#49 メインヒロイン達と罪作りな男
フジコさんがハーレムの一員となることに、メグっちとサクラさんは反対することなく、むしろ一緒に喜んでいた。
二人ともフジコさんに発破かけて背中を押していたしな。
そしてクルミもなんだかんだとフジコさんへ祝福の言葉を述べていたし、もう反対するようなことは言わなかった。
和気あいあいと5人でカレーを食べた後、クルミのポケオジコレクションでジョニーさんを確認することに。
モミアゲが長くて眉毛が太いオールバックのおじさんが、コンビニ弁当が入った袋を持って後ろ姿で顔だけ振り向いているキラキラしたカードだった。
「う~ん、似てるか?」
「ノリオここまでモミアゲ伸びてねーし? 髪型全然違うし? 眉毛だけ・・・似てるし?」
「そうだな、眉毛は似てるな。でもノリオのがイケメンだと思うぞ」
「う~ん、流石にジジイはここまでキモくないかな?」
「みなさんは分かってませんね! ソックリじゃないですか! ノリオくん!試しに髪型整えてみましょうよ!」
フジコさんがそう言うと、クルミが洗面所から整髪料とブラシを持ってきて、みんなで俺の頭をオールバックにし始めた。
更にメグっちが、エコバックにその辺に有った物を適当に詰め込んで「これ持ってこのポーズしてみるし」と俺にリクエスト。
言われた通りにエコバックを持ってみんなに背を向けて立つ。
そして、少し溜めてから振り返る。
「「「ぶぅぅぅぅぅ!!!」」」
「す、ステキ!!!」
思いっきり噴き出して笑い出すメグっちとサクラさんとクルミ。
そして目がハートになって抱き着いて来るフジコさん。
みんなが喜んでくれたり仲が良くなるのは大歓迎だが、なんか俺のイメージしてるハーレム主人公と違う、気がするが。
「はぁ♡ コレでポケオジマスターリーグに出場出来ます♪」
「でねーよ!」
その後は、新たにハーレムのメンバーとなったフジコさんへ、サクラさんがノリオハーレムの決め事を説明したり、メグっちがスク水で学校生活する際の注意点を実演を交えてレクチャーしたりした。
メぐっちが真剣な顔で説明しているのとは対照的に、フジコさんは苦笑いしていたが。 たぶん、メグっちはハーレムヒロインとしての先輩っぽいことしたかったんだろうけど。
最後に、キョウコちゃんには明日のお昼に説明することを話し合って、サクラさんとフジコさんは帰ることとなり、俺が二人を家まで送り届けることにした。
先にサクラさんのお家へ行き、おやすみのキスをしてから別れ、フジコさんの家に向かう。
フジコさんと手を繋いて歩いていると、フジコさんはこれまでのことを謝罪し始めた。
「今まで、本当にごめんなさい。 ノリオくんの優しさに付け込んで色々やらかしてしまって・・・」
「いや、そのことはもういいよ」
「私、昔から何かに夢中になると周りが見えなくなってしまって、そのことばかり考えてしまうんです。 色々妄想するのが好きで、ノリオくんのことを色々考えてたら楽しくて、妄想が暴走して妄想の中の話と現実のことがゴチャゴチャになっていました」
「まぁ、そんな感じだったね。部活とかでも暴走列車って感じだったし。 結果的に遠回りしただろうけど、今はちゃんと区別出来てるんでしょ?」
「はい、こうしてノリオくんが手を繋いでいてくれているお陰です」
「ふっ、つまり俺が居ないとダメな子猫ちゃんってことか。 しょうがない子猫ちゃんだぜ、まったく」
「それにしてもノリオくんは、妄想が暴走してたって聞いても引いたりしないんですね?」
「あーその辺は、もっと凄いの居るからね。 キョウコちゃんの変態妄想話、散々聞かされてるからさ、俺」
「火野先生って、やっぱり変態なんですね。 昨日の部活の時も、真面目な顔して変な事ばかりしてましたし」
「キョウコちゃんは、俺をペットにしたかったらしいよ。 ペットにして変態プレイを色々したかったらしい」
「え・・・でも、それでもハーレムの一員としてお付き合いしてるんですよね?」
「うん、キョウコちゃんも立派な俺のハーレムヒロインだよ。 キョウコちゃんの変態プレイにも出来る範囲で付き合う様にしてるし」
「そうなんですか・・・だったら私も! 是非私と一緒にポケオジバトルを!」
「ポケオジバトルは無理だから!!!」」
「そ、そんなぁ~」
フジコさんは、残念そうな声を出しながらも、その表情はどこか余裕があり最近感じていた悲壮感は完全になくなっている様だった。
俺がそんなフジコさんの顔を見つめていると、ニコリと笑って今度は俺の腕に抱き着く様に自分の腕を絡ませてきた。
やはり正統派美少女、笑顔で甘えてくる姿はなかなかの破壊力だ。 もう、文芸部で二人きりで対峙した時とは大違いで、すっかり恋人同士だぜ。
フジコさんの家に着くと、最後にハグをしてからおやすみのキスをする。
「お付き合いスタートした日にファーストキスして、更に何度もキスしちゃうなんて、流石ノリオくんですね」
「フジコさんはファーストキスだったの?」
「そうですよ? うふふ」
「そっか、これからもよろしくね。 じゃあ俺は帰るよ、おやすみ」
そう言ってもう一度キスする。
「送ってくれてありがとう。おやすみなさい、ノリオくん」
フジコさんは、家の前で俺が見えなくなるまでずっと見送ってくれた。
翌日、キョウコちゃんにはお昼に文芸部の教室に来てもらう様にお願いし、お昼休憩になると俺たちは弁当を持って文芸部の教室に向かった。
教室に入ると既にキョウコちゃんが待っていた。
5人でお昼ご飯を食べながら、俺からフジコさんとお付き合いするに至った経緯を説明した。
キョウコちゃんは、フジコさんがハーレムの一員となることに反対するどころか、歓迎してくれた。
「ちょっと待て!、そのジョニーさんとやらの真似した時のオールバックの、写メか何か残してないのか!?」
「あ、メグ撮ってるし! ちょっと待って、キョウコちゃんにも見せてあげるし!」
どれどれ、と言ってメグっちのスマホをのぞき込むキョウコちゃん。
「メグ!この写メ私に送ってくれ!すぐにだ! コレは中々良いものだぞ? 月野!お前見る目あるな!」
「先生もジョニーさんの良さが分かるんですね!」
「ああ、もちろんだ!」
「ふっ、こんなにも俺の容姿にメロメロとは、二人とも面食いなんだな。やれやれだぜ」
そう
俺は罪作りn
「いや、ノリオの容姿っていうより、ジョニーさんの容姿の話だろ?」
相変わらず俺に決め台詞を言わせないサクラさん
「そうだし! ノリオはキモイんだし!」
いちいち言う必要無いのに、キモイとか言うメグっち
「この写メさえあれば・・・今夜は捗りそうだぞ! はぁぁん♡ ご主人様のこの目つき!学校なのにキョウコもう濡れ濡れ♪」
変態スイッチが瞬時に入るキョウコちゃん
「わ、わたしにも写メ送って下さい! それさえあればきっと私も!?」
そして、こんな個性派揃いのハーレムに入っても直ぐに順応してしまうフジコさん
普通の男なら、どの子猫ちゃんとも1度はお付き合いしたいと思う程の美少女や美女。 しかし、どの子猫ちゃんも一筋縄ではいかないツワモノばかり。
そう
この4人、誰がメインヒロインになってもおかしくない。
謂わば、4人とも全員がメインヒロイン。
そんなメインヒロインを4人とも攻略してしまう、主人公様。
流石だぜ、俺。
そう
俺は罪作りな男、ノリオ。
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