第11話崩壊

包帯でぐるぐるになった私の左手


「ライト?私お腹減っちゃった」


ライトはコンビニに行ってくれた。


私は数日あまり食べていなかった

なんとなく、イベントが終わった様な感覚で

お腹が空いた。

だけどバカな事をしたとかは思わなかった。

次は失敗しない

私はお金を作る事で頭が一杯で、多分何が

やっていい事で何が悪い事なのかも分からなくなっていた、私は少しづつ崩壊し始めていた。


ライトが買って来てくれたドリアを一気に食べた。

「ゆっくり食べろよ。」


ライトは口数が減っていた



オレは考えていた、バイト決まったって言ってたじゃないか、これじゃあバイトだって出来ない。こんな事なるまで追い詰めていたのか?

どうして気がついてやれなかったんだオレは


「ライト?私変に汗かいちゃってシャワーあびたいんだけど、いいかな?」


私はコンビニの袋を包帯の上に被せて口を使って縛った


ライトが

「やってやるよ。言えよ」


私はライトに頼むのが申し訳なかった。

これから大会なのに。変な気持ちにさせてしまったから


お風呂場に行き服を脱ごうとしたけど上手く脱げない。


「ライト?ごめん、服脱げなくて、手伝ってもらえる?」


オレはどうしたらいいのかわからなかった。

アキラに連絡しても、心配にさせるだけだ、オレが服を脱がすのか?


「リカじゃあ、電気消すよ。いい?

はい、腕抜くよ?」


オレは最後にブラのホックを外した、

リカの身体が薄暗い脱衣所にうっすら浮かんだ。


「オレはドアの外で待ってるから、何かあったら声かけて」


しばらくすると


「ごめん、ライト手伝って」


片手ではほとんど何もできていない。


オレは頭を洗いトリートメントを付けた

リカは小さく丸くなっていて


「大丈夫か?」


「うん、ありがとう」


オレはシャワーでリカを流すとすぐに

バスタオルでリカをくるんだ、

リカは不自由そうに体を拭いて

オレは手伝った


着替えも、薄暗い脱衣所に目が慣れて

リカの体はしっかり見えた

オレは思わずリカに抱きついた。


「ライト?」

オレは返事もしないで、リカを抱きしめつづけた。

多分今まで我慢していた分

俺の中で押さえていた気持ちが崩壊した


リカは泣き出した

「ごめんなさい」


リカは泣きながら呟いた


「謝らなくていい」

オレは腕の中にリカを入れて安心していた。

こうしてずっと包んでいたい

そうじゃないとリカが壊れそうで怖かった。


リカを部屋着に着替えさせた。

歯を磨き、


なぜか、リカは無邪気に笑った。

オレもシャワーを浴びた、


何をどう理解してどうしていいかわからなかった。


リカはリビングで膝を抱えてテレビもつけず、

ボート飲み物を飲んでいた、

良く見るとテーブルに、薬の殻がいくつか置いてあった。


「リカ!!薬何錠のんだ?」


リカは困った顔をして

「わからない。」と言った


「トイレ」立ち上がったリカは、フラフラしていて、トイレの前で座り込んだ。


「リカ?」


「トイレいきたいの」


ボーとしている。


オレはリカを支えて立たせてトイレに入れた。

出てきても支えてソファーまで戻った


何かが壊れたように、

鼻歌を歌い膝を抱えて丸くなっている。


そのうちウトウトして寝てしまった、

アキラの部屋に連れて行くか悩んだけど

心配で俺の部屋に運んだ


オレは後ろからリカを抱きしめて寝た、

頭を撫でると、気持ちよさうにした。

拾ってきた、猫みたいだな


オレも疲れてしまいすぐ寝てしまった。


「イヤー、ヤダヤダもうヤダ」

リカの寝言だ、泣いてる


「大丈夫、大丈夫だから」


そう言えって抱きしめるとまた静かになった。

夜中に何度か、リカはうなされた。

その度俺は抱き締めた。


リカ、、



リカは寝返りをしてオレの方を向くと

オレにしがみついた、

俺はリカをできるだけ包みこんだ。


まるで捨て猫だ、

腕に、指に包帯を巻いて


キズだらけじゃないか。


お金か、、


アキラが帰って来たらショクだろうな。


リカは一見クールで、近寄りがたい

可愛いとゆうより美人だ、白い肌、茶色の目

薄茶色の柔らか髪、今時の目立つ子とは違う

自然だ、だけど、誰にも似てない特別な魅力がある。

不思議と、傷まで綺麗だよ。

オレはそのまま眠りについた。


「タダイマー、リカ?靴あるのに何処?」


「ライト?あ、なんで?リカと寝てんだよ、おい、ライト!」


「アキラ、シー!!シー!!」


「アキラ、落ち着いて聞いてくれ」

オレは念の為怪我したすぐ後、治療した後の

写真や動画を撮って置いた、夜中にうなされれるリカも


アキラは全て聞いて、

愕然としていた。


オレは冷蔵庫にビールを取りに行った

アキラは血がついた、リカのバックを抱えていた。

冷蔵庫を開けて驚いた

作り置きのおかずが沢山


。アキラへ!おかえり

と書かれたタッパーがあった


冷凍庫には

。ライトが好きなハンバーグ


とメモが、、

オレはタッパーを温めた、中にはアキラの好きなオカズが数品、

オレはビールとオカズとメモを渡した。


アキラは無言で食べた。

ビールを飲むと、


「美容師は諦めて、キャバ嬢に、

夏休み中はバイト?

だけど、指を落とした?


ライト、リカの手の引っ掻き傷はリカの心の傷なんだよ。心が耐えられ無いと、違う痛みで忘れようとしてる。

だけど指を落とそうとしたなんて。


リカの生活がキツいのは気がついてた、

先の事を考えると、おばあちゃんが病気でもしたら、だけど

高校生のリカに出来る事なんて少しだ、

追い詰められて、指とお金を引き換えにしたかったんだろうな。どれだけ心に抱え込んでんだよ!」


リカがアキラの声に起きてきた、

リカはアキラを見るなり、泣きながら

ごめんなさいと繰り返しアキラに抱きついた、アキラは謝るな、と言った、


オレはシャワーを浴びた、

(クソ!)

オレはなんなんだ?なにしてる?


リカはオレがアメリカに行くまでの数日学校を休んだ、

おばあちゃんを安心させないと!と言っていた、


オレ達は学校に行った

リカがいない学校、

ショーをして帰ってきたアキラは女の子に囲まれていた。


オレもアメリカの大会頑張ってとプレゼントがたくさん来た、


リカがいない事は誰も聞いて来ない。


三日出発

駅までアキラとリカが送りに来た。

オレはアメリカに着くまですべて一度忘れよう、スケボーだけ考えようと思った。


アメリカについて、荷物をほどいた、

ベッドは快適にしたい。

スーツケースの内側に何か挟まっていた。

小さな巾着袋


【お守り】と刺繍がしてあった。

中にリカからのメッセージが入ってた


怪我に気をつけてって


荷造りしてた時はリカが指を怪我した頃だ

指を落とすと決めて、コレを作ったのか


お守りからほんのりリカの香りがした

CHANELの5番、リカがいつもほんの少しつけている


リカの事で頭がいっぱいになる


オレはお守りをスーツケースにしまった。

オレはプロだ、今はスケボーだけに集中したい


アキラに帰る日まで連絡しないと

伝えた。

オレは3か月スケボーにだけ集中する


私は怖かった、バイトもありアキラといつも一緒なワケじゃない、あんなバカな事をした私にあきれてるんじゃないか?

ライトとはしばらく連絡もできない。

この先の事。

私は黙ってアキラの部屋で洗濯をしていた。


「リカ、来て」

私が近くに行くと、アキラは膝の上に私を乗せた。


「何が不安?

ライトがいない事?おばあちゃんの事?

お金の事?学校?オレの事?

それから全てか?


ねえリカ、

オレはリカを失いたく無い

無理して欲しく無い、

側に居たい、

不安な事があるなら一緒に考えるよ、

一人で抱えて欲しくない

リカは一人しかいない、

リカを守りたい。

勝手に色んな事に巻き込んで辛い思いさせて守れてないのに。

だけど、もっと頑張るから

リカが不安がなくなり、心から笑ってくれるように、だから、側にいて。

オレを好きじゃなくても構わないから」


私は、泣くのを我慢しようとした。

「好きだよ、アキラ、アキラが好きだよ」


アキラは

「ライトの方が好きなんだと思ってた」と、、

アキラは続けて、

「ちがうかな?ライトの方がリカを守ってるんじゃないか?って、オレは役立たずじゃ無いかなって


それでも、リカをライトに取られたく無いんだ、

だから、大切にするから守るから、側にいて

リカにいて欲しいんだ」



私はアキラからそんな言葉が出るなんて思わなかった、凛としているアキラ

アキラだって完璧じゃないよね?


「私、アキラが好きだよ

こんなポンコツな私でいいならアキラの側にいるよ」


アキラは黙ってた。

いつも凛としていて、冷静で、そんなアキラが

小さく見えた。


「私、アキラ守るから」


アキラは笑って


「守られるだけのリカでいて下さい」

と言った。


アキラは少し悲しそうな顔をして

「リカってね、寝言でライトを呼ぶんだよ

だから、ライトに敵わないかなって

ライトがリカを大切にしてる気持ちも勝てるかな?」


私はアキラに初めて自分からキスをした

アキラが壊れないか心配になった








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