第4話

「おかえりなさいご主人様♡……今日は1時間30分も遅い帰宅でしたね。なにしてたんですか?どこに寄って来たんですか?約束しましたよね?何処かに寄ってくる時には私に連絡すると。ご主人様。約束、破りましたね?」


「今度はなんだ?もしかしてヤンデレメイドか?クオリティ高いな?!」


「……」


「……今日は髪をおろしてるんだな。髪、綺麗だな」


「ありがとうございます。でも、今求めてるのはそれじゃないんですよ。なんで1時間以上も遅くなったのか。私はそれを訊きたいんですよ?早く答えてください」


「今日は珍しく電車で座れたんだ。そうしたらうとうとしてきていつのまにか目を瞑っていたらしくて気がついた時には終点だったんだ。そこから電車にもう一度乗って帰ってきたから遅くなったんだ」


「本当ですか?どこか美味しい店でご主人様1人で食べてきたんじゃないんですか?私に内緒で」


「どうしたんだよ。いつもの神響なら『そうですか』って言うのに」


「うるさいです。以前に『私の料理は美味しい』って言ってたの、あれ嘘なんですか?」


「本当に食べに行ってないって!ただ寝落ちして終点に行っちゃっただけなんだって!」


「その途中でお腹が空いたから食べたんじゃないんですか?お弁当とか色々と」


「食べてないって!どうやったら信じてくれるんだよ……」


「じゃあ今からご飯を温め直すので完食してください。それができない場合は何処かで食べてきたってことになります」


「口ではなく証拠を見せろってことか。わかったよ」


〜1時間後〜


「どうだ!完食したぞ!!」


「……本当に食べてきてなかったんですね。疑ってすみませんでした」


「食べてくるわけないだろ……。神響の料理は密かな楽しみなんだからさ。まあ、でも遅くなるって連絡しなくて悪かった」


「……じゃあお互い様ってことでいいですか?」


「そうだな」


「ご主人様、優しいですね」


「まあ、俺にも非はあるからな。……さて。この話は終わり。なんか楽しい話しようぜ」


「……はいっ!」

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