#37 幼馴染との時間
メグっちと二人で昼ご飯の準備をしながら色々相談して、キョウコちゃんが俺のハーレムヒロインだと言うのはクルミには言わないでおこうという話になった。
クルミも同じ高校の生徒だし、クルミに騒がれたら厄介だから。
3人で食事をしていると、やはりクルミから外泊のことを追求された。
多分俺一人なら何も聞かれないだろうが、メグっちと二人揃っての外泊は気になるんだろう。
「ああ、担任の先生のところだ。 みんなで遅くまでのコスプレパーティー楽しかったぞ? クルミも来たかったか? まったく寂しがり屋で甘えん坊な妹だぜ」
「は? ジジイまじウザい」
「まぁまぁ、クルミんも素直に寂しいとか言えないし? メグがノリオ取っちゃってごめんだし?」
「は? メグちゃんもまじウザい。っていうかメグちゃんいまの、ジジイっぽくて超キモイ」
「何言ってるんだクルミ。 メグっちはキモくないぞ、滅茶苦茶可愛いぞ」
「そういうノリオもカッコイイし!キモイけど」
「ようやくメグっちも俺の男としての魅力が分かってきたようだな?」
「ホントは前から分かってたし・・・・素直になれなかっただけだし・・・・ポっ」
「二人とも、まじウザいしキモい!」
クルミは炒飯を食べ終えると、怒って自分の部屋に行ってしまった。
まぁ今のやりとりは、クルミからの細かい追及を回避する為に、わざとウザがられるように仕向けた訳だが、流石メグっち、俺との掛け合いは息がぴったりだったな。
しかし、これでクルミからは追及してくることはもう無いだろう。
同じ話題をだせば、再び同じ様にイジられ目の前でイチャつかれると警戒するだろうし。
メグっちと食事の片付けを済ませて俺の部屋へ行き、二人で溜まっていた宿題を始める。
二人きりになっても今までとすることはあまり変わりないが、お互いの意識の部分が変わったことで、その態度や接し方は随分と変わった。
例えば今もこれまでと同じように二人で並んで床に寝転がりながら勉強をしているが、二人の距離が今まで以上に近い。 というかずっとくっ付いている。
スキンシップも今までも多かったけど、これも色々と変わったように思える。
今までのスキンシップは、ベタベタ抱き着いて来たり胸を押し付けて来たりと、どこか遊んでいる様な試されている様な、そんなスキンシップだったけど、今は完全な甘えモードでのスキンシップだった。
寝転がってて抱き着いてくる時なんかは、腕で抱き着くだけじゃなくて脚も絡ませてくるし、そして何かにつけてキスを要求してくる。
因みにメグっちは大胆でアクティブなくせに、ちょっとテレ屋さんなところがあって、エッチなアピールとかは大胆なのにキスはいつも受け身で、したい時は俺からするように要求してくる。そういう所はキョウコちゃんと逆のタイプかもしれない。
そこがまた可愛いかったりするんだが。
しばらくイチャイチャ勉強を続けてて、メグっちが「ちかれたぁ」と集中力が途切れたのか休憩しはじめたので、俺も手を止めて休憩することに。
床で寝転がったまま抱き着いて来たので、そのまま腕枕の体勢に変えて、気になったことを聞いてみた。
「メグっち、お泊り会どうだった?」
「楽しかったよ。サクラちゃんもキョウコちゃんも面白かったし」
「じゃあ、前に告白した時にゆっくり考えるって言ってたキョウコちゃんのことは、結論でそう?」
「あー、そういえばそんなこと言ってたね。 うん、メグはサクラちゃんが居てもキョウコちゃんが居てもオッケーだよ」
「そうか、ありがとうな。やはりメグっち俺の幼馴染なだけはあるな。可愛い幼馴染だぜ」
「うふふ、可愛いのは当たり前だし!」
「でも、ぶっちゃけ最初は冷や冷やしたぞ? キョウコちゃんはやけにガキみたいに張り合おうとするし、メグっちもそれ真に受けて言い返したりするし」
「アレって、キョウコちゃんなりにメグたちと打ち解けようとしてたんじゃないの? 最初は気が付かなかったけど、色々話してたらそんな気がしたし」
「メグっちもそう感じてたか。 俺も同じこと考えてた。多分そうだろうな。 その事言うと調子にのってご褒美くれとかもっとホメろとか言いそうだから言わないけど」
「だからかな、ソレに気が付いたらキョウコちゃんのこと全然嫌だと思えなくなったし」
「中身ど変態だけど、そういうところは流石に大人だよな」
その後もイチャイチャしながら宿題を終わらせて、夕方まで俺の部屋でゴロゴロしながらまったりして過ごした。
夕方、親が帰宅し、先生からお土産を貰ったことを伝えると、母さんが早速食べようと言い出した。
キョウコちゃんが持たせてくれた手土産は、どら焼きの詰め合わせみたいで、それみてクルミが大興奮していた。
「コレって!木尻庵の高級どら焼きじゃん! すげぇ!マジで美味しそう!」
「ん?そんなに有名なのか?このどら焼きが?」
「テレビで紹介されるくらい有名じゃん! 1個730円なのに毎日売り切れらしいよ!」
「「730円!?」」
俺とメグっちの声が被った。
キョウコちゃん、すげぇな。奮発しすぎだろ。
お礼に、メグっちが幸せそうな顔でどら焼きを頬張る写メをキョウコちゃんに送ってあげた。
キョウコちゃんから「メグの写メなんぞいらん!水元の送ってくれ!出来れば上半身裸で!」と返信が来たのをメグっちに見せると、今度はメグっちが俺の写メ撮って送ってくれた。ちゃんとリクエスト通り上半身裸でどら焼きを食べながらカメラ目線でキメ顔のを。
でも、キョウコちゃんからその後返信は無かった。
多分、今頃妄想の世界に旅立ってしまったのだろう。
やはり、男としての俺の魅力にキョウコちゃんもメロメロなんだろうな。やれやれだぜ。
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