たかが詩じゃないか

詩音 悠

『甘い夜の果て』

甘い夜の果てにある闇 

私の罪を溶かして行く

バカラのグラスに浮かんでる

快楽を楽しむだけでいいの 

ただ美しいだけの男

何も与えてはくれないし 

意味のないさよならばかりが

淋しい胸を満たして行くね

あゝ 見え透く嘘にさえも 

あゝ うなずく私

あの日あの頃の夢はどこ 

月並みなセリフばかり

いつもの夜がまた来る 

とめどなく心は渇いてる

愚かだと笑われても 

戻れないの夜の果て



あなたを苦しめているもの 

私を悲しませてるもの

答えはでているはずなのに

汗ばむ指を絡み合わせる 

何かを企んでいるのね

憐れんだ目で私を見て 

新しい煙草に火をつけ

口元に浮かぶ含み笑い

あゝ 自分しか愛せない 

あゝ 褐色の肌

湿った肌を重ね合わせ 

欲望に溺れて行く

出逢ってはいけなかった 

愛してはいけない人だった

危険と戯れていた 

許されない夜の果て



心など望まないわ 

愛だとは言えないと知っている

深い闇へ堕ちて行く 

戻れないの夜の果て

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