時計と職人
時計の針は止まらない。
その針をチクタク、チクタクと時間のある限り永遠に動かして働いている。
職人さんはその針を調整する。いつしか職人さんと時計の間には信頼関係が結ばれていた。
56年もの長い間、一人と一つは共に同じ時を過ごした。
しかし職人はいつしか寝たきりになった。時計は彼がいない間もこの部屋の時間を進めている。何日も何日も、彼が戻ってくるまではこの部屋の時間を止めなかった。
一つになって何ヶ月か経ったある日、彼がやってきた。
そしてこの部屋で落ち着くともう動かなくなった。時計はその後を追うようにこの部屋の時間を止めた。
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