Another story4〜文化祭準備編4〜
拗ねたような表情を浮かべながら蓮は詩花達を見つめていた。すると演劇部のクラスメイトはため息を吐き「じゃあ次王子役の登場シーン!詩花ちゃん達は少し休憩ね!水分補給しといてね!」と指示を出し、男子のクラスメイト数人と蓮が前に出た。
「じゃあ王子役登場シーン行ってみよー」
「王子様今夜の舞踏会は貴方様の婚約者を決める大事な場でもございます」
「しっかり見極め、美しい娘を妃に選んでくださいませ」
「わかってる。お前たちそんなに口うるさく言わなくても俺だって大事な場ということは理解している。」 順調に進む蓮とクラスメイトの演技に周りもじっと見つめながら詩花とクラスメイトはヒソヒソと話しながら笑みを浮かべていた。すると詩花に急激な頭痛が襲い、詩花は顔を顰めた。その様子を見たクラスメイトは「詩花ちゃん大丈夫?」と問いかけ詩花は「大丈夫……」と答えた。
蓮は演技に集中しながらも詩花の様子を伺っていればバタン!と大きな音がクラスに響いた。その方向を見ると詩花が椅子から倒れ込んでいた。蓮はそのことに気づくと駆け寄り「詩花!おいしっかりしろ!」と声を張り上げ詩花の体を揺すった。詩花は「っ……う……」と小さな声を漏らすだけでその状況に教室は慌てていた。「ど……どうしよう詩花ちゃん大丈夫かな……」「とりあえず保健室だろ!おい誰か保健の先生呼んでこい!」と指示が飛び交う中、蓮は詩花を抱き上げ「待ってる時間も無駄だ。保健室行ってくる。」と告げて教室を出て行った。その様子を見てたクラスメイト達は「あいつかっけぇ……」「詩花ちゃんの家に連絡しといた方がいいよね?」「私詩花ちゃんの家の電話番号分かるから連絡するね!」と各自で動き出していた。
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