#31 女三人、姦しい
そろそろ迎えに行く時間になったので、洗濯物を取り込んだり昼食の洗い物を片づけ、出かける準備を始める。
キョウコちゃんは相変わらず家事は俺に押し付け、化粧とかの準備をしていた。
生徒に自分の下着とかの洗濯物を畳ませる女教師ってどうなの?と思わない訳ではないが、俺はサービス精神溢れる主人公様だからな、ヒロインの為ならこれくらいは当然のことだろう。
お迎えにはキョウコちゃんの運転する車で、先にサクラさんの自宅へ行き、次にメグっちのところへ。 俺は助手席に座り、二人の家までの道をナビゲートする。
サクラさんの自宅に着くと、俺だけ車から降りてインターホンをピンコーン♪と押す。
直ぐに玄関が開いて、出て来たサクラさんから勢いよくハグされる。
どうやらサクラさんはテンションが高い様だ。
今日のお泊り会を楽しみにしてるんだろうな。
「お待たせしましたサクラさん、迎えに来ましたよ」
「遠いのに悪かったな、待ってたよノリオ!」
そう言いながら、俺に頬擦りするサクラさん。
玄関先でイチャイチャしてると、いきなりブブーー!!!と車のクラクションが。
車の方を見ると、キョウコちゃんが不機嫌な顔して無言でアゴをクイっとして「早く乗れ」のジェスチャー。
「やれやれだぜ」
「早く行こ!ノリオ」
そう言って手を繋いで車まで行く。
「火野先生、こんにちは。 今日はお世話になります」
「ああ、木田さん、こちらこそよろしくな。 ・・・・ところで、君らは二人の時、いつもあんな風に人前でもイチャイチャしてるのか?」
「ええそうですよ♪ ノリオとはいつも手を繋いでますよ、ね?ノリオ」
「いや、キャラじゃないだろ! 木田はもっとカタブツだっただろ!鬼の風紀委員とか言われてみんなをビビらせてただろ!」
「は? 先生こそ何言ってるんですか? もしかして私いまケンカ売られてます? いまのどう思う?ノリオ」
「おいコラ二人とも、喧嘩するんじゃない!メグっち待たせてるからサッサと出発!」
二人とも、気が強いから何となくこうなると思ってた。
こういう時、ハーレム主人公が絶対にしてはいけないのは、どちらか一方の肩を持つこと。 だから問答無用で両方黙らせるに限る。
で、メグっちの家に到着。
出て来たメグっちに先に車に乗っててもらう様に言って、俺は隣の自分んちに行って、服を着替えて直ぐに車に戻る。
車に戻ると、やっぱりまたケンカが始まってた。
「私はな!ディープで大人のぐちょぐちょをいっぱいしたんだかんな!水元だって私の色気にメロメロなんだぞ!」
「はぁ?メグなんか毎晩ベッドで抱き合ってぶちゅーってしてるし! お風呂だって何べんもいっしょに入ってるし! メグのお尻モミモミするくらいメグのマイクロビキニ、よゆーでノリオのガチお気にだし!」
「おいちょっと待てメグ。 今、お風呂に一緒に入っていると言ったか? それにマイクロビキニとはなんだ? メグのユニフォームはスクール水着じゃなかったのか?」
「お風呂くらいで調子に乗るな小娘! 私だって今朝水元と一緒にお風呂でスク水女教師プレイでたっぷり楽しんだんだかんな!」
はぁ、やれやれだぜ
「ちょい!アラサーきょーしのくせしてスク水とかちょーやべーし!歳考えろだし!マジで無いわァ~!」
「おいちょっと待てメグっち。 スク水女教師プレイをバカにするのは、キョウコちゃんが許しても、俺が許さないぞ!」
「の、ノリオ!私だけお風呂に一緒に入ってないのではないのか!? スクール水着か!スクール水着さえ着てれば私とも一緒にお風呂に入ってくれるのか!? どうなんだノリオ!」
早くもノリオ・ハーレム、崩壊のピーンチ
こういう時こそ、俺の本領発揮だ!
「俺の可愛い子猫ちゃんたち、喧嘩は良くないぜ? みんなが俺を取り合いたくなるほど俺が魅力的なのは分かるが、俺は一人しか居ないんだぜ? だからみんな仲良くしようぜ! 後でちゃんとみんな可愛がってあげるからさ」
「べ、べつにメグはケンカしたいわけじゃないし、ノリオがそう言うなら・・・ゴニョゴニョ」
「う、うん、ノリオの言う通りだったな・・・後でちゃんと可愛がってくれるなら、私は何も文句などは・・・」
「はぁん♡ ご主人様しゅてき♡ あとでキョウコにたっ~~~ぷり!ご褒美くださいネ♪」
ふっ
みんな俺の言葉でケンカ止めて機嫌直すなんて、流石俺だぜ。
ただ、3人揃ってみて分かったのは、3人とも気が強くて負けず嫌い。そして、キョウコちゃんが一番
仮にも自分の学校の生徒相手に、ムキになって張り合ってどうするんだよ!って。
なんとか出発して、キョウコちゃんのマンションに到着すると、三人はキョウコちゃんの寝室に行って着替え始めた。
俺は、一人でキッチンに残り、夕飯の準備を始める。
夕飯は、メグっちの好きなクリームシチュー。
シチュー自体は、市販のシチューの素を使ったごく普通のだけど、ウズラのゆで卵を入れるのが水元家流だ。
メグっちは、子供の頃からこのゆで卵が入ったシチューが大好きで、よくウチで一緒に食べては御代わりしてた。
そんな思い出に浸りながら料理をしていると、寝室からは3人のキャッキャ騒ぐ声が聞こえてくる。 最初は3人とも喧嘩腰で不安だったけど、実際のところ3人とも根は良い子猫ちゃん達だし、上手くやってくれるだろう。
しばらく鼻歌交じりで料理をしていると、3人が寝室から出て来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます