第十四話 温泉県なのです!
「えー次は大分、大分でございます」
「もう次の県」
「早いのですー」
「早いどころか走って1時間程度ではないか!」
「だって県境超えるだけなら高千穂から大分って結構近いからねぇ」
山道を走る車の中、水無月のアナウンスもどきのセリフへのヘグレーナのツッコミに、水無月はそう答えつつゆっくりとハンドルを切り丁寧に山道を走る。
「近いというか、お隣だった」
「日本は島国だからねぇ。他の国の州とかと違って一つの県が狭いっていうのもあるんじゃないかな?」
「日本の街は元の世界の街よりも広い気がしておったんじゃがなぁ」
「多分情報量の多さじゃないかな?一つの街だけで全部補えるくらいの施設だったり娯楽だったりがあるし」
「なるほどなのです。ちなみに、次の大分県ではどんな所が見所なのです?」
「ふっふっふっ……!大分と言えばやっぱり温泉だね!それも別府の温泉!」
「温泉!」
「なのです!」
「地獄めぐりっていうのもあってね、あれは絶対やるつもりだから楽しみにしててね」
「地獄めぐりとは……凄い名前じゃのぅ」
温泉という言葉に思わずテンションの上がる二人と、その後の水無月の観光プランを聞いたヘグレーナを見てクスりと笑った水無月は、信号で停車したついでに他にどんな見所があるか思い返す。
「後はそうだなぁ。可愛いキャラクターをいっぱい出してる会社のキャラクターパークだったり、日本でも有数のでっかい水族館だったり……温泉ばっかりに目がいってたけど、思い出してみれば割とあるなぁ」
「水無月がそう言うって事は、それだけ温泉が観光の目玉なんじゃな、これは楽しみじゃ」
「温泉が名物って事は、温泉卵とかの温泉グルメも多かったりするのです?」
「温泉卵はやっぱり有名だねぇ。でもそれ以上に鶏料理がやっぱり多いね!確か鶏肉の消費量は日本でも多い方じゃなかったかな?」
「そんなになのです……?!これは楽しみなのです!」
「それに鶏料理だけじゃなくて、海鮮も有名なんだよー」
「おぉ、海鮮!日本の海鮮は何処でも有名じゃのぅ」
「さっきも言ったけど、日本は島国だからねぇ。海に面した県はやっぱり昔から漁を生業にしてたりするし、名物になるんだろうなぁ。実際関アジ関サバは有名だからなぁ」
ヘグレーナにそう言われ、ふとそう考えた水無月はそう答えるのだった。
「まぁでもやっぱり大分といったら温泉かなぁ」
「でもなんでそんなに温泉が多いのです?」
「そりゃあやっぱり火山が近いからだね。日本は火山が多いけど、九州は大きい活火山とかが多くてねー。それに豊かな地下水が合わさって温泉がいっぱい出来るんだよー」
「となるとやっぱり温泉街が楽しみじゃなぁ〜♪あぁいう場所は食べ歩きするのにピッタリじゃからなぁ」
「そういった事もやりたいねぇ。というかやるかぁ!」
「そのノリの良さ、妾は好きじゃぞ!」
「温泉、楽しみ」
「美味しいものも楽しみなのですー!」
こうして、四人の大分温泉旅がはじまった。
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