英雄雷神ソーの大魔法・ライトニングボルテックス

 俺には武器がなくとも、スキルによる攻撃も可能なのだ。



「なに構えているんだ、小僧!」「こんなゴミガキ、やっちまおうぜ」「ああ、ガキを殺して女を奪う!」「この島を奪うんだ!!」



 と、男達は俺の方へ襲い掛かってくる。

 ゲイルチュールは手元にないが、これで十分だ。



「落石!!」



 [落石][Lv.10]

 Level.5 :物理ダメージ 5000%



 さすがにLevel.10を使うと殺してしまうかもなので、Level.5に抑えた。なにもない空から子供のほどあるサイズの岩が落ちてきて、男共に命中する。



「ぎゃああ!!」「うあぁぁぁ、なんだぁ!!」「ぶあぁぁぁぁ!!」「な、なんで石がぁぁぁぁ!!」



 四人中二人は完全に埋もれた。

 だが二人はうまくかわしていた。

 くそ、手練れがいるようだな。


 そんな中、スコルが動き出し聖女のスキルを放った。



「ホーリークロス!!」




 [ホーリークロス][Lv.5]

 [魔法スキル]

 [効果]

  聖属性魔法攻撃を放つ。

  対象が闇属性もしくは不死種族の場合、ダメージが三倍になる。


 Level.1 :聖属性魔法攻撃 1000%

 Level.2 :聖属性魔法攻撃 1500%

 Level.3 :聖属性魔法攻撃 2000%

 Level.4 :聖属性魔法攻撃 2500%

 Level.5 :聖属性魔法攻撃 3000%




 ドゴォォォォと物凄い音がして、十字の光が一人に命中。見事に吹き飛ばした。てか、スコルすげぇ……!



「うあああああああああああああ!!」



 どこまでも吹っ飛んでいき、姿が見えなくなった。凄いな。



「スコル、いつの間にそんなスキルを!」

「えへへ。ラスティさんと一緒にいるとレベルアップしやすいので、最近はいろいろ習得したんですよ~」


「へえ! おかげであと一人だ!」



 ハヴァマールの方だが……俺が向かうよりも先に最後の男が動いていた。



「兄上、ここは余に任せるのだ!!」

「大丈夫か、ハヴァマール!」

「大丈夫なのだ。今こそ余の力を示すとき!」



 魔力を両手に溜め込むハヴァマールは、男と対峙。まさか、魔法スキルが使えたのか。――いや、そもそも俺に無人島開発スキルとか聖槍・グングニルとかくれたのはハヴァマール。なにかしら攻撃スキルがあっても、おかしくはない。


 妹を信じよう。



 相手の男は剣を振り上げ、ハヴァマールに向かっていく。



「こうなったら、銀髪の少女を人質に取ってやらああああ!!」


「余に触れていいのは兄上だけだ! 天壌無窮のゲートよ、我が望みに応え開門せよ――くらえ、ライトニングボルテックス!!」




 [ライトニングボルテックス][Lv.5]

 [魔法スキル]

 [効果]

  最強の英雄雷神ソーが扱っていた大魔法。膨大な魔力を消費し、風属性魔法攻撃を広域に落とす。

 スキルレベルが高いほど消費魔力も増大し、詠唱も長くなる。固定詠唱が50%存在する。このスキルは、攻撃対象を任意で選択もできる。その場合の消費魔力は10倍となる。


 Level.1 :風属性魔法攻撃 10000%

 Level.2 :風属性魔法攻撃 20000%

 Level.3 :風属性魔法攻撃 30000%

 Level.4 :風属性魔法攻撃 40000%

 Level.5 :風属性魔法攻撃 50000%




 空が真っ黒に染まると共に、ありないほど膨大な稲妻が落ちた。まてまて、いくらなんでも大規模すぎる。相手はひとりだぞ!?


 しかし、雷はズトンと男一人だけを狙い、命中させた。




「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!」




 あのスキルってレンジを指定できるのか。便利だなぁ。なんて感心していると男は倒れて、煙をあげた。


 これで全員を倒した。



「ハヴァマール、お前にこんなとっておきのスキルがあったとはな」

「ふふふ、必殺技は隠し持っておくものなのだ」


 妹の頭を撫で褒め称えた。

 スコルも撫でて欲しそうに視線を向けてきたので、俺は応えた。



「スコルもよくがんばった」

「ありがとうございます、ラスティさん。わたし、強くなりましたよ。もうか弱い女の子ではありません」

「うん、強い女の子は好きだ」

「えへへ……」



 俺は、直ぐにルドミラと合流。この事件を話して四人組を地下牢へぶち込んだ。


 調べによると、あの四人パーティは『神聖王国ガブリエル』からやってきた不法侵入者だった。……そうか、俺の島を狙い始めてきたってわけか。



 そうはさせないぞ、ニールセン。

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