第2話 サンタさん?ああ、知ってるよ、2丁目の三田さんだろ?
「ぷはぁー。
カフェオレあったかですねー。でも、私ダイドーよりもボスの方が好きなんですよねぇ。次からはボスの方を頼みますよ?」
「次なんかねぇよ……。サンタが一般人にカフェオレたかんな、むしろ配る側じゃねぇのかよ」
JKは俺の隣、ピーポ君の左半身ににちょこなんと腰掛けて、俺の買ってきたカフェオレを美味そうに飲んでいた。
……大丈夫、これ?
2人分体重かかって、ミシミシいってるんだけど。ピーポくんぶち壊れない?
…コイツ、華奢な見た目してる割に意外と重いのかな。
「いま、失礼なコトを考えましたね?」
「…いや、そんなことは考えていない。これっぽっちも考えてない。考えてないからカフェオレを左手にぐりぐりするのはやめなさい。
やめなさいってば、やめな、やめ、いった、いた、あつ、あっつ、いた、あつっ、熱いっつーの!」
ひだりてっ!俺の左手!
ふーふーしなきゃ!急いでふーふーしなきゃ!焦げちゃう、俺の左手が焦げちゃう!
くそっ、コイツ…、人の買ってきたカフェオレでなんつーことすんだよ!
何事もなかったみたいに、うまうま、あつあつカフェオレ飲みやがって。頭おかしいんか。
暴力系ヒロインはもう随分前に廃れたんだぞ!時代遅れなんだぞ!
ていうか、さっきなにも言わなかったけど人が買ってきたものにケチつけるな!育ち悪いんか!
……っと、あぶない、あぶない。
危うく歳下の女子高生に本気でキレてしまうところだった。あぶない、あぶない。
俺は心が広いんだ、はっはっはっは。苦しゅうない、苦しゅうない、許して遣わそうではないか。はっはっは。
……まあ、元を正したら俺が悪いんだけどな。いや、悪くないが!
ていうか、コイツ…、また……、
「……お前どうやって俺の考えてることがわかったんだよ」
JKはぐるっと、勢いよくこっちを振り向く。
振り向くと急に、にまっ、と悪魔みたいな表情で笑った。
こわわっ。
こわわっていうか、かわわっ。
いや、かわいいんだけど、振り向く勢いすご過ぎてマフラーの裾俺の顔に当たっちゃってるから…。
あと顔が近い。近いと、照れちゃうから、いい匂いとかするし、そんな近づかないでくれる?
「ん、気になるみたいですねぇ?
私がどうやってお兄さんの考えを読んだのか。
気になります?ねぇ、気になります?ねっ、ねっ?」
「うざっ……。いや、やっぱいいや…。面倒くさいし、あとうざいし…。」
「そんなこと言わないで聞いてくださいよー。ねぇ、聞いてくださいよー。
本当はお兄さんも気になってるんでしょー?ねぇ、ねぇ?気になってるくせにぃ?おにーさーん?」
「聞こえてる、聞こえてるよ。ゆさゆさするなよ、鬱陶しいから!
わかったよ、聞くよ!いったい、なんだっつーんだよ!」
「ふふん。やっぱり気になるみたいですねぇ。しょうがない人ですね、お兄さんは。
それじゃあ、教えてあげましょう。私がどうやって、お兄さんの考えていることがわかったのか。
それは…」
そういって、JKはゆっくり人差し指を自分の口の前にもっていき、
勿体つけながら、その口を開いた。
ーーーーー…
なぁ、知ってたか?サンタって実はミニスカのJKのことなんだぜ…。 あずまでいたん @azumadeitan
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