第3話
「あれ?今日はメイド服じゃないんだな」
「昨日、悲劇が起きまして……」
「悲劇とは?くわしく」
「昨日、お皿洗いをしている時に汚れがメイド服についてしまいまして。だから昨日のうちに朝一にしみ抜きをして洗濯したんですが干すのを忘れてしまってんですよ。睡魔に負けました。惨敗です」
「なるほど。でも、替えのメイド服はないのか?そしてなんでジャージなんだ?」
「メイド服の予備は買わなかったんです。あの時の私はメイドの仕事でポカをやるとは思ってなかったので。あの時の私に会いに行けるなら確実に買わせますよ」
「多分無理だと思うけどな。あの時の神響は冷たかったし、俺が指摘すると『だから何?』って睨みつけてきたからな。マジであれは怖かったぞ」
「ごめんなさい。あの時の私はその、私が正しいと思っていた節があったので……」
「別にもう気にしてないからいいよ。それとなんでジャージなんだ?」
「メイドの仕事では動きやすさが求められるのでその条件に適合するのがジャージだったんです」
「なるほど。あっ。ジャージといったら萌え袖だよな!やってくれないか?」
「いいですよ。ちょっと待っててくださいね……、出来ました。どうですか?」
「可愛い!」
「ありがとうございます!」
「でも、なにか物足りないよな。とゆうわけで。萌え袖のまま『おかえりなさいませご主人様』をモジモジしながら言ってみてください!」
「わかりました。"あ、あの。お、お帰りなさいませ。ご、ご主人様しゃま!"あうう。噛んでしまいました……」
「噛むところがポイントが高い!めちゃ可愛い!」
「嬉しいですが、恥ずかしいです……」
「萌え袖状態でリアルに恥ずかしがる神響も可愛いなぁ」
「あうう。主人様、頭撫でないでください……」
「おっとすまん。つい撫でてしまった」
「あっ……」
「ん?どうしたんだ?」
「ご主人様。頭が寂しいです」
「え?」
「ご主人様。頭撫でてください」
「でも、撫でないでって」
「びっくりして脊髄反射で返しただけです。なので頭撫でてください」
「なでなで」
「♪」
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