第7話
平賀源与は目覚めた。
すっかり爆睡していた。
んーと伸びをする。
気付けば未済書類の山。
否。
竹簡でない事を此処は感謝すべきだと源与は想い鎮める。
パピルスに、エジプトの先代の叡智に気力の総てを投じて陳謝し源与は再び指を奔らせる。
たいぷらいたー。
南蛮の、珍物の一品に彼女は目を付けた。
これぞ!天祐と。
以後、平賀機関の生産性は爆発的に向上した。
と、想いたい。
眠い。
源与は寝落ちした。
12.
平賀源与は目覚めた。
すっかり爆睡していた。
んーと伸びをする。
気付けば未済書類の山。
見なかった事にして彼女はととんと階下に。
「おっはー」
「おっはー」
おしん、悪心、御忍、はそっとため息。
暮(く)れ六つにおっはー、“とは”。
对不起 - 我也帮忙!。
何か。
小鳥の囀りの様な音声と共に。
源与はおしんの隣にそっと寄り添う。
「ごめんねーゆうげの支度遅れて御免ねー」
はっ、と、おしんは我が身我が手を振り返る。
「欠食児童共を攻略!いざ尋常に勝負!!」
ガガガ!源与の鍛えられた双椀が唸る。
ぴんぽんぱんぽ~ん。
夕食の準備が整いました。
食堂にレッツラゴーCYEKIRA!!。
うんめー。
谷甲州が唸る。
谷甲州。
浮田清兵衛、二代目。
滑空自然飛行を極めた初代に続き、人類初の動力、人為飛行を目指す、否。
俺が人類を救う!。
人が空を飛ぶ!。
ありえん、無理無謀、がめおべあはぁ、とんち?、がー!!!。
不可能を可能にする!俺が!。
那破烈翁がなんぼのもんじゃーあ奴は所詮冬将軍以下じゃねーか!。
だから人類滅亡は回避、出来る!!。
出来るんじゃないかな?。
まちょと滅亡も覚悟はして於け。
「お前、『うんめー』以外の食感ねーのかYO! このボキャ瀕が!」
混ぜっ返すのは麒麟児。
坂本龍馬。
「あんだよ」
「思わず江戸弁が出ちまった、ぜよ」
「ぜよ」
口真似をするのは、大石英司。
大石氏(おおいしし)は、日本の氏族。清和源氏義仲流と称した信濃国大石郷の大石氏は室町時代に関東地方で活躍し、戦国時代には武蔵国の守護代となる。氏族。関東管領上杉氏のもと、四宿老(長尾氏・大石氏・小幡氏・白倉氏)の一人に数えられ[2]、代々武蔵国の守護代を務めた。藤原秀郷の後裔(沼田氏と同族とされる)といい、信濃国佐久郡大石郷に住んでいたことから、大石氏を名乗ったといわれる。また、これらとは別に平安時代初期編纂の『新撰姓氏録』に記される古代氏族にも大石氏はあるが詳しいことは定かではない。 室町時代初期、大石為重は初代関東管領の上杉憲顕に仕えた。彼には男子がなく、1334年(正慶3年)に、縁戚関係にある木曾義仲の後裔と称した大石信重(木曽家教の三男、家村の弟)を婿養子として迎え、実際の藤姓木曾氏の庶家となったという。信重は観応2年(1351年)、挙兵した南朝方の新田義宗との笛吹峠の合戦で先陣を勤めた。その戦功として、1356年(延文元年)武蔵国入間・多摩の両郡に13郷を得て多摩に移住し、二宮(現・あきる野市)に館を構えた。また、「武蔵国目代職」にも任じられた。1384年(至徳元年)、信重は浄福寺城(現・八王子市下恩方町)を築城した。応永年間には叔父(養叔父)の大石能重(為重の弟)が武蔵・上野・伊豆各国守護上杉能憲に仕えて守護代を務めた。1458年(長禄2年)、大石顕重(信重の玄孫)が高月城(現・八王子市高月町)を築城し、二宮から本拠を移した。15世紀末期頃の禅僧・万里集九の著作、漢詩文集『梅花無尽蔵』巻六の「万秀斎詩序」に、武蔵国守護の家臣に、木曾義仲十代の子孫・大石定重がおり、武蔵国20余郡を掌握しているとの記述がある。1521年(大永元年)、定重は高月城の北東1.5kmに滝山城(現・八王子市丹木町)を築城し本拠を移転した。
その後の大石氏
1546年(天文15年)、関東に進出した後北条氏の北条氏康が河越夜戦で大勝する。その結果、扇谷上杉氏は滅亡し、関東管領山内上杉氏は関東から追われ、越後国の長尾景虎を頼る。主家上杉氏の没落により、大石定久は北条氏康の三男・氏照を娘・比佐の婿に迎えて、自らは戸倉に隠居した。領地支配を守護上杉氏に頼りすぎた大石氏はほかの守護代のように領域支配に失敗し、戦国大名への脱却をできなかったといえる。小田原征伐により後北条氏が没落すると、大石定久の実子大石定仲と養子大石定勝は徳川氏に仕えた。八王子千人同心としてその子孫は明治時代を迎えた。一方、大石綱元は、上杉憲政に従い越後国に入り、その後は長尾氏(上杉氏)家臣となる。上杉景勝が会津120万石に移封されると保原城を任される。大石氏は代々上杉家の要職を務め、子孫には米沢藩で名奉行と言われた大石綱豊などがいる。
英司にぜよ、と揶揄された龍馬は流石に鼻白む。
甲州には甲州の分があるのか、も。と。
14.
もちろん精魂尽き果てた源与は厨房で爆睡中。
15.
平賀源与は目覚めた。
すっかり爆睡していた。
んーと伸びをする。
金吾めは何故動かんのだ。
総司令の独語は意想外に大きく、幕下に響いた。
臆したか。
続くは紛れもない怒号であり、罵声であった。
大殿の焦慮は幕僚、徳川家臣団全員もまた、理解骨髄の易きにあった。
眼があれば判らぬ道理はない。
我が軍は、東軍は今、窮地にある。
金吾中納言、小早川秀秋殿の内応無くば確実、敗北必至である。
他方の陣幕は無論対極。
殿、この戦、最早。
痴れ者。
西軍総監たる光成は近侍の軽口に大喝を落とす。
あの家康ぞ、首にするまで笑えんわ。
しかし語るに落ちている、
勝利は、確信していた。
あとは時間の問題、そして。
事、ここに至り西軍総予備の重みすら持った。
小早川殿がいつ、断を下すか。
と。
遠方に重い破裂音が木霊した。
種子島、眼を細め光成は奇異に思う。
東軍の本陣から、山上へ射掛けられたらしい、が。
あの距離では、無駄撃ちではないか。
あの家康も窮鼠に堕したか。
なればこそ、ここはよいよ慎重に刈り取らねばならんな。
期待を込めその山上を見遣る、正に頃やよしですぞ、中納言殿。
馬曳けい。
珍しく、大音声で秀秋は屹立した。
顔は蒼い、否それは。
激発した憤怒により退いた血の気であった。
ぎりりと歯を鳴らす。
近侍が曳き寄せた愛馬に遅いと浴びせひらりと鞍上に上る。
家康め、家康め、家康め。
怒鳴り散らしながら駆け降る。
無論続くは大兵一万五千。
常ならぬ、火を吐かんばかりに駆ける殿一騎にすわ遅れじと。
怒涛は斯くやと山を鳴らして就き従うその勢はこれぞ破竹。
負け戦を、この秀秋に頼みつつ射掛けるとは。
此処まで虚仮にされ、武士の一分が立つものか。
その増上慢、今こそ我が手で討ち果たそうぞ。
「掛かれ者共!目指すは家康の首只一つじゃ!!!!!!!!!!!!!!」
地を裂かんばかりの号令一下。
応。
溜めに溜め滾り切った万の軍勢が打ち応える。
鎧袖一触、大勢はここに決した。
か、に見えた。
金吾中納言、小早川秀秋公、討ち死に。
西軍に激震が奔る。
嗚呼、勝ち過がれぞ中納言殿。
光成は天を仰ぐが是非もなし。
ここが正念場、見せよ者共、
宙に浮いた一万五千に戦場は又揺れ戻す、
なれどこればかりは、東軍の勝ちだけは遂に無かった。
必勝を期した家康最大の賭け、その戦歴の最期にして絶後の敗北であった。
そして、歴史が動いた。
らしい。
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