#36 お泊り会が終わっても
キョウコちゃんを起こしてから4人揃って朝食を食べて、昨日着ていたメイド服や寝室の片付けをして少しまったり休憩しいると、今後の割り振りの確認の話になった。
これまでは、月水金の放課後は文芸部へ出席して、火木がサクラさんと放課後デート。金曜夕方から土曜日がキョウコちゃんの家に泊り、メグっちは毎日の様に夜ウチに来ていて土曜夜にちょくちょく泊って行った。
今後は、文芸部への出席を減らす方向で、空いた時間は特に決めずにフリーにしてもらった。
また、今回みたいにみんな揃ってのお泊り会は、今後も時々でいいからやろうってことに。
それと、キョウコちゃんの自宅には、「メグやサクラも気軽に遊びにおいで」とキョウコちゃんが言ってくれて、メグっちもサクラさんも結構乗り気になっていたので、今回のお泊り会のことも含めて、一番心配していた3人の仲が上手くいっていることに、ホッと胸を撫で下ろした。
最後に、学校でのキョウコちゃんとの接し方は、今まで通りあくまで”教師と生徒”として接することを改めて確認して、午前中の内にお暇することになった。 サクラさんは受験生だし、俺とメグっちは週末の宿題がまだ手付かずだったし。
帰りは、またキョウコちゃんが車でみんなを送ってくれた。
車にみんな乗り込み出発すると直ぐに「ちょっとだけ寄るな」と言って、キョウコちゃんは近所の和菓子屋に寄った。
車からはキョウコちゃんだけ降りてお店に入っていき、直ぐに戻って来た。
手には、お土産用の紙袋を3つ持ってて「ご家族用に注文しておいたのだから、持って帰ってくれ」と、俺たち3人それぞれに渡してくれた。 お邪魔した上に手土産までは、とみんな遠慮しようとしたが「3人とも学校の先生の家に泊まるって言ってきたんだろ? 今後のお付き合いも考えての点数稼ぎだから、遠慮せずに持って帰ってくれ」と。
確かに、家族からしてみたら、学校の先生が生徒を家に泊めると聞けば、良くない印象を与える可能性もあり、キョウコちゃんなりに考えてのことだろう。 そこまで話を聞いたら「じゃあお言葉に甘えて」と3人とも受け取ることにした。
帰りはサクラさんの自宅に先に周り、到着するとサクラさんだけ降りる。
パワーウインドを下げて「受験勉強頑張って下さい」と声を掛けると、サクラさんは窓から体を入れるようにして俺に抱き着いてきた。
「帰りたくない・・・うう」とちょっと泣きそうになっていたので、頭をヨシヨシしながら「寂しがり屋の子猫ちゃんだぜまったく」と慰めていると、メグっちが「サクラちゃんとノリオのツーショットの写メあとで送ってあげるし!元気だして!」と言ってくれて、「いつの間に写してたの!?でも見たい!」とサクラさんは直ぐに元気になってくれた。
最後に軽くちゅーして「ばいばい!またね~!」とサクラさんの自宅を後にした。
「サクラさん、「帰りたくない」とか、よっぽどお泊り会が楽しかったんだな。キョウコちゃんとメグっちのお陰だよ」
「え!?どうした水元!?急にまともなこと言い出して!」
「そだよ!いつもだったら「そんなに俺と離れたくないだなんて、可愛い子猫ちゃんだぜやれやれ」とか言ってるし!」
「いや、たまにはヒロインに感謝してもいいだろ! てかメグっち、俺の物まね上手いな!?」
俺とメグっちの自宅前に着くと、今度はキョウコちゃんが俺に抱き着いて、「来週まで我慢かぁ、寂しくなったら校内放送で呼び出してやる!」と職権乱用を臭わせたので、「そんなことしたらもうご褒美あげないぜ?」と言って耳に息を吹きかけてやると、「ひゃん♡ じゃあ来週も沢山ご褒美下さいね♡ ご主人様♪」といつも通り元気一杯にディープキスされた。
車から降りて「ばいばい!またね~!」とメグっちと二人でサクラさんの車を見送り、メグっちとも家の前で別れてそれぞれ帰宅した。
家に帰ると、父も母も出かけていてクルミだけだったので、キョウコちゃんからのお土産をクルミに渡して、自室で部屋着に着替えて、台所でお昼ご飯の準備を始めた。
二人分の炒飯を作っていると、いきなり背後からガバっと抱き着かれた。
クルミめ、俺が2日も連続で居なかったから、寂しくなって遂にデレたか?
可愛い妹だぜ、と首だけ振り向くと、クルミでは無くメグっちだった。
「来るの早いな、メグっち」
「うん、パパママ二人とも留守だったし、お昼こっちで食べようと思って」
「なら3人分作るか」
「うん、ありがと」
料理の手を止めて体ごと振り向くと、メグっちは再び抱き着いて来て「ん」とぷるぷるの唇を突き出してキスをねだって来たので、メグっちの気が済むまでディープなキスした。
お泊り会でのメグっちは、二人きりの時に比べて控え目だったし、きっと他の二人に遠慮してたんだろう。 その分を今から甘えるつもりなんだろうな。
まったく可愛い幼馴染だぜ。
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