Another story5〜文化祭準備編5〜


数時間後、詩花は保健室で目を覚ました。詩花はゆっくりと起き上がりきょろきょろと辺りを見渡し、自分の傍にいる蓮に気がついた。詩花は小さく呟くように「蓮くん……?」と告げれば蓮は勢いよく起き上がり「詩花!目が覚めて良かった……!」と告げ、詩花を軽く抱きしめた。抱きしめられた詩花は瞬きをしたあと「うん……心配かけてごめんね」と告げて緩く抱き締め返した。


「いきなり倒れたからびっくりした……」


「うん……ごめん。もう大丈夫だから教室戻ろ?」


「そうだな……立てるか?」


「うん大丈夫。ありがとう蓮くん」そう告げたあと詩花は蓮に支えられながら立ち上がり2人で教室に戻った。


教室に戻ればクラスメイト達が詩花を取り囲み「詩花ちゃん!良かったもう大丈夫?」「お母さんに連絡したからもうすぐお迎え来ると思うよ!」「皇これお前のカバンなー」と告げてきた。詩花は「ありがとう。ごめんね明日からはまた練習に入るから」と告げればクラスメイトは大きく頷いた。暫く雑談をしていると教室のドアを叩く音が響き「すみません詩花の母親ですけど……」と詩花の母である純歌すみかが顔を覗かせた。詩花は「あっお母さん」と呟けばクラスメイト達は「じゃあ詩花ちゃんまた明日だね!」「皇ちゃんと休めよー」「詩花ちゃん気をつけてね!」と告げて詩花を送り出した。詩花は「うんまた明日」と答え、母と一緒に教室を出た。



数十分後、少し遅れて「俺も帰るわ。」と蓮が告げれば男子達が「皇が帰ったからか?」「ラブラブじゃねぇかこのやろー」とからかうように言えば蓮は笑みを浮かべ「いいだろ」と告げて冷やかしを気にせずに教室を出て家に帰った。


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