第5話

「ご主人様、朝の散歩って気持ちいいですよね〜!朝特有の新鮮な空気がとても美味しいです♪」


「おう。そうだな。でも、ついてきて本当によかったのか?家事とか忙しくないのか?」


「今日はご主人様は休みですし、やることが少ないんです。だから大丈夫です。とゆうよりは、私、よく買い物に行くとカップルが仲良さそうに手を繋いで歩いてるのを見るんです。そしていつも思うんです。『ご主人様とこんな感じで歩きたいなぁ』って。だから家事とかが忙しくてもついていくつもりでした」


「そっか」


「はいっ!あっ!桜が咲いてますよ!あ〜、綺麗ですね!」


「予報では確か今日までだよな、満開の桜が綺麗に見れるの」


「確かニュースでそんなこと言ってましたね。ご主人様と2人きりで今年最後の満開の桜を見ることができて嬉しいです!」


「そっか。じゃあ来年は桜祭りにでも行ってみるか?」


「え?!いいんですか?!是非!じゃあその時は桜祭り限定バージョンのお弁当作りますね!」


「なんだそれ?!楽しみだな!」


※※※※※※


「少し休憩するか。近くに公園あるし」


「ですね〜。……あっ。この公園は……」


「神響が俺の専属メイドになったばっかりの頃、ブチギレた時によくいた場所だよな」


「うぅ。恥ずかしい思い出が……」


「その時にいつも飲んでたのが甘い苺のジュースだったよなぁ。今売ってるのかな?お!あったあった!」


「ぎゃぁぁぁぁ!やめてください!恥ずかしい思い出が次々とフラッシュバックしてくるんです!」


「そして俺が謝って帰る流れだったよなぁ。その時に服の裾を申し訳なさそうに摘まんできて可愛かったなぁ」


「~~~~~~!やめてくださいやめてください!!あの時の私はどうかしてたんです!はい、この話終わり!私、飲み物買ってきます!!」


「はーい。いってらー」


※※※※※※


「さっきはあれほど恥ずかしい思い出がとか言ってたが、服の裾は掴むんだな」


「……うるさいです。(ご主人様がかわいかったって言うからですよ!)」


「ん?ごめん。うるさいですの後なんか言ったか?」


「言ってません。空耳では?」


「ならいいけど」

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