第3話

 テスト前

 琴美から渡された招待状…

 

 

 まさかの出席者がほとんど歴史上の人物

 しかも、年代ごとにテーブル分けされてい

 た。

 出されるワインは、その年代の物。

 

 デザートにカステラ フォークも添えて

 何スープも添えてみたいにしてんだよ‼︎

 

 

 しかも引きでもの稲作用石包丁…

 ぜってー使わねー。


 しかも、新居…

 高床倉庫…それって米保存する場所じゃね

 えか…

 まぁ、猫は高いとこ好きだけど。

 

 

 

 勉強してないと思いきや遊びを入れながら

 もきちんと勉強してたのか。

 

 恐るべし琴美。

 

 しかも、ちゃんとちーのことも見てたんだ

 な。

 

 婚姻届見た時はびっくりしたけど結婚する

 のがちーでよかった。

 まったく。

 

 

 なんかどっと疲れたな…

 でも、勉強やんなきゃ!

 さて、頑張ってやるか‼︎

 

 

 そしてテスト当日

 でてる…

 社会から石包丁も高床も。

 

 

 ありがとうよ。琴美!

 

 

 テストも終わりのんびりパソコン検索〜

 

 

 そして読書〜

 

 あー、久々の勉強から少し解放ー。

 

 

 コンコン。

 戸を叩いて琴美が入ってきた。

 

「ねぇ、パソコン借りてもいい?」

「うん。どうぞー」

 

 

 

 検索を終えた琴美。

 ニマニマ笑いながらありがとうって言って

 帰って行った。

 なんだよ…あの怪しいニマニマ…って‼︎

 

 

 

 あーっ‼︎

 ヤベー‼︎

 やっちまった…

 検索履歴消してねーよ…

 

 

 

 一大事だ…

 検索履歴に…

 

 キスについて調べてしまった…

 あのニマニマは、きっと見られたよな…

 

 

 

 数日後

 

「小太郎の誕生日に私、キスあげる」

 なんて言うじゃないか…

 しかも真顔で。

「いい!大丈夫です‼︎」

 オレの返事にすかさず、

「今更遠慮とかいらないから〜。もう小太郎

 のお母さんにも許可もらったし」

 と答える琴美。

「なんで母ちゃんに許可⁉︎」

「だって一応さ言っとくべきでしょ、じゃあ

 楽しみにしててねー」

 ウキウキしながら帰る琴美。

 

 

 楽しみって…

 楽しいってかドキドキします。

 

 でもなんで母ちゃんに言うかなー…

 琴美ー‼︎

 

 

 誕生日まで後、数日。

 キスくれるって事は、付き合うって事でい

 いのかなー⁇

 琴美は、オレの事どう思ってんだろ…

 キスする前に聞いてみる?

 でも好きじゃないって言われたらキスして

 もらえない⁇

 あー、わかんねーよ。

 どういうつもりでキスくれるって言ったん

 だよーっ‼︎

 

 

 

 そんなにたくさん悩んだけど結局答えが出

 ないまま誕生日当日…

 

 とりあえず歯を丁寧に磨いた。

 とにかく綺麗に。

 ガムも噛んだ。

 朝からソワソワする。

 

 

 どうやら琴美は、台所にいるようだ。

 なかなか上がってこないな。

 琴美も緊張してんのかな⁈

 

 

 しばらくして、ドタドタ琴美が上がってき

 た。

「小太郎ー。お待たせー!キスターイム‼︎」

「おい〜、そんな大きい声で言うなよ〜」

「ごめん。つい。じゃ下行こ‼︎」

「えっなんで下?」

「だってみんな待ってるよ」

 えっ…

 公開キス?

 誓いのキスなわけ?

 

 

「早く!冷めちゃうから」

 

 冷める⁈

 

 あ、お祝いの後にキスなのかな?

 とりあえず冷めちゃうって事は、ご馳走を

 用意してくれたのか!

 

 なら、食べ終わったらまた歯磨けばいいっ

 か。

 

「はい。どうぞ‼︎食べて」

「いただきます」

 サクサクで美味しい。


「うん。美味い‼︎なんの天ぷら⁇」


「キス」


 グフっ。

 思いっきりむせた…

 

 

「だってキス食べたかったんでしょ?」

「あ、あぁ、そうね…」

 

 キスあげるってきすの魚を揚げるって事な

 のね…

 

 ははは…

 

 

 琴美よ。素晴らしい勘違いじゃないか!

 でもいつかもらう。

 本当のキスを‼︎

 

 

 そしてキスをいただき満腹のオレ。

 

 琴美は、下で母ちゃんと楽しそうに後片付

 けしていた。

 そのうちにオレは眠ってしまったようだ。

 

 ペロ

 

 

 ん?

 今口に何か…

 まさか琴美…今オレにキスしたのか?

 寝てたからよくわからなかったけど…

 

 クスクス。

 琴美の笑い声。

 

 

 

 するとまた

 ペロペロペロ

 えっ⁉︎

「ちょっと‼︎くすぐったいし!猫じゃないん

 だから‼︎」

 ガバッと起き上がると…

 

 

「ちーは、猫だろ‼︎」

 って答える琴美。

 

 

 ちー…

 

 

 そうか。オレきっと魚の匂いがしたんだな。

 

 

 一日に二回もキスの勘違い…

 何してんだよー。

 オレのファーストキスは、妊婦の猫かよー。

 

 

「小太郎って面白いね」

 にっこり笑う琴美。

 

 

 もー、勘弁してください。

 

 

 続く。

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