#17 文芸部へようこそ
お昼休憩にヒロインたちの修羅場イベントをクリアーした俺は、HRの時間にキョウコちゃんから呼び出しを受けた。
「キョウコちゃん、そんなに俺と二人きりの時間を過ごしたいんですか? 美人でも寂しい時があるんですね」
「何でもいいから後で私のところへ来い! 拒否権は認めん!」
「まったく強引な子猫ちゃんだぜ、やれやれ」
この日は、サクラさんとの放課後デートの予定は無いし、メグっちもギャル軍団と遊びに行くらしく、特に用事が無かった俺はキョウコちゃんの呼び出しに素直に応じた。
職員室のキョウコちゃんを訪ねると「ついて来てくれ」と直ぐに職員室から移動した。
廊下を歩くキョウコちゃんの後ろについて歩く。
目の前では、タイトなスカートに包まれたスタイルの良いキョウコちゃんのお尻が、歩く歩調に合わせてプリプリと大人のエロティシズムを如何なく自己主張しており、これを目視で堪能出来ただけでも呼び出しに応じた価値があったなと、一人満足しながらついて行った。
移動した先は、図書室の隣の空き教室。
ココは、文芸部の活動拠点となっている教室だ。
キョウコちゃんに続いて教室に入ると、中には4名の女子生徒が机をいくつか向き合う様に並べて何かの相談をしていた。
その中に1名知っている人が居た。 その人は俺に気付くと、ニコリとほほ笑んだ。
「えー、みんなお待たせ。以前から問題になっていた部員数の問題を解決するべく1名スカウトしてきたぞ。コイツは2年の水元ノリオだ。みんな仲良くしてやってくれ」
「なるほど・・・寂しいキョウコちゃんは部活でも俺と一緒の時間を過ごしたいだなんて、結構いじらしいところもあるんですね」
「アア、ソウイウコトダ。ヨロシクタノムナ」
何故かカタコトで棒読みなのが気になるが、まぁキョウコちゃんもギリギリヒロインだしな。 たまには優しくしてあげるのも必要だろう。
「ところで、何も聞かされずにココまで拉致された様なものなんですが、俺はココで何をすれば?」
「ノリオくんはこの部に在籍してくれるだけでもいいですよ。 一応部活としては週に3日程活動してますが、出席は強制ではありませんし」
俺の質問に答えてくれたのは、メインヒロイン候補であるフジコさんだった。
「フジコさん、文芸部だったんですね。 ところで先ほどキョウコちゃんの話では部員数問題とかなんとか言ってましたが、やはり人員補充で俺を?」
「実は、そうなんです・・・3年の引退と2年で一人急な転校が重なりまして、今月中に1名補充する必要があったんです。因みにノリオくんを推挙したのは私で」
おっと
ずっと大人しめで目立った動きを見せなかったフジコさんが、ここに来て動きだしたということか!?
「なるほど。 分かりました。ヒロインが困った時に格好よく助けるのが主人公の役目。 俺に任せて下さい」
「ありがとう!ノリオくん! やっぱりノリオくんを推挙して正解だったわ!」
俺の言葉に、フジコさんは喜びいっぱいの表情で俺の両手を掴んで握手するみたいにブンブンしていた。
キョウコちゃんは、腕を組んで一人納得した様な表情でウンウン頷いていた。
残りの部員の3人は顔を寄せ合い、俺に聞こえない小声でコソコソ何かを相談しているようだった。
俺の入部が決まると、俺とキョウコちゃんも席に着いて6名での話し合いが始まった。 まずは部員の紹介からということで、部長であるフジコさんがそれぞれを紹介してくれた。
一人目は、日比野スズさん。
俺と同じ2年で、副部長だそうだ。
少しふくよかだが決して太っているわけではなく、その丸顔は可愛く、目尻の泣きボクロが印象的だ。 どこかおっとりとした癒し系タイプとでも言おうか、なんだかのんびりした雰囲気の子だ。
二人目と三人目は、金田ミカンさんと金田レモンさんの双子だ。
二人とも1年で後輩にあたる。
二人とも顔の作りはそっくりだけど、髪型が違う。
ミカンさんは、肩にかかるくらいの長さのボブヘアー。
レモンさんは、ショートカット。
意思の強そうなキリリとした眉毛も特徴的だ。
そして、この二人も美少女と言っても過言ではない。
年下だからか、妹のクルミに共通する部分がなんとなくある様に感じた。
ひとしきり紹介が終わり、俺はしみじみと思う。
ここに来て新ヒロインが3人も登場。
しかも全員美形だ。
文芸部だけでもキョウコちゃん入れれば5人のヒロインが集まっていることになる。
俺が何もしなくてもヒロイン達を引き寄せてしまうこの主人公力。
俺はとんでもない力を手にしているのかもしれないな。
そう
俺は罪作りな男、ノリオ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます