第2話

 先生と山村君どういう関係なんだろう…

 

 

 まさか付き合ってる⁉︎

 ってかさ、同棲してるんじゃ…

 

 う〜ん。

 どうなんだろう…

 

 

 委員会をしている間ずっとその事ばかり考

 えていた。

 でも、そんなのわかるはずもない。

 上の空でずっと、

 はいはい。って返事してたら、もう解散の

 時間になっていた。

 

「じゃ、新委員長と副委員長に拍手‼︎」

 先生がこっちを見ながら言った。

 ん?

 慌てて黒板をみると…

 私…

 副委員長になってるじゃん‼︎

 

 

 さっき適当にはいはい言ってたやつだ…

 

 

 しかも委員長…山村君…

 

 山村君やっぱり先生となんかあるんだと思

 う。

 とにかく山村君をこれ以上好きにならない

 ようにしなきゃ。

 

 

 委員会が終わりほっとひと息をつくために

 私は、自販機で炭酸を買った。

 誰もいないし、

 ゴクゴク

「はぁ〜、うんめーっ」

 思わず声が漏れた。

 すると背後から

「オヤジか‼︎」

 って声がした。

 

 …  …  …

 

 山村君…いたんですか…

 

 

「山口さんっていちいち面白いね」

 山村君が私の頭をポンって軽く叩きながら

 笑った。

 また、その笑顔…

 ってか、私にもそんな笑顔向けてくれるん

 だ。

 先生だけじゃなくて。

 

 てっきりずっと粗相ばっかりしてたから、

 いい加減怒られると思ってたよ。

 

 

 やっぱり笑顔素敵すぎ‼︎

 やばい。

 やっぱり私…

 山村君の事もう好きかもしれない。 

 山村君に私の心臓の音漏れてないよね?

 高鳴る鼓動を抑えるのに必死だった。

 

 山村君は、あっさり行ってしまったけど私

 の心臓の鼓動は、まだ治まる様子がなかっ

 た。

 

 

 自分の気持ちを確信してしまった。

 明日から、どんな顔すればいい?

 しかも、後ろの席に好きな人が座ってるな

 んてドキドキしちゃうよー‼︎

 

 

 どうか先生と山村君が恋人じゃありません

 ように。

 そう願いながら、ふかふかの布団の中に入

 り眠りについた。

 

 

 次の日

 朝一早速先生がプリントを配り出した。

 なんか、振り向くの恥ずかしいな。

 顔赤くなっちゃうかもしれない。

 だから私は、振り向かないでプリントを持

 って手を後ろにやった。

 これなら振り向かなくていいし、髪もぶつ

 からない!

 でも…

 手がつるよ!

 早く取ってよーなんて思ってたら、

 

「ブーっ」って吹き出す山村君。

 慌てて振り向くと、

「毎回笑わせんのやめて。もうこらえるの限

 界だから」って大爆笑していた。

 

 そうか…そうだったのか。

 じゃあ、怒らせてたわけじゃないんだ。

 よかった〜。

 

 それから私たちは、よく話すようになった。

 ずっと怒ってたんじゃなくて笑わないよう

 に必死だっただけだったみたい。

 

 委員会も一緒だし、私達いい感じじゃない

 ⁉︎

 なんて思う。

 うふふ。

 楽しい‼︎

 

 でも、それは私の思い過ごしなのかもしれ

 ないのだ。

 

 もしや、先生への当て付けなんじゃ⁈

 さっきまでのいい感じは、勘違いかもしれ

 ない…

 

 委員会が始まると同時に私は思い知る。

 

 先生…この間まで指輪してなかったよね⁉︎

 そのキラキラと輝く指輪…

 しかも左手の薬指。

 

 

 山村君。

 もしかして失恋しちゃった?

 

 

 そんな心配をよそに一人の委員さんが

「先生指輪ー。結婚するの?」

 なんて聞いたじゃない。

 その質問に先生は、山村君をみた。

 で、すぐに違うところをみた。

 ?ん?

「う、うん。実はプロポーズさてれね。でも、

 籍をいれるのは、三年後なんだけどね。っ

 て、そんな事生徒の前で言う事じゃないよ

 ね。さ、委員会はじめよっか!」

 と、先生はすぐに空気をかえてしまった。

 

 

 山村君…

 失恋しちゃったんだね。

 きっと。

 というか、先生二股してたの?

 生徒と⁉︎

 

 委員会が終わりまた自販機に私は、向かっ

 た。

 そっか。

 失恋辛いだろうな…

 

 

 なぜか私も一緒に暗い気持ちになった。

 今日は、炭酸な気分じゃないな。

 紅茶にしよう。

 自販機の前で紅茶を少しすすった。

 山村君…かわいそう。

 なんだか涙が出てきてしまった。

 

「えっ、なんで泣いてんだよ」

 振り向くとまた、山村君…

 まさか、山村君の気持ちを思ってたら涙が

 なんて言えない…

 

 

「あっ、私泣いてないよ。見間違えだよ!」

 急いで後ろを向いて涙を拭いた。

「いや、泣いてただろ」

 あー、じゃもういいや。開き直ろっと。

「本当は、泣いてたよ!この自販機全然当た

 り出なくて悔しくってー。へへへ」

 って笑って見せた。

 そしたら、

「バカだな。ま、なんかあったらまたオレの

 ムネかすぞ」

 ってわらいながら言ってくれた。 

 

 

 こんな時に私に冗談を言ってくれるなんて

 なんて優しいんだろう。

 ますます好きになっちゃうじゃん。

 

 虫のいい話かもしれないけど失恋には、新

 しい恋だ。

 思い切って

「じゃあ、甘えちゃおうかな?」

 って言ってみた。

 そしたらまさかの

「ん、来い」

 って両手を広げて受け入れてくれた。 

 

 一瞬びっくりしたけど、

 私は、その胸に思いっきり飛び込んだ。

 急展開。

 こんなにあっさり…

 いいんですか⁇

 

 その日から、私たちは友達以上恋人未満な

 感じでよく一緒に帰るようになった。

 山村君優しいからきっと気を遣って私の側

 にいてくれてるんだろうな。 

 私が失恋したと思ったのかな…

 

 

 委員会が始まる前、先生と二人きりになっ

 た。

 山村君とは、どういう関係だったんですか

 って聞きたい…

 でも、今更聞いてもどうにもならないんだ

 よな。

 そんな事を考えてたら、先生が…

 

「最近、山村君と仲がいいのね。先生安心し

 たわ」ってにっこりした。

 えっ…どういう事?

 なんで先生安心するわけ?

 やっぱりなんかあったんだろうな…

 

「あのっ」

 

 ガラッとドアが空いた。

 

「ん?」

 

「いえ、なんでもありません…」

 はぁ〜。

 聞けなかった…

 

 

 続く。

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