Another story 1〜文化祭準備編1〜
詩花と蓮が付き合い始めて数ヶ月が経った頃学校全体が浮き足立っていた。詩花にとってこの学校での初めての文化祭だ。
「詩花ちゃん文化祭何したいか決めた?」
「んー……やっぱり出店とかしたいよね。楽しそうだし」
「確かに!クレープとかやりたいよね」
「はぁ!?甘いものじゃなくて良くね!?」とクラスで話し合っていると担任の先生が入ってきた。担任は一言「文化祭の出し物決めるから席つけー」と告げ、その言葉に従うようにクラスメイト達は席へと座った。蓮は特になんでもいいといった表情で黒板を見ていた。詩花は「蓮くんは何がしたい?」と隣の席にいる蓮に問いかければ「俺?んー…俺はなんでもいーや。なぁ先生結局何すんの?」と蓮が問いかければ「今からそれを決めるんだよ」と教師からの言葉が飛んできて教室が笑い声に包まれた。
「今年は皇が居るからな……あまり負担にならないような物をとは考えてる。」
「あー……皇立ちっぱはしんどいだろうしなぁ」
「じゃあ劇でもする?」
「いいかも!ちょうどカップルも居ることだし?」
「お前ら揶揄うなよな!」そんな蓮の反論も虚しく出し物は劇で進んでいく。
「衣装班は手芸部な。壁紙とかはそうだな……」
「美術部に任せてください!」
「じゃあ脚本とかは……」
「それこそ演劇部の役目でしょ!」
そう話すクラスメイトたちに詩花は瞬きしていた。その詩花の表情を見たクラスメイトは「楽しみだね詩花ちゃん」「ねぇするならシンデレラにしようよ!」などワイワイと話していた。蓮はため息を吐き「もうなんでもいいよ」と告げれば男子のクラスメイトからは「おい!王子がOK出したぞ!」と一言告げた。するとクラスは一気に騒がしくなり「じゃあシンデレラ役は詩花ちゃんでしょ!」「賛成!」と言っていた。
「じゃあ役の確認するぞ。シンデレラ役は皇。王子役は杠葉で……」担任は黒板に役を書き込んでいった。クラスはザワザワとざわつき、教室は完全に文化祭ムード一色だった。詩花は笑みを浮かべ「文化祭楽しみだね」と蓮に告げれば蓮も頷き「しばらく忙しくなるな詩花」と笑いながら言った。
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