#24 決意を新たに



 キョウコちゃんのマンションで一夜を過ごした俺は、翌朝(土曜日)二日酔いのキョウコちゃんの介抱をして、お昼には歩いて自宅に帰った。



 自宅に帰ると、メグっちが俺の部屋で待ち構えていた。



「ちょい、こんな時間までどこ行ってたの? 今まで外泊なんてしなかったのに。 まさかサクラ先輩のとこ?」


「いや、キョウコちゃんのとこ。 お酒飲むから相手しろって拉致同然に連れ込まれた」


「はぁぁ??? 教師がナニやってんの!?」


「う~ん、メイドプレイ?」


「いやマジ意味わかんないし!!! アラサーの担任教師が男子生徒を拉致同然で自宅に連れ込んで、お酒飲んでメイドプレイしてたってこと???」


「そうだな、そういうことだ。 流石に主人公様の俺でも、疲れたな・・・・」


「サクラ先輩だけでも気に入らなかったのに、火野先生もなんて、まじムカつくんだけど!」


 メグっちがギャル語を忘れて憤っている。

 これは結構マジなやつだ。


「メグっちよ、怒る気持ちも分かるが、これが俺の主人公としての宿命なんだ」


「だからって!」


「とりあえず、今は疲れて眠いから寝かせておくれ」


「ぐぬぬぬぬ」


 そうお願いして、俺は部屋着に着替えてベッドに潜った。


 すると、メグっちもベッドに入って来た。


 既に睡眠に落ちる寸前で意識が朦朧としている中、朧気ながらに見たメグっちは、裸同然のマイクロビキニ姿だった。






 ◇






 目が覚めると、部屋の中は薄暗くなっていた。


 メグっちは俺に抱き着いたまま寝息を立てている。


 時計を見ると17時を回っていて、おそらく母親が作っているだろう夕食の匂いがした。



「メグっち、起きろ。そんな恰好で寝てると風邪ひくぞ」


「う~ん・・・・Zzz」


 メグっちは寝ぼけながらも俺に抱き着く手に力を込めて来た。



 俺はメグっちを起こすのを一旦諦めて、考え事を始めた。





 不動の最強幼馴染のメグっち

 真面目で凛々しく、甘える姿がギャップ萌えのサクラさん

 色々拗らせて手遅れ気味のキョウコちゃん


 現時点でこの3人はヒロイン堕ちしていると言えよう。


 この先、俺はどうするべきなんだろう。


 ハーレム主人公として、このまま突き進む?

 それとも最終的に誰か一人を選ぶべき?


 本音を言えば、一人を選ぶなんて今の俺には無理だ。

 メグっちもサクラさんも、失うことなんて想像するだけで辛い。

 キョウコちゃんに関しては、俺のところに来いっていっちゃった責任があるし。




 そしてもう1つ気になるのが、フジコさん率いる文芸部軍団。



 彼女たちは何かを隠している。

 どうも胡散臭い。



 フジコさんはクラスのマドンナ的存在で、きっと俺のメインヒロインに違いないと考えていたが、最近は何を考えているのかが読めない。


 他の3人もそうだ。


 なんていうのか・・・そう、目だ。


 彼女たちの目は、俺に対して主人公への憧れなどが感じられない。

 どこか面白がっているような憐れんでいるような。



 それに活動内容もおかしい。


 廃部を免れる為に在籍してほしいって言って積極的に活動しなくてもいいみたいなこと言ってたのに、糞つまんないラノベばかり読ませたり、俺だけ活動報告書を書かせたり。



 やはり何か裏があるのだろうか。


 メインヒロインだと思わせて俺の油断を誘い、俺のハーレムを邪魔しようとでもしているのだろうか。


 もしそうなら、そんなことはさせない。


 俺は全力でヒロインたちを守る。


 メグっちも、サクラさんも、キョウコちゃんも、俺の大切な子猫ちゃんたちだ。

(キョウコちゃんは、ちょっとアレだけど)


 もしかして、これからがハーレム主人公としての真価が問われるのかもしれない。




 フジコさん達の思惑は分からないが、本当に守るべき物が何かをしっかりと見失わない様にしないとな。



 俺は、マイクロビキニのまま俺に抱き着くメグっちのむき出しのお尻のお肉をタプタプと堪能しながら、そう決意を新たにした。




 そう

 マイクロビキニの前では主人公としてのプライド(他のヒロインを悲しませるから、メグっち相手にエロエロなことはしないとかいうゴミみたいなプライド)など、羽毛より軽かった。







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