調査結果 その7
1.はじめに
七つ目の怪異は「数多の怪異記す者」。ここまで見てきた怪異は、七つ星家が所蔵している『七つ星怪異録』にその存在が記されていた。そして、この七つ目の怪異は、それらの怪異が書物にまとめられていること自体が怪異だと言うのだ。一体なぜ七つ星家は、これらの怪異を子孫に伝えようとしたのか。今回はそれを探る。
2.聞き取り調査
まず私は、祖父に怪異について尋ねた。この家に伝わるものならば、祖父も知っていると考えたからだ。予想通り、祖父は怪異のことを知っていた。しかし、そのためには試練を受けて貰うと言われた。その試練の内容は、タケノコ狩りだった。山に登り、一時間の内に多くのタケノコを採った方が勝ちだというルールの下に行われた。私はこれまで出会った怪異の助けを借りつつ祖父に勝ったが、次の試練を母の下で受けるように言われた。
次に、母の試練を受けた。母とは、相撲のように決められた円形の土俵の中での勝負をした。一発でも当てれば私の勝ちというルールだったが、母の攻撃は激しく苦戦を強いられた。最終的に、私は勝利した。
3.真実
二つの試練が終わると、私は蔵の地下室に案内された。そこには、いくつかの本棚があり、古い書物が収められていた。
祖父と母は、私が行ってきた怪異調査は七つ星家の成人の儀式だと告げた。理由は不明だが、古くから行われているらしい。
なお本来この儀式は他言無用らしいが、今回は自由研究のために特別な許可をいただいた。
4.おわりに
このように、怪異録が残された理由の一つに、七つ星家独自の儀式があることがわかった。私も七つ星家の人間である以上、今後この伝統を残していくのか考えねばならない。危険を伴う怪異調査を子孫に任せるかが、今後の論点だ。
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