第8話 団欒
夕飯の準備をしていた詩花と母親の耳にドアが開く音が聞こえた。「詩花、ちょっと火見ててね」と詩花に告げたあと母親は玄関先まで出て行った。
廊下からは両親の話し声が聞こえてくる。暫くすると仕事から帰ってきた父親と迎えに出た母親がリビングに戻ってきた。詩花はそれに気づくと笑みを浮かべて「おかえりなさいお父さん」
「あぁただいま詩花。学校はどうだった?」
「楽しかったよ。友達も出来たし……先生達も優しかったよ」と父親に学校の事を報告すればそっと父親は詩花の頭を撫で「これからもっと楽しくなるといいな詩花」と告げた。詩花はその言葉に瞬きしたあとくすくすと笑いながら「それお母さんにも言われたよ。」と言った。
「ほらほらお話はご飯食べながらしましょ。詩花後はもう運ぶだけだから座ってていいわよ」
「はーい。」詩花は素直に返事をした後椅子に座り大人しく待っていた。
「おっ今日はチキングリルか。美味そうだ」と料理を運ぶ母を見たあと父は何も言わず食事を運んだ。
しばらくして全て運び終えた両親が席に座り家族3人で声を揃え「「「いただきます」」」と手を合わせながら声を揃えて言った。
「お父さんとお母さんは新しいお仕事どう?楽しい?」
「楽しいけれど大変ね。でもやり甲斐はあるわよ。」
「俺もだよ。大変だけど楽しいよ。」
詩花は楽しそうに話す両親を見つめれば自分も笑みを浮かべ「そっか。お母さんもお父さんも楽しそうでよかった」と告げた。
賑やかな夕飯も終わり3人はソファーに座りながら一家団欒の時間を過ごしあっという間に詩花の転校初日が終わった。
詩花は『明日はもっと楽しくなりますように』と心の中で思いながらベッドに入りそっと目を閉じた
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