第6話 ベトナム南部 ホーチミンシティにて散髪

 ホーチミンシティに滞在して、クチトンネルやメコンデルタの現地ツアーに参加していた。毎度のこと、西洋人ばかりの超アウェイなツアーである。


 そんなホーチミンシティ滞在の中で、髪が伸び、洗髪や乾燥が面倒になってきた。安宿にドライヤーがないのが普通なので、洗髪後に乾かすのも時間がかかる。風邪もひくかもしれない。


 というわけで散髪屋へ行くことにした。異国での初めての散髪。ちと、緊張。


 宿の近くの散髪屋へ入り、値段を聞く。カット3ドル、シャンプー3ドルという。日本で散髪するのを考えれば、破格だ。6ドルコースをお願いする。



 散髪にあたって注文(希望)があった。


 あまり短く切りすぎないこと。

 もみあげ部分をきらないこと。

 (ベトナムの人はもみあげを耳の上あたりでカットしていた人が多いため)

 ひげをそらないこと。


 これらを英語で伝える。わかってくれた。10分ほど散髪される。


「できたぞ」


 考えるまでもなく、不満だった。


 まず第一に、後頭部の下 髪のすその長さが前から見て、左右で違うのだ。ありえない!


 下手な英語でそれを伝え、同じ長さにしてもらう。


 第二に、キノコ型の髪は嫌なのである。ベトナム人にはキノコ型の髪の人が多いのは知っていた。でも、私は嫌なのだ。


 だが、どう説明すればよいかわからぬ。最後の手段! 私はメモとペンを取りだした。キノコのような図形をかき、カサの部分を切るように線を引く。主人に見せる。了解してくれた。



 かくして、まぁ、 なんとか 納得できる散髪ができたのだった。


 そのあとの洗髪は、おばちゃんが爪でごりごり長時間洗うので、非常に痛かった。


 でも我慢をした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る