第10話アキラのいない日

俺とリカは学校へ


アキラは仕事に行った

オレはリカを教室まで送った

リカの教室の黒板には


(アキラさんにリカは釣り合わない)

と書いてあった


オレが消しに行こうとするとリカは

「いいの、そのままで」

と、言った


リカはそんなに弱くない過剰にオレが反応しても解決はしない

黒板はそのままにした


私はアキラを手に入れた代償だ、証だと思えばいいと思った

先生が来て黒板を見ると黙って消した

そして、教室から孤立していくのがわかる


職員室に呼ばれた

学年主任、教頭、担任、勢揃い


「この前の怪我はどうですか?」


「やった子は麗華さんにやらされたと話していてだけど、麗華さんは全く知らないと言ってるの?何か知ってる?」


私は話した普段ならなんでもないですと言うだろう

「やってきた子達は全く知らない子でした

麗華さんは、ライトくんと付き合っていたみたいで別れて私が最近ライトくんと仲がいいから気になるみたいです」


「田中さんはアキラくんと付き合っているの?」


「はい、アキラと付き合ってます

ライトは親友みたいな感じです」


「そうなの、、

アキラくんは他校からもファンが来たりして

だから、裏から帰れるようにバイクで来てるのを特別に了承しているのよ

ウチの学校にも、アキラくんの熱烈なファンの子が多いからアキラくんが同じ高校の子と付き合ってるなんて、初めての事だから

ファンの子達は、よく思ってないわ、ライトくんも例外じゃないのライトくんのファンの子は女の子だけじゃ無い、憧れてる男の子のファンもいるからあの2人は少し特別だから」

担任の女の先生は、困ったとばかりに話した

主任の男の先生が


「だけどね君がアキラくんと付き合う事で

嫌がらせを受けたり、この前みたいに暴行されてしまうのは、今後も無いわけじゃ無いと思うわけだよ


君は、親御さんを早くに亡くしているね

その点ではアキラくんとライトくんと似ているのかな?

ライトくんともとても仲が良さそうだけど

どんな付き合いなんだい?」


「私はアキラがモデルな事もライトがプロな事も知らないで仲良くなりました

友だちも多い訳じゃないしあまり自分の事を人に話しませんが、アキラとライトは境遇が似ていたからなのか話しやすくて

今は、2人が忙しい事やライトが大会が近い事を知って

出来るだけ夕飯を作ったり洗濯したりしています、みんなはそれを聞いたら私は家政婦に聞こえるかもしれませんが、アキラにもライトにもとっても大事にされてると感じて幸せです」


教頭が私の話しを聞いて

「同じ様な境遇で支え合える関係を築けて

何よりだと思うのだが、今の学校の雰囲気からするとアキラくんやライトくんを追いかけて来た子達が何かしないか?と心配にしているんだ、事件にでもなるんじゃないかと、学校側は思っているんだよ」


「じゃあ私にどうしろと?」


教頭は

「生徒の恋愛に私達が首を突っ込むべきじゃ無いのだけど、アキラくんは一般人じゃ無いからね


もっと同じ高校生らしい子と恋愛をした方が君にとってもいいんじゃないか?」



私は

「酷い目に遭ってもアキラとライトと知り合う前より私は毎日が楽しいです

だから、離れてるつもりはありません

すいません、失礼します」


私は職員室を出たそして、覚悟しようと思った


ライトが教室に来た

「職員室にだいぶ長く居なかった?大丈夫なのか?こないだの腕の事?」


「私、決めた嫌がらせも、悪口も受けて立つ」


何を言われたのかわからないけど

リカは気が強い所があるとつくづく思った

真逆にとても弱い所も

みんなそうなのかもしれないけど

リカは高低差がだいぶある


「アキラいないけど放課後部屋くる?」

実はこの質問をするのには、かなり勇気を振り絞った怖かった


「うん、行くよ」


あっさりだった


私はアメリカに行くまでの間できるだけちゃんとしたご飯をライトに食べさせたかった、私ができる応援はそれくらいだ


リカはいつものように部屋に来て

ごはんを作り置きしてくれた


朝ごはんの分まで

オレは初めてリカにスケボーの話しをした

画像を見せたり動画を見せたりした


リカは痛そうな顔でみていた

何針も縫った腕をしてるのに


SNSには

リカの両親は事故で亡くなって

かなり貧乏だとか


俺たちは親父が金持ちだから

金目当てだとか


リカは整形だとか

アキラはモデルの彼女がいて

リカは金で雇った家政婦だとか


じつはライトと出来てるとか


リカは年齢詐称してるとか

前科があるとか


訳のわからない書き込みまであり


モデルアキラ

と検索すると

弟のオレの事は出てくるけど

リカの画像まで出て来るようになった


モデルアキラストーカー

と検索すると

リカの中学の卒業アルバムが出た


可愛かった


それで、ふとリカの腕のヤキが気になった



オレは聞いてみた

リカは腕を見せてくれた

想像以上だった


仲良かった女の子と私、あと男の子2人で

卒業記念に花火をしたの

友達は、その男の子と付き合ってるって言ったの

お酒と花火を買って、友達は結構酔ったみたいでタバコを吸い出して

私は寒がりだから寒くて、その子の彼が

私に上着を貸してくれたの

それが嫌だったのかな?


男の子たちがいない所で無理矢理やられちゃって私は怒ったけど、やめてくれなくて


振り払って逃げたの

その子達とはそれ以来関わりなし


上着借りただけで、そんな事する?

って思ってたけど


最近の事を考えると、するのかもね?って思うようになった


オレはその話しを聞いてすぐ

上着を借りたからじゃない

その男がリカを好きになってたんだ

と思った


リカは人が人を思う気持ちって大きいね?

と言った


違うよリカ

それならオレはアキラを殺してるよ

リカが大事だから、我慢できるんだ


薄暗くなってきたから、オレはリカを送った


おばあちゃんが

「あれ、リカの本当の彼氏だろ?」

と言った

オレもリカも、目を丸くした。


おばあちゃんは笑った。


オレは複雑な気持ちで帰った。



私はおばあちゃんに。

「彼氏は背が高いほうだよ?」と言うと

「今はね!」と言われた。


複雑な気持ちになった。



最近生活費ちゃんと管理してなかったからな。と思い計算したら

ちょっと厳しい事にきがついた。

仕方ない、バイトしよう。

私はバイトを調べた。

美容師の学校きびしいかな?


駅の中ファミレスが募集中だった。


私はすぐ応募した。

翌日連絡が来て、すぐ面接する事になった


履歴書を丁寧に書いて。

面接に行った。

その場で合格だった。よかった!!


夏休みだけだけど、バイトできる

学校ないから、少しは貯まるかな?


ライトが

「昨日放課後、教室にもいないし。

連絡つかないし。どうしたんだよ?」


オレはサラッと話したけど焦ってねれなかっかた。リカがどこに居るかわからない不安


普通に朝学校にいて、かなりホッとした


「あ、ごめん、連絡すれば良かった

バイトの面接行ってきたの

駅中のファミレス、夏休み中働く事になったの」


「なんで急にバイト?」


「いや、恥かしながら、生活費がきびしくて」


オレは胸がドンと鳴った

オレらは親父から無駄に仕送りがくる


リカはの生活ってどうなんだろう?

アキラは多分気がついてた。

財布が古いからってPRADAをかった。

小さな物を駄々こねて欲しがるって

言っては、些細な物を買っていたな。


アキラはシャンプーや洗剤、日用品を買っては、おすすめ品と言ってリカに渡してた。


リカが、お金を無駄にしない生活をしていた事に気がついていたんだ。



私は改めて先の事も考えて

生活費を計算した。

おばあちゃんが病気になったら

車の免許が必要

免許を取るお金

車を買うお金

私は気がついた、専門学校なんていけない。


18に、なったら、キャバ嬢になろう。

先の事を考えたらそれしかない。

私は薬を二錠飲んだ、落ち込む前に


よーし!

なら高級な店で働いてやる!!


夢は高級キャバ嬢だ


私は強く決めた事ノート

を作って

負けそうな時、書くようにしている


泣かない、負けない!


高校入学!など書かれたノートに


高級キャバ嬢!


お金持貯める!


と書いた。


放課後ライトとライトのアメリカ行きの準備をしてた。

ライトはオリンピックが目標かな

レベルが違うな


私は小さなお守りを作っておいた。

中に

・ライトが大会でいい成績がとれますように

、怪我をしませんように。と書いた紙を入れ

こっそりトランクケースに入れた。


「リカ?美容師になるのが夢だったよな?」


私は

「違うの変えたの!私稼ぐキャバ嬢になる」


「は?!!!」

「何で?いきなりキャバ嬢なんだよ?」


私は、

「だってよく考えたら、免許取ったり、車買わないとおばあちゃんが病気した時困るし。

だけど、そんなお金ないし。だから

とにかくお金を稼ぐのだ!」


オレは明るく話すリカになんて声をかけてやればいいのかわからなかった。

援助するって言ったら怒るだろうな。

だけどキャバ嬢かよ。

なってほしくないな。

だけど、それだけしんどいのかな?

明るく話すから尚更心配になるよ。


リカはハンバーグを作ってくれた、

ポテトサラダとミネストローネ

オレの大好きなメニュー


「アキラにブレンダー買ってもらって

玉ねぎのみじん切りが簡単簡単」


ブレンダーその為だったんだ。

オレはなんとも言えない気持ちだった。


私は家に帰りまた計算した。

色々なパターンで、

高校生活後2年、バイトだけじゃ厳しいかな?と思って、アキラがくれた財布売ったらいくらかな?なんて考えた。


私はなんでも頑張れる。なんでも我慢できる

だけど、お金だけは、どうにもならないと

思った。

支援は受けてる、だけど、足りない

ふと、指を無くしたら幾ら支援してもらえるんだろうと思った、

保険に入って無いとダメだ、でも多少支援が出そうだ。私はもう、その事で頭がいっぱいだった。 


カボチャを切る時に一緒に切ろうと考えた


二時間くらい、思い切り行けなくて

カボチャを前に包丁を握り、もたもたしていた

まるでバンジージャンプ台の上にいるようだった、バンジーだったたら飛んでいるのに。


よし行こう!

私は思い切り切った、


声を出さず、心のなかで

痛ーーい、とさけんだ。

ポタポタ垂れる血を急いで拭いて

キッチンペーパーで親指を強く握った。

血が治るのを待った。

指がじんじんして、心臓になったみたいだった、



おそる恐る、キッチンペーパーをとったら

すこし深い傷が出来てるだけだった。

私の力じゃ無理なんだ。


何か、機械に巻き込まれるとか?

扇風機なんて、多分たかがしれてる。

私は

アキラが買ってくれた

ブレンダーが、頭によぎった


だけどあの家で私1人ってなかなか無い。


アキラが帰って来たら尚更

ライトだけならライトが用事がある時なら



学校でもその事ばかり考えていた。

ハサミで切られた時のお金が入るけど


また切られるような事したらどうかな?

麗華を挑発しようかな?


「なあリカ、最近様子違くないか?なんか真面目な顔してる事多いぞなんかあったか?」



アキラがいなくて、不安なのかな?


「そうだ、今日アメリカ行きの事でちょっと買い物あるんだ?リカ先帰ってる?

近くに美味しいチーズケーキの店があるんだよ!買ってくし、

それとも一緒に買い物行かないか?たまには、カフェでも寄ってさ」


オレは一緒に行きたかった、アキラが居ない時だから、誘えるんだ。

頼む、行くって言ってくれ。


リカは

「夕飯作ってるよ、チーズケーキ楽しみにしてる」


オレはチャンスを逃した


私はこの時しかないと思った。


スーパーで食品を買って、キッチンペーパーを買った。


薬を六錠飲んだ、怖くて鎮痛剤も4錠飲んだ


ライトが帰る前に、早くしないと。

早く早く、ライトが来ちゃう。


ブレンダをマックスにした

そして

よし!!!と大きな声をだした、


薬が効いてきて怖く無くなってきた

明日はアキラも帰ってくる今しかない



ビィーーンと回る歯を見ないようにして

目を瞑り

思い切り親指をつっこんだ。


不思議と痛みをあまり感じなかった


ブレンダーの歯を見ると、ただ、指が絡みつき、想像と違っていた


グルグル回転して指が捻れていた

切断はされなかった、

ミンチみたいに、なると思ってた


ただ、ブレンダーから手が離れ無かった

引っ張っても捻れた指に

歯がくいこんでいて、抜けない


ブレンダーの中に血液が貯まる、

ドラキュラのスムージーだ

私はガッカリしてスムージーを抱えて座り込んだ、飛び散った血が顔や髪についていたけど失敗したショックが大きくて。

ブレンダーに貯まる血をながめていた。


「ただいー、リカ!!」



私は血飛沫を浴びた顔でライトに

「ごめんね」と言った


ライトは血相かえて。

近づき、苦しそうな顔で私の状態を確認した

ブレンダーに少しづつ、血がたまる


ライトからはもう指がどうなってるかわからない。


「指が歯に刺さったままなのか?

指はあるのか?感覚はあるのか?」


「親指が歯に引っかかってると思う」

私は伝えた


「なんで!?こんな事になるんだよ?」

ライトはそう言いながら

私の顔に付いた血を拭き周りに飛び散る血を拭いてさた、


ブレンダーの中に血が増えて行く。

ライトは

ブレンダーを抱えた私を病院に連れて行った

私の血を腕や手につけたまま



グルグルに巻き付いた親指はブレンダーから外れない、いっそ指を切ってくれと思ったが

ブレンダーが壊された。ぐにゃぐにゃになった指は複雑に切れていて

何針塗ったかわからないほど、だった。


私は出血の多さにしばらくふらついた、

点滴をして。

長い時間かけて、やっと終わった。


おばあちゃんにはライトが上手く連絡してくれていた

明日の朝アキラは帰ってくる。


「ごめんね。長い時間迷惑かけてごめん」


ライトは頷き疲れきった様子だった。


帰り道

ライトが

「わざとじゃないよな?」


と聞いてきた


私は真顔で

「わざと」


と答えた、


ライトは頭を抱えて座り込み


「なんでだよ?」と苦しそうに言った


私は心無い声で

「お金」と答えた

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