なぁ、知ってたか?サンタって実はミニスカのJKのことなんだぜ…。
あずまでいたん
第1話 あわてんぼうのサンタは、それもう泥棒
「ああ、死なねぇかな人類」
ボソッとそんな風に呟いたら、目の前の交差点が一瞬で血の海になった。
なんつーのは、当然ウソなわけで、相変わらず楽しそうに、みんな浮かれ倒して交差点を歩いていた。
それもそのはず、今日はクリスマス。
年の瀬マジックパワー爆発のこの瞬間、人通り多い交差点前のピーポくんに腰かけて、
……いやよくないが。
てかなんも楽しくねぇよ。クリスマスだろ、今日?俺にも幸せ分けてくれよ……。プレゼントくれよ……。サボってんじゃねぇよ、サンタの奴……。
そんな社会不適合なことを考えていると急に、
ドンッと、背中に勢いを感じた。
ピーポくんがぶん殴ってきたのか!そう思って、慌てて振り返ると、
やっすいサンタ帽を被ったJKがそこに立っていた。
ショートカットで、あどけない目元をして、スカート丈の短い……、
ていうかスカート丈、みじかい、超みじかい。短いし、腰高くない?
俺、チェックの腹巻まいてんのかと思っちゃったよ。
てか誰なんだよっ、コイツ…。
「ジロジロ人の脚ばかりみて、いやらしい人ですね……。せっかくサンタが駆けつけたっていうのに台無しです」
あ?
なんつった……、サンタ?
「……浮かれんのもいい加減にしとけ、このJKがっ!人の背中にいきなりタックルしてきやがって!そんな当たり屋なサンタがこの世に存在するか!」
「うるさいなぁ、もう……。いまのサンタはそういうシステムで、やってるんですよ」
「ウソをつけ、ウソを!」
「嘘じゃないですよ。
……もし、嘘なんだったら、
私はどうやって、いま、あなたが、
サンタのことを考えていたか分かったんです?」
あれ、そういえば、コイツどうやって……。
俺は言葉に詰まってしまう。
「ほら、ほらぁ。
あなた、さっきこんなこと考えてたんじゃないですかぁ?『俺にも幸せわけてくれよ、プレゼントくれよ、サンタのやつ』って」
「おまえ…。なんで、それが……」
JKは、にまっと、大きな目を三日月形にして笑う。
「それは私が、
ホンモノのサンタクロースだからですよ。
小悪魔系JKサンタクロース、呼ばれて、飛び出て、ここに見参です」
しゃきーん。
自分で効果音をつけて、JKは萌え袖から、だるそうに横ピースをつくっていた……。
いや、呼んでねぇよ。やっぱり誰なんだよ、コイツ……。
あとかわいいな、かわいい。
ていうか超かわいい、なんならサンタはずっとこれでいい。おれ、カーネルサンダース型のサンタはもういらねえよ!道頓堀に投げ込んじゃって!
……とかふざけてる場合じゃなくて。
そう、俺はどうやら、みんなが浮かれるクリスマスの夜に、
頭のおかしい、ミニスカの、自称サンタなJKと出会ってしまったらしい。
あと、たしか、小悪魔の。
小悪魔系JKサンタって……、
もう、それサンタっていうよりサタンだろ……。
ーーーーー……
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