#10 スク水最強説を立証した幼馴染



 一通り宿題を終えると、メグっちは俺に肩マッサージを強請って来る。

 いつものことだから俺も手慣れたもので、うつ伏せに寝ころんだメグっちの肩や背中を揉み解す。


 巨乳は肩こりに悩まされると良く聞くが、メグっち曰く本当のことらしい。

 というか、主人公様に直にマッサージをして貰えるのも幼馴染の特権だろう。


 流石メグっち、その辺もよく解っているな。



 そう

 俺はサービス精神溢れる主人公、ノリオ。






 メグっちが「もう寝るし、おやすみ、ノリオ」と言って欠伸をしながら自分の家に帰ると、俺は一人自室で考えた。



 10年以上の付き合いの幼馴染のメグっち

 隣の席のクラスメイトの月野さん

 毎日の様に絡んでくるサクラ先輩

 結婚に焦る行き遅れの美人教師のキョウコちゃん


 みんな俺のことが好きなのは分かってる。


 俺としては大本命は月野さんだ。

 メインヒロインに相応しいのは月野さんだろう。


 しかし、俺が月野さん一人を選んでしまうと、他の子猫ちゃんたちはきっと悲しみに暮れる。 致し方ない部分もあるだろうが、本当にそれで良いのだろうか?


 ハーレム主人公様としては、本当ならば全員の愛情を平等に受け入れるべきなのでは?


 最近はそんなことばかり考えては、一人胸を痛めている。



 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。











 いくら俺が主人公としての悩みで胸を痛めていようとも、朝はやってくる。



「ジジイ、いい加減起きろ!」


 お兄ちゃん大好きっ子のクルミが起こしに来た。

 流石、我が妹クルミ。主人公の妹としての役目をよく解っている。


「早く起きないとメグちゃんに置いていかれるよ!」



 クルミに無理矢理布団を奪われ起きるしかなくなった俺は、仕方なく寝ぼけ眼のまま台所で朝食を食べる。


 クルミは先に食べ終えて、髪をツインテールに整えている。

 ヘアゴムを止める位置に拘りがあるようだ。

 さっきから左右のバランスの微調整に余念がない。



 朝食を食べ終えると、歯磨きと洗顔を手早く済ませて制服に着替える。


 クルミと二人で玄関から出ると、家の前ではメグっちが待っていてくれる。



「クルミんちーっす。ノリオもおはー」


「メグちゃん、おはよ」


「メグっちおはよ、今日も朝から気合の入ったメイクだな。俺の為に朝から頑張ってメイクするなんて、可愛い幼馴染だぜ」


「はいはい、可愛いとか聞き飽きたし」


「とか言いながらテレてるところも可愛いぜ」


 そんな毎朝繰り返される朝の挨拶をしながら、3人で歩く。




「とりま、ノリオのアドバイス通りにしてみたんだけど?」


「ん?アドバイス?」


「メグに似合う見せブラの話」


「あー」



 メグっちの服装を改めて観察すると・・・・開いた胸元から見えているのがブラだと思ったら・・・



「す、スク水だと!?」


 俺が気付くと、メグっちはその豊満な胸を突き出す様に「えっへん」のポーズをとる。


 因みにクルミは、俺に蔑みの眼差しを向けている。



「メグっちすげーな!おい! スク水最強説がいまメグっちによって立証されたぞ!」



 制服の下にスク水を装備する巨乳でイケイケギャルの美少女幼馴染、中々に凄いぞ。


 制服、スク水、巨乳、ギャル、美少女、幼馴染


 男子高校生の夢を詰め込み過ぎだろ!

 もはやギャグだな!


 これは、大本命の月野さんのメインヒロインの座を揺るがしかねないぞ。

 俺の脳内ヒロインランキングを見直す時が、来たのかもしれない。



 って、痛い!

「クルミ、無言でお兄ちゃんのお尻を蹴るのを止めるんだ!」


 興奮冷めやらぬ俺のお尻を無言で蹴り続ける妹のクルミ。

 腰の入れ方が玄人っぽい。本格的な蹴りだ。


 お兄ちゃんが幼馴染のスク水にちょっとテンション上がっただけでスネちゃうなんて、可愛い妹だぜ、まったく。




 そう

 俺は罪作りな男、ノリオ。





「ち、因みに、下もか!?」


「そだよ~ん♪」


 自らのスカートをペロリとめくり、お尻をチラ見せするメグっち。

 ノリノリである。


「見せパンもか!? アンタすげーよ! やっぱりメグっち最強だな!」





 



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