第5話・一年戦争その1

 詳細は後で別に書くので大雑把おおざっぱに行きます。



 きっかけはデニムの懇願こんがんでした。

『ジーンに手柄を立てさせてやってくれ!』

 自分自身の若さゆえのあやまち、その始まりです。


 ルナツーのすぐ隣にあるサイド7で開発されていたガンダム・ガンキャノン・ガンタンクは4機ずつ作られ、ルナツーでマグネット・コーティングを受けた後、連邦とジオンで2機ずつ分け合う予定でした。

 シャアは-V-作戦を察知したとドズルに報告、デニム隊に2機を受領させ、ホワイトベースと共に隣のルナツーへ帰還する予定だったのです。

 実際ルナツーは1話から堂々と登場し、シャアのムサイが艦首を向けていました。


 しかしデニムに『手柄を立てさせてやる』と言われて有頂天になった何も知らないジーンが暴走、新型モビルスーツを破壊し始めました。

 ただしジーンに関しては疑惑があり、ルナツー経由で補充されたゴップ派の工作員で、パオロ艦長と共謀していた可能性があります。

 動かない・・・・新型モビルスーツに銃を向けるジーンの顔には、動かない敵を前にしているとは思えないほど大汗をかいてたから。

 そんな事をしたら後でシャアに殺されるとわかっているのに、地球上でレビルがやらかしている一般市民の虐殺を止めるきっかけを作ろうとする、死して歴史に名を残そうと覚悟を決めた男の顔に見えてなりません。

 少なくとも軽々しく命令を無視する人間の顔ではありません。


 そしてついにジーンが発砲、連邦兵だけでなく一般市民にも被害を出してしまいました。

 何も知らないフラウが孤児になったのでアムロが激怒、ガンダムに乗り込んでデニム隊を撃退。スレンダーは帰還しています。

 なおデニムが共犯者だったかどうかは不明。ガンダムのパイロットが素人なのは気づいていたはずなのに、撤退ではなく攻撃を選んだので、それなりに容疑は濃いと思われますが……。


 なおアムロは別にガンダムを動かしたくて乗り込んだ訳ではなく、それどころかルナツーでのマグネット・コーティングも済ませていない未完成のガンダムが、まさか動くとは思わなかったようです。

 マニュアルを手にコックピットに入ったのは、ガンダムの自爆装置を探すためでした。


 そしてレビル将軍の暴走を妨害したいレビル派の裏切り者パオロ艦長は、ジーンが暴れている間、シャアのムサイをミサイル攻撃すると見せかけてルナツーに発砲、水爆弾頭を持ち出そうとするリード中尉の出航を妨害。

 その後、何も知らないブライトさんを利用して、アムロに予備のガンダム3機分のパーツを破壊させています。


 なおシャアは『撃ってはいけない対象』なので、火器管制がシャアピンクを感知すると照準がズレる仕掛けです。

 味方を知りつつアムロはスコープで狙い、狙いが逸れる事を確認。

 しかしアムロら別の可能性、強力なビームライフルで人間を直接撃つのは戦争法違反として狙いが逸れる可能性を考慮し、赤ザクが現れると「相手がモビルスーツなら人間じゃないんだ」と再びスコープで狙い、シャアが射撃禁止対象である事を確認しました。

 当然の話ですが、‐Ⅴ‐作戦における射撃禁止対象はシャアだけではなく、本格的な戦闘になればスコープなど使い物になりません。だからシャアはアムロに徹底した格闘訓練を施すのです。

 アムロはアムロで思考からスコープの存在を捨て去り、勘で撃つ練習を重ね最終的には化物と化しました。



 アムロの戦闘でガンダムを目撃してしまった一般市民はホワイトベースに収容され、ルナツーに運んで抹殺する事に。

 しかし一般市民の虐殺を禁じるジオン首相と父ヤシマの意向に反するため、セイラさんとミライさんが共謀、シャアに助けてもらいながらルナツーを脱出し、地上へ向かう事になったのです。


 ガンダムをジオンに引き渡そうとするスパイ疑惑をかけられたリュウは、最初から邪魔者でした。

 1話でパオロ艦長と二人っきりになったリュウは、ガンダムをジオンに引き渡そうと画策している可能性があったのです。

 そこでミライさんがルナツーの上で補給する予定・・・・・・・・・・・・・のシャアを奇襲しようと提案、リュウを試してクロと出ました。

 パオロ艦長はゴップ派なのでクロな訳がないし実際シロだったのですが、いろいろ誤解が重なって敵判定されてしまったのです。


 パオロ艦長はミサイルでシャアに異常事態を報せると同時に、射線上のルナツーを爆撃、ワッケイン司令が敵か味方か判別しようとしていたと思われます。


 ホワイトベースがルナツーに入港する直前にパオロ艦長はミライさんとセイラさんの説得を受け入れ……その時パオロ艦長は自分の正体と思惑を秘匿しました。

 ただし艦長はブライトさんに出した命令を変更、ボンクラ少尉だったブライトさんは、いろいろ合点が行ったのか、4話から急にシャキッとしています。

 ただしカメラとマイクの存在しないどの部屋で説得されたのかは不明。



 一方シャアは一般市民を抹殺するために出航したホワイトベースを見てワッケイン司令を疑いました。

 そこでアムロにモビルスーツ操縦のイロハを教えながら戦い、ルナツーで拘束されたホワイトベースのクルーたちを脱出させて地球へと向かいます。

 なおシャアとワッケイン司令は、同じルナツー勤務のよしみで、それなりに仲がよかった模様。



 セイラさんとミライさんは、ルナツーに入港する前にパオロ艦長の説得に成功、ブライトさんにも事情を説明したようです。

 しかしリュウまで説得する時間はなく、リュウがシロだと説明するひまもなく、パオロ艦長は逝去してしまいました。


 なおリュウはサイド7でコア・ファイターのテストパイロットとして養成されていた候補生で、ゴップ派のスパイと思われます。

 なぜならパオロ艦長が責務を放棄しミサイル発射場にいたから。

 リュウと接触し情報交換、ジーンの暴走の乗じて新型モビルスーツの破壊を命令しようとしていたのでしょう。

 しかし艦長の負傷により接触は失敗、返ってリュウにスパイ疑惑をかけられる元凶となってしまったようです。



 サイド7でドズルに2度も補給を要請してしまったシャアは「無駄死にではない」と自分に言い聞かせながらホワイトベースと共に大気圏突入、ガンダムが耐熱フィルム(もしくは耐熱フィールド)を装備している事を知っているシャアは、わざとホワイトベースの下で戦い、2度目の補給で来た部下たちが艦を盾にして生き残らないように戦っています。

 シャアは『この犠牲は無駄にはしない』と誓いました。


 なおスパイ疑惑のあるリュウは、敵が前方にいるのに使い方もわからないAM(アンチミサイル)ミサイルの管制室に配置されました。

 ハヤトが案内したのです。



 さてリード中尉ですが、ホワイトベースに同行してジャブローに行くなら、なぜわざわざ突入カプセルなんかに乗っていたのでしょう?

 最初からホワイトベースに乗っていれなば簡単だったのに……。


 実はリード中尉、行き先はジャブローではなかったのです。

 彼はルナツーにあった2発の水爆ミサイルを盗み出し、オデッサへ向かおうとしていたのです。


 これには核爆弾管理人のシャアも大激怒、うまく突入カプセルに穴を開け、ホワイトベースに収容させました。

 その後リード中尉がブリッジの艦長席に居座っていたのは、偉いからではなく、ましてや艦長代理だったからでもなく、拘束・監禁されていたからだったのです。

 もちろん中尉の部屋は用意されていません。

 マチルダさんに回収されるまで、ずっと艦長席にいたのですトイレについては謎。

 なお水爆の持ち出しにワッケイン司令は関与していなかったと推測します。



 シャアはガルマにガンダムとホワイトベースを渡し手柄を立てさせてやろうと北米に降りたものの、地表はペンペン草も生えない荒野と化していました。

 どう見ても住民の虐殺が行われています。

 レビル将軍とデギン公王の裏切りに気づいたシャアは高々度でアムロと接触、ガルマ抹殺三段計画のデータを送りました。

 ホワイトベースと新型モビルスーツをガルマに渡すと、右から左にレビル将軍へと渡り、手がつけられなくなってしまうでしょう。

 そして当面の対策として、ボンクラなガルマは殺さなければいけません。



 ルナツーで『ガンダムの秘密はコア・ファイターの教育型コンピュータだ』と教えられたリュウは、アムロの戦闘データを狙います。

 しかしアムロはガンタンクで出撃したフリをしてガンダムから出てガンダムに乗り込み、コアファイター・シャッフルでリュウを翻弄ほんろうしました。


 ペルシア親子にルッグンを引きつける囮役をさせたりしながらガルマ抹殺計画を繰り返し、ついに成功。

 それに起こったイセリナが襲撃したり転落死したり。


 シャアはイセリナがガルマ隊の一部を乗っ取り、レビル派の所業を調査していた事までは知りません。

 そもそもニューヤークは壊滅したのに元とはいえ市長とその娘がいるなんて滑稽こっけいだわ。

 それを知ったのはギレンの演説を聞きながら「坊やだからさ」と呟いた時でした。


「親衛隊の者だな?」

 違います。

においだな。キシリアの手の者か?」

 違います。


 シャアと接触したのはゴップ提督の連絡員でした。

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