第13話 知らない感情
次の日詩花はいつも通り登校し、クラスメイト達と教室へ向かった。「詩花ちゃん昨日は楽しかったね」「また遊びに行こうね!」とクラスメイト達と話をしていればドアが開けば蓮が入ってきた。
「はよー。皇もおはよ」
「お……おはよう杠葉くん。昨日はありがとう」と詩花が言えばクラスメイト達は「なになに」「あの後なんかあったの?」と面白がるように質問をしてきた。詩花は慌てて「昨日お母さんを一緒に待っててもらっただけだよ。」と訂正すれば「俺が待ちたくて待ってただけ。それに皇カバン持ちながら車待つの大変だろうし」と蓮が告げたあとクラスメイト達は納得した表情浮かべたあと自分たちの席へと戻っていった。
「皇、全然気にしなくていいから」
「う……うん。ありがとう」
といったやり取りをしたあと朝のホームルームを終え、1限目の授業の準備をしていた。
「詩花ちゃん1限目音楽だから一緒に行こ!」「朝から音楽っていやだよねー」「分かるー」といったやり取りをしながら音楽室へ向かった。
「それじゃあ今日はパート分けて合唱の練習ね」と音楽の教師が言えばクラスメイトが「せんせー詩花ちゃんはどうすんのーずっと立ちっぱなしはしんどそうだよ」と手を挙げながら言った。
「少しなら大丈夫だよ杖もあるし……」と詩花は少し遠慮がちに言えば教師も頷き「じゃあ辛くなったら言ってね皇さん。パートは……希望はある?」といった問いかけにふるふると首を振り「どこでも大丈夫です」と答えた。「じゃあソプラノ!詩花ちゃん高音めちゃくちゃ綺麗だったんだよ!」と昨日カラオケに言った1人が言えば先生もそれに頷き詩花はソプラノパートで歌うことになった。
「じゃあ始めるよ」と先生の指示に生徒たちは頷きすぅっと息を吸い歌い始めた。詩花の歌声は透き通るような声で歌っていた生徒たちの何人かが歌うのをやめた。「そこ!ちゃんと歌いなさい!」と教師からの指示が出れば「皇さんめちゃくちゃ上手くて……」とクラスメイトは目を逸らしながら言った。その言葉に教師は少し悩んだあと「皇さんワンフレーズだけ歌ってもらっていい?」と問いかけたあと詩花は悩んでいた。すると蓮が「皇。歌ってみれば?」と問いかけた。詩花はその言葉に目を逸らしたあと「分かった」と告げてワンフレーズだけ歌ってみせた。するとクラスメイト達からの賞賛の声に詩花は恥ずかしそうにしていれば蓮とバチッと目が合った。蓮はニッと笑えば詩花は顔を赤くさせながら慌てて目を逸らした。その様子を見たクラスメイトは「詩花ちゃん大丈夫?」「具合悪い?」と問いかけた。慌てて詩花は「ぜ……全然平気!大丈夫!」と告げ、蓮の方を見ないようにした。詩花はこの名前のある気持ちに蓋をして。何も知らないフリをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます