【 タカヒロ君? 】


「タカヒロ……君……? どうしたの? 母さん。『』付けなんてして」


(さっきから気になっていたけど、『』って何?

 私はタカヒロ君のお母さんじゃないんだけど……)


「はは、突然変なことを言うんだね。母さんは」


(だから私はタカヒロ君のお母さんじゃないってばさ……)


 すると、彼はニッコリと笑いながら、私の体に触れた。

 そして、直接胸に手が来る……。

 その瞬間、今まで感じたことのない電気のようなものが、体中を駆け巡った……。


「あんっ♪ タカヒロ君、ダメっ……」


「どうしたの、母さん? 今日は随分乙女おとめチックだね」


 そう笑いながら、私の胸をやさしくまさぐってくる。


「わ、私は……、美玖ミクです……」


「はっ? 美玖? また母さん、冗談言わないでよ」


「ほ、本当です……。私、美玖です……」


「もう母さんは、冗談が好きなんだから」


 そう言いながら、今度は私の首筋辺りにキスをした。


 何がどうなっているんだろう……。

 彼が触れている胸に、手を添えてみる。


(あれっ? 私って、こんなに胸大きかったっけ……?)



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る