第16話

 オレたちは、ついに中学二年生になった。

 

 琴美と別々のクラスだ…

 

 家に帰ると琴美がやって来た。

「小太郎ー。クラス別々になっちゃったね」

「だな。琴美仲良しの子と一緒になれた?」

「うん!なれた。まーちゃんが一緒だよ‼︎」

 

 まーちゃん…

 真がつく友達三人いたよな。

 真野さん 真希ちゃん 真莉ちゃん…

 誰だよ。

 

 

 とりあえず

「よかったね」

 と答えておいた。

 

 

「ねぇ、小太郎」

「ん?」

「きりんと小太郎ってどっちが足長いんだろ

 う?」

「きりんだろ!」

「ふーん」

 

 なんだよ。その質問…

 

「じゃあさー、てんとう虫の足と小太郎の足

 ってどっちが多いの?」

「てんとう虫だろ」

「ふーん」

「ありんこと小太郎どっちが黒い?」

「ありんこだよ‼︎なんだよ。さっきから」

 

 

「まぁ、身体測定みたいなもんだよ」

 

 え…⁇身体測定?

 

 

「ほれ」

 

 なんだかノートに書いてある。

 

 小太郎の秘密。

 

 

 わかりやすいように何かと比較しておりま

 す。

 きりんより足が短く、てんとう虫より足が

 少なくありんこよりは、黒くない。

 それが小太郎です…

 

 なんだよ…これ…

 意味わかんねー…

 

 

「琴美暇なら一緒に勉強やろーよ」

「うん。だから今脳みその準備体操してたん

 だよ」

「え?」

「だっていきなり走り出したら運動もよくな

 いって言うじゃん。だから脳みそも準備体

 操必要でしょ。」

「だからってオレで脳みその準備体操すんな

 よ…」

 ってか、脳みその準備体操なんて初めて聞

 いたよ…。

 

 

 とりあえず準備体操が終わった琴美と勉強

 を初めた。

 

 

「のど乾いたなー。ちょっとジュース持って

 くるね。」

「ありがとう」

 

 とりあえずジュースを持って二階に上がっ

 た。

 

「琴美、リンゴとオレンジだったらリンゴだ

 よね?」

「うん!ありがとう」

 

 琴美は、みかんが好きなのにみかんジュー

 スやみかんゼリーを好まない。

 

「ねぇ琴美ってさ、みかん好きなのになんで

 ジュースとかは、みかんイヤなの?」

 

「え…それ聞く?」

「うん…」

 

 あれ?オレなんか変なこと聞いた?

 

「なら、いいだろう。教えてやろう。しかし、

 心の整理はできておるか?」

「なんだよ。心の整理って」

 

 ふー。

 ため息をつく琴美。

 

 え…なんかそんなに大ごとなわけ⁇

 

「あの、話すの嫌なら別にいいけど。」

 

 

「別にいやではない‼︎いいだろう。みかん

 とは、冬にしか基本出回らない。夏のみか

 んは、高い!ですから、冬にしか摂取でき

 ません‼︎なのでついつい冬に食べ過ぎて黄

 色くなってしまうんです!からだから、も

 うこれ以上みかんを詰め込まないでくださ

 い‼︎と黄色くなって訴えてくるのです‼︎き

 ばみ姫になってしまいそうです‼︎って。だ

 からとりあえずからだには、冬だけみかん

 を摂取する事を許していただいて他の期間

 は、我慢しますから。と言う事で了解を得

 ているのです。だからみかんはできれは、

 うまれたてのまんまでいただきたく存じ上

 げております。」

 

 

「あ、そうなんだ…なんか大変なんだね」

「はい!でもみかんとからだが和解できた今

 は、ほんとうにしあわせであります」

「よかったね…」

 

 なんか簡単な質問のはずがどっと疲れたな。

 

 

 また勉強を再開。

 すると風で他の部屋のドアが

 バタン‼︎と大きな音を立てて閉まった。

 

「うわー、びっくりした!」

「だな。」

「びっくりし過ぎて心臓が二つにわれるかと

 思った!」

 

 

 びっくりの仕方がすごすぎるだろ…

 

「心臓二つに割れなくてよかったね…」

「うん。ほんとよかったわ」

 

 また勉強再開

 

 

 

 

「名探偵まちこの捜査開始」

「え?何急に…」

「あ、ちょっと言ってみたくなった。」

 

 そんな言葉急に言いたくなるのかよ…。

 しかもそんな探偵いたかよ…⁉︎

 

「ねぇ、小太郎さん」

「ん?」

「私を誰だかわかる?」

「は?琴美だろ」

「あら、すごい。よくわかったわね」

「もしかして琴美、勉強飽きた?」

「あらすごい。それも大正解!」

「まだ少ししかやってないじゃん。もう少し

 頑張ろうよ」

「はい‼︎コーチ‼︎私コーチのためならどこま

 でもついていきます。たとえそれが家でも

 お風呂でもポチの小屋でも。」

「いや、それはなんか違くね⁉︎」

「そうなの?」

「そうだよ!ってか、わからないのどこ?」

「わからないのは、コーチの気持ちです」

「もう、コーチネタいいから」

「そうか。わからないところ本当は、あるけ

 ど今年は私が教えるって小太郎の奴に宣言

 してしまったので…」

「小太郎の奴ってなんだよ。いいよ。教えて

 やるから。」

「ありがとう。では、まず何のコーチだった

 んですか?」

「もうその話は、いいから‼︎」

「はーい」

 

 

 そして勉強が結構進んだ。

 

 

 お茶休憩中

 

「ねぇ、小太郎みて。おでこのニキビが二つ

 に増えてしまった。」

「あーほんとだ」

「くそっニキビのやつ大量生産しやがって」

 

 

 昨日琴美がチョコ食べ過ぎただけだろ…

 

 

 こうして無事苦戦しながらも勉強会ができ

 ました。

 

 

 続く。

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