ねずみの夢
夢を見た。
「君は、どうしてここに来たの?」
目の前に浮いているのは、僕の身体の三分の一にも満たないほどに小さな、それでいてその背格好に見合わない大きなシルクハットを被った、ねずみのようせい、とでも言わんばかりの生き物だった。
「気づかないうちに、って感じなのかな。でもどうやら、君にもまだやるべきことがあるようだ。今回はどうしたものかな…。」
眼前の妖精は、首をかしげながら、あーでもない、こーでもない、というようにクルクルと回転している。
「あ、そうだ、これがいい!」
突然ピタッと動きを止めた彼は、その長く細い尻尾を僕の鼻先につけた。そして、その小さな顔を近づけて、こう呟いた。
「これはおまじない、僕ができるのはここまでだから。あとは君次第。後戻りはできないけれど、僕は一緒に泣いてあげる、笑ってあげる、怒ってあげる。これから僕は君の親友だよ。」
それじゃあ、魔法の世界へいってらっしゃい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます