Another story8~文化祭本番編3~


詩花やクラスメイト数人達が次々と各自のシーンを演じ漸く蓮の登場シーンである舞踏会の場面へと切り替わった。


「王子……少しはやる気出してください。」



「そんな事言われてもな……俺は結婚になんて興味無いと何度言えば分かるんだよ」



「ですがこの舞踏会は妃を迎える為のもの。この国の為なんです」



「……とは言っても好みの女性が居ないんだよ……ん?」



「どうされましたか?王子」



「あそこの……白と青のドレスを着ている女性。」 蓮は舞踏会に今までやる気が無さそうな表情から小さく笑みを浮かべ詩花の方へと近づいた。



「失礼レディ。」蓮は短く詩花に話しかけた。詩花はにこりと笑みを浮かべ「なんでしょうか王子様」と返事をした。


「1曲、私と踊ってくださいませんか?」



「えぇ私で良ければ喜んで。」


詩花はこくりと頷きにこりと笑みを浮かべれば差し出された手を握り踊り始めた。詩花と蓮は目を合わせたあとくすりと笑みを浮かべながら数分間踊り続け、合図かのように鐘の音が響いた。


「あっ……もう帰らないとっ……!」


「ちょっ……最後に名前だけでも……!」


詩花はその言葉を聞いて1度立ちどまり小さく笑みを浮かべ「なら……私を見つけて下さい王子様」と告げて舞台袖へと戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る