第7話 ミャンマービザ取得奮闘記
ベトナムのフエで会った旅行者から、ミャンマーは良いと聞いた。ミャンマーには行く予定はなかったが、とてもミャンマーという国に惹かれた。
「ミャンマーに行くのだ!」
私はベトナムを南下して、ホーチミンシティへ到着する。メコン川クルーズ、クチトンネルなどを観光しつつ、旅行代理店でミャンマー領事館がこの都市にあるかどうか訊ねた。
大使館はハノイにある。そしてミャンマー領事館がホーチミンシティにあるという。
住所を聞き、翌日の朝から30分ほど歩いてその場所へ。ホーチミンシティは暑かった。汗をかきながら教えてもらった場所へ向かう。
到着したもののミャンマー領事館は見つからない。近くの四つ星ホテルに入って、ツアーカウンターが暇そうだったので、聞いてみた。
あちこちに電話してくれ、ミャンマー領事館はないという(ホテル宿泊者でもない者に対応してくださり 大変ありがとうございます)。
「おい、それはないよ。。。(旅行代理店の人に向けて)」
大使館がハノイにあるという。
知っている。
あなたどこから来たの?
ハノイから南下してきた(苦笑)。
ハノイでとってくればよかったのに(苦笑)。
ですよねー! でも、フエでミャンマーに行きたくなったのだ。
と会話を交わし、ホテルを出た。
最低バンコクで、できればこれから入るカンボジアでミャンマービザを取ろうと決め、その日は観光した。
さて、カンボジアの首都プノンペン。プノンペンにはミャンマー大使館がある。キャピトルホテルのツアーカウンターで住所まで聞いた。ノドロム通りにあるらしい。
住所のメモを片手にバイクタクシーのドライバーがたむろしているところに行き、ここに行きたいのだ、と告げる。何人かのバイクタクシーのドライバーが鳩首相談した。
ここどこだ? 知っているか? いや、知らない。行けるかな? 店や家の住所を見ながらいけるだろう。お前行けば? えー、おれ無理っぽいよ。大丈夫だって、住所見ながら行けば。じゃ、行ってみるよ。
たぶん、そんな会話を交わしていたのだろう。ひとりの男が名乗りを上げた。値段交渉する。私「1500リエルでいいか?」 男「2000だ」
まぁいいだろう、と2000リエルで行ってもらうことに。
彼のバイクの後ろに座り、出発。と、ここから彼は地獄を見るのだった(私も一緒に見るのだが)。
バイクを走らせてもいっこうに到着しないのだ。彼は何度もポリスやバイタク仲間に道を尋ねる。
30分経過。バイクの後ろに乗っているのも疲れる。
私が思うに逆方向に走っているのではないか、と思っているとき、バイクタクシーの男の、7、8回目の質問タイム。
彼はバイクを止め、帽子を脱いでポリスに話しかける。英語がわかるようなので私も話に加わった。
ミャンマー大使館へ行きたい旨を告げると、大使館か? イエス。インドネシア大使館か? 違う、ミャンマーだ。???
ここがカンボディア(カンボジアでは通じません。英語スペルも"Cambodia"なので)、タイランド、ミャンマーと空(くう)に東南アジアの地図をつくって説明すると、ポリスマンは了解。知っていると言う。ポリスマンはバイタクの彼に「あの辺だ」と教える。
「なんだ、逆だったか」とバイタクの彼。そこは一回通過した場所だった。バイタクのドライバーは確信を持ったのか、今度は快調にバイクをとばす。これまでは探しながらだったので、とろとろ走っていたのだ。
しかし! 彼は目的地はノドロム通りなのに、違う道に入っていくのだった。ここはノドロム通りじゃないぞ、と私が言うもとりあわない。
ここだ、と彼がバイクを止めた場所は(たぶん)旅行代理店。違うと言うと、少し西へすすんで再び停車。今度はラオス大使館だ。ここで警備の人に、ミャンマー大使館はどこかと私が訊ねると、あっちだ指を指し、バイタクのドライバーに何事か伝える。
かくして私はようやくミャンマー大使館に到着したのだった。
しかし、、、扉は閉まっている。昼休みではないぞ。ここでも警備の人に訊ねる。
なぜか? ウォーターフェスティバルで3日間、休みだ。ズドーン。。。
1時間以上かけて到着したのに、お休み。私はビザ申請を諦めた。
バイタクのドライバーは料金5000払えと言ってきた。ちょっと待て。2000のはずだ。言うと、彼は身振り手振りでこんなに時間がかかった。ガスを使ったと言う。いやいや、それはミャンマー大使館の場所を知らなかったあなたが悪いと言うも、彼は納得しない。ミャンマー大使館の警備員にも私が正しいことを主張し、警備員もたぶん私の味方になってくれた。2000リエル渡して、私はドライバーの前から離れた。
さて、タイの首都バンコク。高級ホテルに入って、もらった地図にはミャンマー大使館の場所は書かれてあった。
私は昼前に着くようにスカイトレインにのって近くまで行った。しかし、降りる駅を間違え、時間と10バーツを無駄にしてしまう。
再びスカイトレインでミャンマー大使館付近へ。今度は無事到着。ビザ申請の窓口を聞いて、そちらへ。観光ビザ用の申請用紙を取り、記入。
目の色、肌の色など異様な項目に驚きながらもやや途方に暮れたのは、ミャンマーでの滞在先。つまりホテルだが、ガイドブックを用意していない私にはそれがわからない。
だめもとでミャンマーのロンリープラネット(英語のガイドブック)を持っている外国人に、聞いてみる。
ミャンマーのホテルを知っていますか? 応えはノー。
質問が悪かったらしい。この空欄を埋めたいのですが、と申請用紙の滞在先の欄を指しながらいうと、了解してくれた。ガイドブックを貸してくれたので、ホワイトハウスというホテルの名前と住所を記入する。ガイドブックを返すと、ペンを貸してくれないかというので、お礼に私のペンを貸してあげる。ビザの写真は3枚いると思っていたのだが、2枚で足りた。
さて、どこに申請するのだろう、と思って眺めていると、どうやら3列の椅子にずらりと座っている人たちは、みな申請待ちらしいことが判明。30人は列んでいるだろうか。
年輩の日本人に聞くと、やはり皆 列んでいるという。私は彼と一緒に列んだ。
しかし、列が減らない。申請窓口で早い人は5分くらいで申請を済ませるのに、30分以上窓口に張り付いている奴らがいる。少なくない。それが業者(旅行代理店)で、ミャンマービザ申請を代行しているのだと気付いたところで、ずっと申請を待つだけの苛立ちをおさえることはできなかった。
ビザ窓口は午後3時まで。並び順を記入する紙に名前を書いて、退館。その日、私はビザの申請すらできなかった。
ビザ申請にこんなに時間がかかる大使館はない、ひどい、と一緒に列んでいた方は憤っていた。
翌日の朝、また列ぶ。午前中で申請できず、午後2時頃、ようやく申請できた。翌日受け取りにして、手数料とパスポートを提出。
翌日、、無事、、ようやく、、三度目で! 私はミャンマービザを拝むことが出来たのだった。
足掛け三カ国でのミャンマービザの取得になった。
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