第13話 ミャンマー 外国人料金不払い突入敢行!
ミャンマーはキンプン(という小さな町)からゴールデンロックを見に行ったときのこと。
現地の人はキンプンから山の中腹の村まで、中型のトラックに40人以上詰め込まれてでも連れて行ってもらえる(トラックの荷台に木製のベンチのようなものが7つぐらいセットされている)。
カーブではふんばりが効かず、みな雪崩をうつ。となりに迷惑をかける。
外国人は、中腹の村からゴールデンロックへのトラックに乗れず、歩いていくか、料金をとられる駕籠にのらなければならない。あるいて1時間弱。私は歩いた。
そしてようやくゴールデンロックだ、というところで声をかけられた。
「foreigner?(外国人?)」
思わず、イエスと言ってしまった。そこは外国人のみの料金所だった。金を取られるとはきいてない。ガイドブックを持っておらず、旅行者からもきいていないので知らなくて当然だった。
金を払えという。6ドル。
私は抗議した。そんなことはきいたことがない。実際、腹が立っていた。1時間も歩いてようやく到着したのだ。
相手は英語が分からないようだ。
「Can I enter to there?」
という言葉にわからないという顔をする。とにかく金を払えの一点張り。
私は一時退散した。料金所付近のホテル(ゴールデンロック付近にはホテルがいくつかある。泊まってみたかった!)で料金を払わなければならないのかとレセプションで尋ねた。
余談だが、日本語でフロントと呼ばれる受付は英語でレセプションという(正確にはリセプション? 中国語では前台)。英語で、フロントは通じない。
日本にあるホテルの、日本語表記と英語表記にはしばしばこう書かれている。
客室。guest rooms。無問題。
食堂。restaurant。無問題
受付。front。有問題!
英語表記するならレセプションって書こうよ!
以上、余談でした。
払わなければならないという受付の女性の言葉を聞いた私は、再突入を試みた。
あとで考えれば、外国人と聞かれた時点で「なに言ってるの?」と首を振っていれば良かったのだ! ノーと答えれば外国人と判明するから。
私は小細工をした。つまり、料金所とはあさっての方向へ顔を向けて、料金所前を通過するのだ。道は3メートルほど。監視員は通行者の顔を見ている。
私はあさっての方向を見て、通過しようとした。だが、さっきと同じ人に捕まった。
2回目だ。さすがにバツが悪い。私は諦めた。料金所に入り、パスポートナンバーなどを記帳して料金を支払い、係員と「お前はリッチだ」「いや あなたの方がリッチだ」などと雑談までしてしまったのだった。
こうして料金所の強行突破は失敗した。
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