニ行ってこようかなと思っ
たら、琴美もついて来た。
二人で歩いていると
ブォーンとバイクの音が後ろから聞こえた。
するととっさにバックを握り締める琴美。
「ひったくりかと思ったの?」
「ううん。」
「でも、今バックおさえたからさ」
「あぁ、携帯が鳴ったかと思ったの。マナー
モードの振動の音かと思って。」
どんだけデカい振動音だよ…
「ねぇ、すきっ…ゴホゴホ」
え?今琴美好きって言わなかったか?
「琴美⁇」
「あー、ごめん。むせた。大丈夫‼︎」
「今さ、琴美さ…好きって言わなかった⁇」
「うん。スキップしない?って言おうとして
むせた」
はぁ〜⁉︎
スキップって…
「そんな事恥ずかしいだろ」
「えっ?そう?よく学校の購買までみんなで
スキップしてるよ。走ると先生に怒られる
から」
スキップならいいのかよ…
どんな学校なんだよ…
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます